千三百七十五(兼、モリカケ疑獄百八十八) 1.高田馬場(ミャンマーヌードル)で夕食、2.タカ派親イスラエルのカナダ前首相の講演
己亥、西暦2019、ヒジュラ歴1440/41年、紀元2679年、仏歴2562/63年
十月十三日(日)
木曜の夜に、会社が終ってから間に合ふ講演会を聴きに行くことになった。或る神道系宗教団体の教祖が設立した国際支援団体が主催し、その神道系宗教団体の支部に入場券(8000円、6000円、5000円)が割り当てられた。しかし仕事の都合で行けないので、代はりに私が行くことになった。
国際支援団体は、理事にカンボジアの国王特別顧問と、カンボジア大学学長がゐるものの、名誉総裁などの名に西洋志向、移民国志向を感じる。当初の方針を軌道修正したのか、最初からさうなのかは不明だ。顧問に小沢一郎さん、海江田万里さん、亀井静香さんがゐてこれらは最初からと考へると、軌道修正の可能性が高い。
活動内容も、最初はカンボジア、ラオスなどへの経済支援だったものが、世界スポーツ、今回のフォーラムなど西洋志向になった。
しかも今回の基調講演者はカナダのタカ派の前首相で親イスラエル。おそらく(1)地球温暖化を含む西洋指向、(2)伝統国と移民国、の二つで私と意見が異なるだらうと予想した。
とは云へ、それ以外では意見の相違はないだらう。私のやうにアジアの立場から発言する人は少ないし、宗教や共産主義や民族主義を含めて発言する人はさらに少ない。私の批評は貴重だと自負する。

十月十六日(水)
今回は会場が高田馬場だ。これも講演会に行く理由だ。今まで昼食を食べに高田馬場に行くことはあるが、夕食は初めてだ。
最初は、ミャンマー料理店でビールを飲み、料理を食べることを計画した。ミャンマーのビールが飲める店を探したところ、ミャンマービールは1997年に発売され歴史が浅いことが判った。ミャンマーは鎖国状態だったので、西洋の悪習が入らず、男でビールを飲む比率は30%、女性は数%ださうだ。
私はタイには何回も行ったが、ミャンマーはない。タイの感覚で考へてゐたが、なるほどクムダサヤドーが瞑想をする人は飲酒しないやう指導するのも判る。
ミャンマーの公序良俗が今後も続くことを願ひ、ミャンマービールは中止した。その代はりコンビニで180mlの日本酒紙パックを買ひ、講演会が終ったら会場の外ですぐ飲み、ミャンマー料理店を覗くうちにほろよい気分になったところでババミャンマーヌードルに行かう。さう計画を立てた。
講演会が終るのが夜9時半のため、翌日の仕事に影響しないやう早く切り上げることもできる。

十月十七日(木)
主催者が着物で現れた。これはいいことだ。15分ほど講演した。国際支援団体のビデオを15分、そのあと交通機関の遅れと云ふことで30分ほど待たされた。講演内容はまとめて次回で説明したい。講演が終了ののちは、すぐに会場を出た。
計画どほり日本酒紙パックを飲み、駅出入口向かひの路地のミャンマー料理店を見て回った。と云っても店内を覗いたのは「さくらミャンマー」だけで、ここは川崎市登戸の通り魔事件で犠牲になった外務省職員がよく行った店ださうだが、昼食時は閉店なのでちょっと覗いてみたかった。
私がよく行くノングインレイは外から中が見えて、手前の部屋は椅子を片付け、奥の部屋はまだお客さんがゐた。
このあとババミャンマーヌードルはすべて850円で、チキンチェーオーを食べた。具が多いから価格満足度は高い。予めインターネットで調べたのと同じ質問で、汁の有り無し、ホルモンの有り無し、細麺か平打ち麺かミックスと聞かれ、汁有り、ホルモン無し、ミックスと答へた。ミャンマー人留学生がよく食べに来ると書いてあったが、これもそのとほりで若い男女が食べてゐた。
実は、ババミャンマーヌードルで酒があるか調べたが無かったので、紙パックとなった。若い男女が店から出たあと、辛いのは苦手ではないか訊かれたので、中板橋のお寺でミャンマー料理をよく食べたので、大丈夫だと答へた。しかしここの店の酢漬け唐辛子は辛い。酢の部分しか採らないのに味が染み出てゐる。
中板橋はオバササヤドー、東松山にお寺ができた、茨城がニャーヌッタラサヤドー、池袋でニャーヌッタラサヤドーのミャンマー人向け指導会が月に一回ある、などを説明した。ババミャンマーヌードルは年中無休のため、お寺に行ったことは無いさうだ。
ババミャンマーヌードルはお薦めだ。ミャンマー人が食べに来るだけのことはある。日本人が行っても大満足するだらう。
夜の高田馬場に始めて行って驚いた。ガールズバーの看板を持った女の子が街頭にゐたりして、誘惑が多い。夜行くときは、ミャンマー料理店だけに行くと決意をしたほうがいい。

