三百二十六(甲)、消費増税反対グループは政権を取れる

平成24年
十一月二十九日(木)「政権を目指す」
消費増税に反対するグループが政権を獲得する方法がある。それは政権を獲得することを目的に掲げることだ。「増税には反対です、だけど少数派です」といふのでは消費増税反対グループに投票しない人がかなり出る。「増税を撤回するために政権を取ります」といふべきだ。これで多くの国民が投票する。

十二月一日(土)「日本未来の党結成」
嘉田滋賀県知事を党代表に「日本未来の党」が結成された。そこに「国民の生活が第一」が合流した。
個人的にもめでたい話である。我が家の先祖は織田信長の時代から近江(現滋賀県)に住んでゐて曾祖父の時に京都を経て東京に来た。私の妻の家は先祖代々奥州磐井郡(現岩手県一関市で小沢氏の旧選挙区)である。
消費税は地方のためにならない。東京のシロアリだけが暴利を上げて、その他の地域は疲弊する。消費税を上げても多くの国民はその分を節約するしかない。昼食は食堂ではなく弁当にするだとか、仕事が終つた後に一杯飲みに行く回数を減らすだとか、車やバスに乗らず歩くだとかするしかない。つまり決まつた額の中から中央シロアリ政府が多く取る分だけ地元の取り分が減少する。
消費税増税は地方の時代に逆行する戦後最大の悪政である。「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」が合流したのも心強い。ぜひ「維新の会」も合流してほしい。「維新の会」は間違つても官僚、マスコミの工作に乗つて消費税を地方税などと叫んではいけない。

十二月二日(日)「宇都宮弁護士」
昨日はうちの労組で、労働契約法改正による有期雇用の勉強会があつた。講師は労組の委員長代行のOさんである。Oさんは中小ネツトのH事務局長とともに参議院の福島党首の質問の前に福島さんに有期雇用のレクチヤーに行つた。九月の全国交流集会のときには福島党首が会場に入つて入口脇の席にゐたうちのA副委員長に会釈した。それほど社民党とは関係が深いが、勉強会が始まる前に皆で「阿部知子さんは未来の党に行けてよかつた」「社民党なら落選だつた」と社民党の悪口を雑談した。
勉強会の終了後、一人で歩いてゐると池袋駅東口とサンシヤイン通りとの五差路で都知事候補の宇都宮弁護士とすれ違つた。選挙カーが宇都宮候補がサンシヤイン通りを歩きますと叫ぶ中を10人くらいの運動員に囲まれ私の1m横を通過した。私も「支持しています」といふことを示すため笑顔で宇都宮さんのほうを見ながら通り過ぎた。
宇都宮弁護士は4年前の年越し派遣村の名誉村長を務め、そのときうちの労組のA副委員長が事務局を務めたから、もちろん私は宇都宮氏支持である。あのとき労組の会議室は全国から送られた支援物質で一杯になつた。週刊誌に支援物質の横流しなど噂を書かれたことがあり、どう運用するかは宇都宮弁護士に知恵をお借りした。
しかし「日本未来の党」が都知事選で宇都宮候補を支持したほうがよかつたどうかは疑問である。それにより「日本未来の党」がリベラルと国民に見做されない努力が今後必要になる。宇都宮弁護士は人権派でありリベラルではないと信じる。リベラルの行き着く先は新自由主義である。
政府に反対して運動すれば規制を受けることもある。そのとき自由を叫ぶことは正しいが、自由な状況下で自由を叫べば拝米になる。アメリカは決して自由の総本山ではない。戦後多くの植民地が独立を果たした中で、アメリカは国自体が植民地である。多くの国民はアメリカを目標に伝統を破壊することは生活を破壊することだと直感で知つてゐる。だからリベラルと見做されると多くの票が逃げる。自民党が長く政権を保てたのはこの原理である。

十二月三日(月)「合流前の党名の活用」
「日本未来の党」に「国民の生活が第一」や「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」が合流した。合流前の党名は政策としては捨て難い。シロアリ民主党やシロアリ自民党に流用されないよう「国民の生活が第一」と「減税日本・反TPP・脱原発」をどんどん活用したほうがよい。

シロアリ2党は、脱原発で電気料金が上がると攻撃してくるだらうから、原発は事故や放射性物質の処理で実は経費が掛かることをまづ主張する。次に原発電力量は中長期には節電で対応することで国民の電気料金は逆に減少する。仮に1KW時当りの単価が増へたとしても払ふ額は減少する。実際は原発事故や処理費用が掛からないから単価も増へない。節電分は家電、産業機械の技術向上で産業への刺激となる。つまり今まで電力会社とそれに群がるシロアリ(ニセ労組や業界ムラ)に流れてゐたカネを節電、新発電産業に流す。これらを主張すべきだ。何より脱原発と二酸化炭素排出削減の両方を実施した最先端の国として世界から信頼を得られる。これによる利益は計り知れない。
それより今回の選挙は野田が消費税増税で国民に信を問ふと言つて始めたものである。だから消費税増税以外に話をそらすことは野田が嘘をついたことになる、と主張することである。

十二月三日(月)その二「みんなの党、維新の会と連携」
「日本未来の党」の特長は、首相になりたいといふ上昇志向の異常な人間がゐないことだ。菅直人や野田のような連中がゐないのはよいことだ。ここはみんなの党または維新の会に首相を出してもらふことを提示し連携する方法がある。今回の選挙は第三極とシロアリ3党との争ひである。マスコミの偏向が原因ではあるが維新の会は実力以上に目立つ。連携出来るならしたほうがよい。特に橋下氏の実行力は捨て難い。

