三百四十五、日本未来の党(分党前)の敗因を探る
平成25年
一月六日(日)「マスコミの偏向」
日本未来の党の敗因はこれまで述べてきた内容と重複するが、今回纏め直すことにした。これまで述べてきた内容は以下のとおりである。
322 國民はだまされてはいけない、選挙の争点はうそつき増税を許すか許さないかだ
326(甲) 消費増税反対グループは政権を取れる
329 (1)國民は世論調査といふ世論誘導にだまされてはいけない、(2)嘉田氏と橋下氏への給与差し止め請求に皆で反撃しよう
338 民主党と未来の党への要望
まづ偏向マスコミの包囲網を敗れなかつた。週刊ダイヤモンド社のオンラインの輿論調査では国民の生活が第一が第一党である(329へ)。インターネツトで週刊ダイヤモンド社のオンラインを見ようとする人は大手新聞やそのグループ会社であるテレビ局の影響は受けない。日本の偏向マスコミが如何にひどいかがよく判る。
第三極は次の参議院選挙では、マスコミは偏向してゐることを前面に出して反撃すべきだ。
一月七日(月)「原発問題」
原発を停止しても電力不足にはならない。それは昨年と一昨年の夏が証明した。それより選挙前にマスコミが脱原発のドイツは電力料金が高いといふ報道を流した。その手際のよさにまづ注目すべきだ。次に反論すべきだ。反論がうまく出来てゐなかつた。私は節電で電力料金を節約することで単価が高くなつても乗り切ることをこれまでも提唱したし、国民にその決意がないなら既存原発は十分対策を立てた上で運転する。その結果、電力単価は高くなるが寿命が来たら廃炉にして新設はしない。これも提案した。
ところが日本未来の党(分党前)は卒原発といふだけで具体策を提言しなかつた。同党のホームページを見ると偽善言辞ばかりである。代表代行の飯田氏は何をやつてゐるのか。私は地球を守るためにはアメリカ人が大陸の東海岸から西海岸まで全体に広がつて住んでは燃料費が掛かるし移民は受け入れるし、そもそも地球を守らうといふ気にならない。だからアメリカ合州国解体論を提言した。アメリカは京都議定書に加盟しなかつたし地球温暖化防止に消極的である。その理由は軍事的優位を保ちたいだけだ。だから米帝国主義は人類と全生物の敵であると発言した。これは佐々木更三が社会党委員長に就任したときの挨拶「米帝国主義は人類の敵である」をもじつたものだが、本気で地球を守るなら飯田氏はこの程度は発言すべきだ。
一月八日(火)「女性候補は男女の両方から支持される人を」
フエミニズム運動とは手を切るべきだ。さうしないと広範な国民の支持が得られない。男女差別はあつてはならないし離婚した女性が貧困になつてはいけない。まづさうなる前に離婚しない社会を築くべきだ。その上で離婚した女性も貧困にならない社会を目指すべきだ。ところがフエミニズム運動は朝日新聞みたいにまづ社会の破壊を目指す。次に崩壊した社会で増大する離婚を過大に取り上げる。欧米の猿真似だからかういふことになる。
未来の党は、国民からはフエミニズムの党と見られた。そのことは社民党も同じである。だから支持率が極めて低い。女性候補は男女双方から支持される人を出馬させなくてはいけない。これは男性候補も同じだが女性候補の一部にともすればともすれば当選後にフエミニズム的になることがあり、これは次回の選挙で男女双方から支持されない。社会党時代の土井たか子さんの場合は男女双方から支持された。
一月九日(水)「党首が牽引する党」
党首が全体を牽引すると国民の人気が出る。社会党の浅沼稲次郎、自民党の田中角栄、小泉純一郎といづれも党首が党を牽引し国民の支持を受けた。
一歩間違える暴走することがある。維新の会にも当てはまる。しかし維新の会は一部分だからまだよい。菅と野田の暴走はまづ財務省に丸め込まれた。次にニセ労組連合の票を当てにした。党首は国民のことを考へて牽引すべきだ。間違つても官僚や圧力団体ではない。
日本未来の党は小沢氏が前面に出て指導力を発揮すべきだつた。
一月十一日(金)「政治家と政治屋」
五十五年体制では、議員のほとんどは政治家だつた。しかし議員の待遇には市場原理が働かない。本来は立候補者が多ければ待遇を下げ、立候補者が少なければ待遇を上げるべきだ。それをしないから政治屋ばかりが増へた。
社会党についても大手新聞に、社会党はかつては議員になつてから活動を目的とする人ばかりだつたたが今は議員でゐることだけが目的の人ばかりになつた、と書かれた。それから十年ほどして社会党は崩壊した。自民党も事情は同じである。政治屋であることを目的とする人ばかりになつた。
これはすべての政党に当てはまる。例外は共産党で歳費は党に収め党から給料を貰ふ。これが一番理にかなふ。だから日本未来の党も例外ではない。そんなときに比例区の優先順位騒ぎが起きた。あの程度のことはどの政党にもある。ところが未来の党だけ意図的に大きく報道された。国民は、政治屋でゐることを目的とする連中の集まりかと見るようになつた。あの騒ぎで10議席は減つた。
一月十二日(土)「総選挙で大勝したのは本当は第三極だつた」
先月の総選挙では自民党が圧勝したように見へる。しかし比例区の得票率は前回が26.7%、今回が27.6%でほとんど増へなかつた。民主党は前回が42.4%、今回が15.9%で激減した。維新の会は20.3%、みんなの党が8.7%、未来の党が5.6%で、合計すれば34.6%である。
今回の選挙で大勝したのは本当は第三極だつた。マスコミが過度に維新の会だけを取り上げたのは、消費税増税に賛成の余地があると見たからだらう。それほど消費税増税はマスコミやニセ労組シロアリ連合にとつてはおいしい話である。
第三極が得票率で第一位になつたことは重要である。次の選挙で統一候補を立てれば政権を取れる。
一月十三日(日)「リベラルとは絶縁すべきだ」
リベラルとは自由といふ意味で江戸時代に叫ぶなら意味がある。今の日本で叫んでも意味がないばかりか有害である。なぜなら財界や既得権勢力が叫べば新自由主義になるし、左翼崩れが叫べば社会を破壊する。
民主党は(1)前者のリベラル(野田前原派)、(2)後者のリベラル(菅派)、(3)反自民(鳩山派)の合体したもので、それだけでは絶対に多数派にはなれない。そこに小沢派が加はることで、文化保守ともいふべき多数の国民も安心して投票することができた。
鳩山氏が退陣の後は(1)と(2)ばかりが羽振りを利かせ国民の信頼を失つた。小沢氏がエコロジー派の嘉田氏と組んだことは正解ではあるが、嘉田氏の勢力がフエミニズムまがいの後者リベラルに走り票が大きく逃げた。小沢氏の生活の党は国民の党としてリベラルとは手を切り、阿部氏の日本未来の党もエコロジーの党としてリベラルとは手を切るべきだ。エコロジーはリベラルと手を切つても国民はなかなか信用しない。だから文化保守を取り入れるべきだ。排他的な反中反韓は困るが国民の持つそのエネルギーの本質は文化保守であり、それが即ち生活保守であることにも気が付くべきだ。堕落した部分を取り除いた過去からの方法こそ最も永続の可能性の高いことはエコロジーの常識である。(完)
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