十月十八日(金)
講演は、交通機関の遅れで、まづ主催者が15分ほど話をした。私のメモ書きによると(以下同じ)
保守、民主について説明すると、30年戦争でドイツは大変なことになったが周辺国は繁栄してゐて、ガバナンスが大切->保守、しかし民衆の気持ちも大切->民主

交通機関の遅れで、時間繋ぎに話されたことだから即興と云ふことで理解はするのだが、日本では別の定義が必要だ。そもそも欧州は経営側対労働側だ。そして非欧米地域では、古来の伝統を守るのが保守、西洋特に自由経済を受け入れるのが自由とすべきで、これに労働側を加へた三極とするのが望ましい。
私とこの講演会の相違は、前述のやうに二つだけだ。だから批判する意図は全く無く、しかし講演内容を論評すると思想の教科書が出来上がる。
カナダ元首相スティーブン・ハーパーさんが登場し
1.技術、初期の段階は破壊、2.経済のグローバル、冷戦は西洋の民主主義が勝った、富が世界中に広まる。

後者について、富が世界中に広まったのではなく、環境破壊つまり現世代による子孫の世代及び野生生物への搾取が世界に広まっただけだ。
欧米での国内格差と分断->従来と違ふ政党。環境、反グローバル、newマルクス。左右->ポピュリスト/エリート。

環境、反グローバル、newマルクスが出て来たのはよいことだ。人類は長いこと近隣経済圏で生きてきた。化石燃料の使用を制限すれば、グローバルは徐々に低下する。newマルクスは、文化破壊と地球破壊が資本主義即ち単純唯物論であり、それに反対するものだと気付けば、無害化する。
左右->ポピュリストとエリート

左右のエリートが劣化堕落したため、ポピュリズムが出たとすべきだ。これはポピュリズムをいい意味で捉へた場合で、悪い意味で捉へれば、非欧米地域では西洋の真似をすることをポピュリズムとすべきだ。つまりいい意味と、非欧米地域での悪い意味では、対象がまったく異なる。
中国は成長で東欧みたいになると予想したが反対になった。欧米の民主主義が勝つと予想。専制は修正できない。しかし予想が正しいか判らない。

米ソ冷戦時代に、米側には台湾の蒋介石親子や韓国の朴正煕みたいな独裁政権も混在した。否、今でも新聞記者を殺害したサウジアラビアみたいな独裁政権が混在する。西洋民主主義を正しいと決定してしまふと、非欧米では歴史の断絶を生じる。欧州では歴史の進化に対して、非欧州では歴史の断絶になってしまふ。
そもそも人類の歴史は民主主義だ。戦はほとんど兵力に比例するから多数決と同じだ。戦は少数側が勝つこともあるが、選挙も官邸機密費をマスコミや野党の一部に配るなどで、逆転することもある。
民主主義には例外があり、例外が増大したものが専制とすべきだ。日本の江戸時代を例にとると、家老による合議制や、宗教を含む文化による専制を制御する機構があった。
欧米が民主主義を口にするときは、西洋のやり方を非欧米に押し付ける口実と考へないと騙される。
G20でG7は終ると予想する人が多かったが、さうはならなかった。ハーパーがロシアをG7から追放した。G7に同じ価値観を持つオーストラリア、韓国を入れるべき。