十二月四日(火)「滋賀大学准教授、柴山桂太氏『静かなる大恐慌』」
滋賀大学准教授、柴山桂太氏の『静かなる大恐慌』が日経BPに紹介された。名付けて「日本企業は迫り来る反グローバリズムの時代に備えよ」である。柴山氏はインタビユーに答へて次のように答へてゐる。
・今回の危機は長期化します。回復する局面が多少あってもじわじわ下の方に引きずられていく。
 日本も1991年にバブルがはじけて事態が本当に深刻になったのは、6年後の97~98年。巨大なバブル崩壊による不況は、じわじわ来るのが特徴です。そう考えると、今回の危機は米国で言うと、2014年頃からこそいよいよ深刻になっていく。
・グローバル化は歴史の必然で、今後ずっとこのまま続いて最後は「国境なき時代」がやってくるんだといった考え方はもはや通用しないと私は見ています。そういう観点から、企業も国も長期の戦略を練り直す必要があるのではないか、ということを提言したかった。
100%同感である。ただしこの結論に至る過程は柴山氏と私は違ふかも知れない。ここ10年来の政治はグローバルだ、国際競争力だと叫んで国内の良識や習慣を無力化してきた。ブレーキの壊れた自動車と同じである。エンジンブレーキだけで制御しようとしても無理である。
いづれにせよ今後は大変な時代が来る。消費税増税は絶対に撤回させなくてはいけない。

十二月五日(水)「社会を築く勢力と壊す勢力」
私は神奈川県民だが、もし東京に住んでゐたらたぶん猪瀬氏に投票する。埼玉に住んでゐたときは、畑和氏が長いこと知事だつた。畑氏は社会党右派の国会議員だつたが落選中に社会党、共産党推薦で県知事に当選し、しかし後に実質は無党派候補になつた。だから国鉄分割問題で国内輿論が二分されたときも突然大宮操車場の跡地にJR東日本の本社を誘致すると発言して皆を唖然とさせた。
最後の埼玉県知事選は畑氏と自民党推薦候補の争ひになつた。私は自民党候補に投票した。もし一番初めの社共統一候補なら畑氏に投票するが、この当時の畑氏は単にリベラルだから駄目である。左か右かで判断するのは古い。それは昭和四十五年ころまでの話だ。今は社会を築くか破壊するかで判断すべきだ。破壊の本家が丸山真男、朝日新聞などリベラルであり、その行き着く先は新自由主義である。
宇都宮氏が国政に出馬し、年越し派遣村に見られたように諸悪の根源は派遣、非正規雇用だからこれらを禁止する法律を作りますといふなら100%賛成である。

十二月五日(水)その二「輸出を増やす方法がある」
ビルトツテン氏が前に述べてゐたが、日本経済で貿易の占める割合は小さい。私も同じ意見である。輸出入に頼る経済は駄目で、昨日の柴山桂太氏の発言を聞くとますますその意を強くする。
しかし日本は昭和五十年あたりから国際黒字に慣れてしまつた。さういふ国内体制になつてしまつたから少しづつ黒字を減らし、いづれは国内で需給できるようにすべきだ。少しづつ黒字を減らす前段階として国内の製造業を復活させるために、円高を起こさずに輸出を増やす方法がある。それは所得収支の黒字分に高額の税金を掛けることである。それができないのはニセ経営者団体連合会とニセ労組連合が反対するからだ。

財務省発表の国際収支状況を見ると、経常収支と資本収支に分けられる。経常収支は更に、貿易収支、サービス収支、所得収支に細分される。このうちサービス収支は赤字である。その原因は貿易黒字に対するアメリカの圧力を何とか少なくしようとして、海外旅行などカネを無駄にする政策を続けたからだ。サービス収支の赤字は日本のアメリカ猿真似を加速させ、ここ30年くらいの国内混乱の原因ともなつた。
今問題にするのは所得収支である。貿易黒字は平成20年以降激減してゐるが、所得収支は昭和62年以降増大を続けた。プラザ合意による海外移転の始まりである。平成21年は減少するが、これは19年、20年が異常に高かつたと見るべきだ。或いは経済学者は他の原因を調査すべきだ。

外貨が不足するときは輸出を促進すべきだ。外貨が余るときは抑制のため輸出税を儲けるべきだつた。しないでブラツクホールみたいに世界のカネを吸い続けるから円高とバブルとその後の失はれた20年を招いた。今すべきは所得収支への課税である。これで輸出を回復しつつ円高を防ぐことができる。長期には国際収支に頼らない経済を目指すべきだ。それが地球温暖化を防ぐ道でもある。戦争を防ぐ道でもある。

十二月六日(木)「財務省解体」
消費税増税騒ぎでは、財務省の官僚があちこちのマスコミ、言論人を訪問して増税の説明をしたことが明らかになつてゐる。官僚は政治家が決めたことに従つて仕事をすべきだ。政治に口を出すことは越権行為だ。訪問した官僚は全員懲戒免職にすべきだ。
この際、財務省から国税庁を独立させ財務省は廃止しよう。第三勢力は選挙でかう主張し過半数を取り、消費税増税廃止法案を可決すべきだ。

十二月七日(金)「日本が不景気の理由」
日本が不景気の理由ははつきりしてゐる。既得権勢力が既得権にしがみつくからだ。その帳尻を合はせるために、派遣だ、有期だと叫び、つひに消費税増税まで行つてしまつた。消費税増税反対派の真の敵は既得権である。(完)


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