六百八十七、政治運動のふりをした社会破壊運動(日本西洋化運動)に保守派はきちんと反論せよ

平成二十七乙未
四月五日(日) 渋谷区同性婚証明条例
私が労働組合の役員だつたときに、性同一性障害の人が相談に来て、本人へは親身に相談に乗り、会社と団体交渉を行なつた。私は相手が誰であらうと差別することはしない。これは仏教の影響である。だからと云つて人間には皆仏性があるなどと思ひ上がつたことを云つてはいけない。生きとし生けるものすべてを大切にしようといふ鎌倉時代まではよく行なはれた放生会と同じ精神である。
しかし先日渋谷区が同性婚証明条例を成立させたことには疑問を持つ。まづ条例そのものより背後で騒ぐ人たちが問題である。背後で騒ぐのは人ばかりではない。社会を破壊することに熱中する新聞や政治団体まである。保守派はここできちんと反論をしないといけない。

四月六日(月) 左翼崩れ、右翼崩れ
米ソ冷戦が終結すると、左翼崩れ、右翼崩れといふ奇妙な連中が現れた。左翼崩れとはアメリカの民主主義をありがたがり、日本は遅れてゐるとして社会を破壊する連中である。右翼崩れとは反共の立場を冷戦終結後も変更できないため従米に陥つた連中である。
今回は左翼崩れの連中が社会を破壊する目的で騒ぎ立てた。右翼崩れはアメリカでも同性婚を認める州もあるのだからと反対しない。そんな構図である。なほ小林よしのり氏が呼ぶサヨク、ウヨクと私が呼ぶ左翼崩れ、右翼崩れは同一である。

四月七日(火) 区役所は責任を持つのか
同性婚に証明書を出す。家主や雇用主や融資先は区役所が証明したのだからと夫婦と同じように扱ふ。そしてトラブルになつたとしよう。そのとき区役所は責任を持つのか。さうなつたとき区民は税金から払はれることを拒否し、区長と賛成した議員に損害賠償を求めるべきだ。

四月八日(水) 会社や非営利法人と区役所
今回は会社や非営利法人が証明書を出せば済む話だ。その証明書を信じるか、会社や非営利法人を信じるかは区民、区内所在企業の自己責任である。ところが「区役所のすることだから皆の者、従へー」と江戸時代の悪代官ばりに権力を振り回した。それが今回の騒動である。
かつて村長、町長、市長といへばそれなりに良識と公共心があつた。議員にもそれなりに良識と公共心があつた。ところがだんだん悪くなつた。社会のことよりマスコミに踊らされることを喜ぶようになつた。

四月十日(金) 唯物論とは文化破壊のことだ
それにしても不思議なのは、背後で騒ぐ人たちには同性婚者への友好心がまつたく感じられない。友好心には普通の人たちがほとんどの社会でどう共生するかといふ展望も含まれる。ところが騒ぐ人たちにあるのは同性婚を口実に社会を破壊しようといふ企みだけである。
マルクスの時代には社会規範が崩壊した。労働者の生活は悲惨で唯物論全盛期だつた。だからその対策として生産力に基づく新しい社会規範を新しい唯物論で造らうとした。実際には物質がすべての根源といふことは判つても世の中は確率で動くから唯物社会にはならない。ところが前半の部分を無視して唯物論だけを振りまくから世の中を破壊する。

日本の歴史を振り返ると世の中が悪くなるのは唯物論化した時代であり、それは西洋から文化が流入したときである。織田信長は武田信玄や上杉謙信など少し前の武将と異なり唯物論である。その理由は西洋好きだつたからである。織田信長が合戦の前に神社に参拝しただとか自分を神社に祭つたといふのは唯物論ではないことにはならない。風邪をひいたから風邪薬を飲む或いは自分で風邪薬を発明するといふのと変らない。
江戸時代の末期にも西洋文明が流入し唯物論化した。神道を仏教から分離したことは唯物論ではないことにならない。文化を意図して破壊することが唯物論である。その結果、先の戦争といふ大惨事を招いた。
昭和の末期、平成の初め辺りからアメリカ猿真似といふ唯物論者が現れた。ベトナム戦争の終結とソ連崩壊で行き場を失つた自称進歩人がなだれ込んだ。そして社会を破壊しようとしてきた。アジアにおいて社会破壊とは西洋猿真似の同義語である(完)


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