伝統国が中心にならないと、地球は温暖化その他の環境破壊で滅びる。G7にアメリカ、カナダと二か国も入るのは多すぎる。カナダを追放してG6にすべきだ。
G7に入らないG20は、対抗してG13を開いてもよい。ハーパーさんの講演は、ここで終了した。

-----------------------ここから(兼、モリカケ疑獄百八十八)----------------------
十月二十日(日)
会場の入口には、小沢一郎さんが贈った花が飾られ、プログラムには安倍が挨拶を寄せた。講演に引き続きパネルディスカッションには、衆議院議員の城内さん(自民)、末松さん(立民)、参議院の松川さん(自民)が加はった。
城内:G20にはロシア、中国、トルコ、サウジアラビアが入るので、共通の価値観を持てない。自由主義、民主主義が必要。
自由主義と民主主義は0か1かではなく、アナログだ。完全な自由主義はあり得ないし、完全な規制主義もあり得ない。
サウジアラビアを除外することには賛成で、それは新聞記者を殺害する非道徳国だからだ。自由主義、民主主義のほかに、非道徳国かどうかも必要だ。
城内:ポピュリズムにも右・ナショナリズムと、エリートの市民無視に反発の二つがあり、分断すべき。
ナショナリズムには、他国排他自国自賛の悪いナショナリズムと、西洋猿真似による国民の混乱を見抜いて行ふものと二つある。次に、エリートの市民無視と一言で済ませるのではなく、エリートの市民無視の内容について、今回の講演会で三時間(うち一時間は交通機関の遅れ)発表してほしかった。日本ではその多くが西洋猿真似の批判になるはずだ。
末松:司会の言った小さな政府、大きな政府について、保守はエリート(大企業、官僚、アメリカ)に、サラリーマンは生きるのが得意ではない人もゐるので底上げ。交互がよい。
保守の語の言ひ換へについて議論の余地があるが、全面賛成だ。
末松:ハーパーさんが「1.技術」で中国が統制にも使ふと言ったが、アメリカも露骨ではないがやってゐる。どこで折り合ひを付けるか。
アメリカについて、イラクの大量破壊兵器を口実に戦争を始めたが、大量破壊兵器は発見されなかった。アメリカのすることが正しいと考へてはならず、末松さんに賛成。
松川:アメリカの強さはリーダーシップ。アメリカに付いて行かうよ、となる。
このときは何とも思はなかったが、このあと暫くしてから出た次の発言で、松川は馬鹿な女だと思った。
松川:核の不使用を云ふのは中国、ロシアのやうに弱い国。
核の不使用は、人類の使命だ。核を使用する者は悪魔だ。それなのにこの女は、弱い国が不使用を宣言と間抜けなことを云った。強い国は核を使ってよいのか。アメリカが不使用を云はなくてよいのか。
しかも中国とロシアを弱い国だと断定した。それなら日本はどうなのか。第三国が、日本は中国やロシアより弱い国だと言ったとしよう。これは事実だが、国内世論は第三国に対し、大変な騒ぎになるだらう。
ドラエモンに出てくるスネ夫は、ジャイアンに媚を売り、ジャイアンの威を借り威張り散らす。日本の国会議員が中国とロシアを弱い国と呼ぶのはこれと同じだ。
物には言ひ方がある。軍事技術的にアメリカより遅れてゐる中国とロシアと云へば、反感はない。この女はこれ以外でも「インクルーシブグロース」を何回か言って、司会がたまりかねて意味を問うた。この女は意味を云へなかったが、暫くして「包括的成長」と直訳だけを言った。暫くして、誰も取りこぼさないと言ったが、言葉だけに留まった。
中国は長期計画を立てるから、短期で政権が交代するより有利ではと云ふ司会の質問に
