六百八十五、公開調査「左翼は絶滅したか」(その二、全労連中央メーデーに参加)

平成二十七乙未
五月二日(土) 十年ぶりの参加
四月二十九日にニセ労組シロアリ連合の川崎メーデーを見に行き、予想どほりの劣悪さだつた。だから今回約十年ぶりで全労連中央メーデーに参加し、新鮮な気分になつた。東京地評も全国一般も国民春闘もあり、総評時代のメーデーを引き継ぐのは全労連だと強く印象に残つた。
デモ行進はメーデーの付属物ではなく、デモ行進が主でメーデー式典が従。これがあるべき姿である。さういふ印象も持つた。式典は十一時から十二時二十分までで、その前に十時から文化行事がある。まづ沖縄の歌でこれはよかつた。その次の合唱、これはあまり共感を持たなかつた。とはいへ歌にはなぜ歌詞があるのかを改めて感じた。農業の労働歌、お祝ひの歌、お祭りの歌、それぞれ生活する上で必要な歌である。翻つて現在は地球破壊と引き換へで数世代だけの繁栄でしかない。そして精神が堕落し意味不明の音楽になつた。英語の歌詞も同じである。意味は判つてもどこに美しさがあるかは判らない。或いはほとんどの人は英語の歌詞は訳さない。
合唱に共感を持たなかつたのは、英語の歌詞が一曲あつたからだけではない。歌詞に偽善リベラルの傾向を持つものが何曲かあつた。

五月二日(土)その二 式典は短いほうがよい
メーデーでいつも思ふのだが、参加者で雑談する人が実に多い。それを防ぐため式典は短いほうがよい。議長団あいさつと主催者あいさつはそれぞれは2分でよい。各地の労働組合で勝利した実例、登壇者を皆で激励するような内容、それと政党と団体の決意表明。それだけでよい。メーデーはデモが中心で、式典は付属である。デモは新宿コースが3.2Km、明治公園コースが2.9Km、恵比寿コースが2.5Km。三コース取れるのはみごとだが公務員と土建がほとんどといふ重大な弱点がある。
新宿コースの出発点で、うたごえ喫茶ともしびがステージを設けて「世界をつなげ花の輪に」「晴れた五月」を歌つてゐた。ともしびのビラにはこの二曲のほか「しあわせのうた」「沖縄を返せ」「インターナショナル」「翼をください」「たんぽぽ」「あの青い空のように」が載つてゐる。最後の三曲は労働歌ではなく一般の歌である。

五月二日(土)その三 会場内外で配布されたビラとティッシュ
配布されたビラとティッシュを紹介しよう。まづは「安倍『農政改革』に反対し、食料・農業・地域を守る大運動」連絡会議のビラである。事務局は全農協労連である。
私は、すべての国はシンガポールのような人為的な都市国家を除き、国内に農業と工業と商業があり国民はどの職業も選択できるようにし、しかもどの分野に進んでも不利にならないようにすべきだと常に考えてゐる。しかも農業は奈良時代以前から続く伝統産業であり守らなくてはいけない。一方で今の農業はさうなつてゐない。農協組織の旧態依然な組織について今回の改革に期待する声も大きい。農業を国内の主要産業に戻すための提案を重ねることが重要で既得権維持になつてはいけない。

次に東京の保健・衛生・医療の充実を求める連絡会のティッシュである。この連絡会は東京地評と同じビルにある。東京地評は十二年前に旧東京地評と東京労連が合併してできたからかつての総評時代のものとは大きく性格が異なるが、そのこと自体は問題にしない。総評の末期はひどかつたから共産党系と合併して逆によくなつたかも知れないし悪くなつたかも知れない。その辺の事情は分からない。
ティッシュには都立病院は東京都直営でとある。ティッシュを二つ(たまたま会場を歩いたら再度もらつてしまつた。返すのは失礼だからそのままにした)もらったから是非応援したいが、単に反対だけだと都民の支持は得にくい。都直営と民営化を比較した場合に、前者は後者に比べてこれだけ税金が余分に投入されるが都民の受ける医療器械などの利益はそれ以上になると示すことが必要である。

出版労連・平和憲法委員会事務局憲法変えたらどうなるの!?は賛成できない。本来このビラに書かれた集団的自衛権反対は日本のアメリカ属領化をより進めるものだから、ビラに賛成のはずだ。ところがこのビラは集団的自衛権行使容認の閣議決定で(中略)「判断」するのはときの政府です。などどうも書くことが本質とかけ離れてゐる。それより裏面の「平和といのちと人権を!5.3憲法集会」はいつたい何だ。呼びかけ人に上野千鶴子大江健三郎樋口陽一山口二郎(五十音順)とこれまで批判した人たちが並ぶ。これらの人たちの本質は西洋の真似が進歩派だと思ひこみ、やつてゐることは社会の破壊である。

全日本金属情報機器労働組合(JMIU)5・28総行動日本IBM社前行動に終結をは同感である。裏面には全労連、東京地評による二十八日の総行動の時刻が書いてある。朝八時四十分全後に五つのコースに分かれそれぞれ八つの会社前で抗議行動を繰り返し十八時に終了。日本IBMと日本航空は全コース共通で合計29社に及ぶ。是非労働者の団結で勝利してほしい。

日本中国友好協会の一日本兵が撮った日中戦争といふビラは写真展の案内である。来週の金曜から日曜までなので私も観に行きたいものである。侵略戦争を扱ふ場合に西洋列強の帝国主義や、蒋介石とイギリスの関係など日中関係の将来に有意義なのかそれとも単に日本悪玉論で日中関係に有害なのかも観たい。日本の拝米リベラルマスコミのようにアジアを重視するふりをして拝米に持つて行くといふ悪質なことはないと確信する。

しんぶん赤旗の日曜版を頂いた。しかし読んでみてこれだと左翼崩れである。日曜版は一般向けとはいへこの左翼崩れの編集方針が共産党不人気の理由である。かつての資本主義を終焉させ社会主義の世の中を作らうといふ元気さが必要である。(完)


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