ハーパー:長期は理論だが、実際はさうならない。最初はうまく行くが、実験が必要。
これはハーパーさんに100%賛成。ところで、西洋人の産業革命以降は、地球温暖化で失敗が明らかになった。修正が必要だ。
今回のディスカッションに急遽参加することになった明治大学教授伊藤剛さんを、司会は地政学と地経学と紹介した。
伊藤:パイを大きくか、分配かは、両方必要。今は経済が需給で均衡するのは2割か3割。
ハーパー:リーダーがすべきはパイを大きくすることで、しないと難しくなる。
地球温暖化でパイを大きくしてはいけない。パイを縮小しながら分配を考へるべきだ。だいたいパイを大きくしたときに分配も考へるべきだが、普通は考へない。それならパイの拡大が停滞したときに分配を考へるかと云へば、これも既得権に妨害される。その典型が日本だ。欧州は経営側対労働側だから、うまく行く。アメリカは移民国で人口増大中、つまり国土が広く癌細胞の国だから参考にならない。
私は地経学ではなく、地文学が必要だと考へる。地理が近い国は、長い交流の結果、文化も近い。日本と韓国、中国は共通点が多く、中国とインドは共通点がある。インドとパキスタンは共通点だらけで、パキスタンと西アジアは共通点が多い。このやうに考へると、日本とイギリスは二番目に遠いし、日本とアメリカは一番遠い。
幕末から明治、大正、昭和、そして現在に至るまでの混乱は、日本にとり一番、二番、三番(ドイツ、フランス)に遠い国の真似をしたためだった。そしてこれからが重要だが、今でも日本は混乱してゐる。私がアジア重視、日本の伝統文化を云ふのも、それ以外に解決策が無いとみたからだ。
城内:水俣病(など環境破壊が発生した)。デフレのときは弱者に配分。自民党内少数派のために、立民党も(がんばってほしい)
ここで末松さんと握手。これはよいことだ、野党は自民党内多数派と握手してはいけない。と同時に思ったことは、城内さんの意見は正しい。それが少数派に留まるのは、細田派が悪い。二階と麻生も悪い。つまり安倍が悪い。
末松:フランスの外交官が云ふには、フランスは生き馬の目を抜く外交で国民に受けるが、日本では理解されないのでは。
これは戦後の七十年で形成された国民性だ。その前はフランスと同じだった。
城内:勝ち組と負け組が固定するのではなく、G1とG2が交代するやうな。既得権ではない(社会を)
多くの国民は、負け組では困るが、勝ち組になりたい訳ではないと思ふ。しかしこれはその場の雰囲気による。勝ち組になれる機会があれば、頑張るだらう。だから城内さんの意見と最初は異なると思ったが、城内さんは正しい。
ハーパー:日本は規律、勤勉。遅れても待ってくれた。カナダでは考へられない。
これは戦後に作られたものではなく、もともとの国民性だとそのときは思った。しかし参加者のほとんどが神道系宗教団体の会員だったことが理由かもしれない。本当はこの団体の方向性に、XX会公明党と似たところと正反対のところがあり、その対比をすれば面白いが、私とこの講演会の相違は(1)地球温暖化を含む西洋指向、(2)伝統国と移民国、の二つに留まることで、終了としたい。(終)

(モリカケ疑獄百八十七の六)次、(モリカケ疑獄百八十八の二)
-----------------------ここまで(兼、モリカケ疑獄百八十八)----------------------

固定思想(二百二十五)へ 固定思想(二百二十七)へ

(歴史の流れの復活を、その三百五十九)へ 次、(歴史の流れの復活を、その三百六十一)へ

メニューへ戻る 前へ 次へ