二百七十二、小宮山洋子批判(その二、現代版「貧乏人は麦を食へ」)

平成二十四年
五月十六日(水)「小宮山洋子の偽善」
厚生労働省は、労働局の職員に全国2万1千社を訪問させ、女性の幹部登用や採用拡大を要請するらしい。如何にも野田前原派らしい偽善である。
まづ女性の雇用はパート派遣有期雇用などの非正規雇用が多い。各人の都合でパートなどを選択したとしても、賃金格差は許されない。これは男女を問はず言へることだ。
この前の派遣法改正と有期雇用規制案はいつたい何だ。あれでは賃金格差と身分格差を認めることになる。国会の与野党逆転で改正ができないといふなら、それは消費税増税を掲げた菅直人の責任だ。菅のやり方を引き継いだ野田の責任だ。与野党が逆転していようと厚労省のできることは幾らでもある。労働局の職員が2万1千社を訪問する時間があつたら労働基準法違反や偽装請負の立ち入り調査などすべきだ。

五月十八日(金)「小宮山洋子は女性の敵だ」
今年のメーデーでは、デモ行進は女性ユニオンが隣だつた。かつて総評全国一般東京地本三多摩地域支部に女性陣がたくさん加入した。新年会に皆が和服で出席し華やかだつた。彼女たちが後に女性ユニオンを結成した。
先月の有期雇用反対集会には民主党の工藤仁美議員が出席し発言をされた。工藤議員は札幌選出なので全国のマスコミにはほとんど取り上げられないが、パートの改善などを地道に活動してゐる。
かういふ女性陣には私も心から応援したいと思ふ。それに対して小宮山洋子は女性の幹部登用や雇用のため労働局職員に2万1千社を訪問させるといふ。その前に小宮山はパートや非正規や失業者を何とかすべきではないのか。更に家計を何とかやり繰りする主婦の苦労を無にする消費税に反対すべきだ。消費税に反対しない小宮山は女性の敵である。

五月二十一日(月)「小宮山洋子は中小企業労働者の敵だ」
中小企業では労働基準法違反がまかり通つてゐる。しかし労働基準監督署はほとんど役立たない。私が30年前に勤めた中小企業は従業員が20名くらいだつたが、埼玉県で一番成長率が高いと言はれた。だからその15年後は従業員150名になつた。社長は地元の地主で、自民党推薦の浦和市長候補の声まであつた。
あまりの長時間労働と退職者の多さに、労働基準法違反(就業規則を作らない、有給休暇がない、勤務時間外に清掃や会議を強制する)を浦和労働基準監督署に連絡したが「立ち入り検査をするかどうかは我々の会議があつてそこで決めます」と不誠実な対応だつた。この会社は作業環境測定機関として埼玉労働局長に登録してある。普通の会社以上に遵法して当然なのに監督署は違法行為を黙認した。ちなみに私は作業環境測定士なので労働安全衛生行政の内情をある程度知つてゐた。私の父も生前は社会保険労務士だし実際に企業の労務担当事務員だつたので監督署の内情に詳しかつた。その父が、監督署は忙しいので中小企業は労災以外は法律に違反しても無視するし、労働者が申し立ててもかういふ手紙が監督署に来たと事業主に見せるくらいだと言つてゐた。
そんなに忙しい労働局の職員を小宮山洋子は女性の幹部登用や採用拡大を要請するため2万1千社を訪問させるといふ。あきれた女である。

五月二十四日(木)「小宮山洋子は自由経済の敵だ」
自由経済にあつては、社長の友人や親戚が入つてきて役に立たないのに取締役になり会社の人間関係をめちやくちやにしただとか、取引先から押し付けられた人間が執行役員だとか、本人は頑張つてゐるのに会社の業績が悪くリストラや倒産に会つただとかが多い。個人商店の場合は更にひどく、経営者が頑張つて先週まで業績がよかつた。それでも近くに量販店が出来て廃業することが多い。
これが自由経済である。このように云ふと当ホームページは社会主義を主張するではないかと云はれさうだが、大企業は既に株が分散し社会主義化されてゐる。中小や個人商店が雇用するときは労組の労働者供給に限定させることと失業者を全員公務員とすることで、自由経済を保ちながらを労働紛争や失業や非正規雇用を根絶することができる。つまり当ホームページは自由経済肯定である。

現在は不公正だらけである。これは自由経済のよい点であり悪い点でもある。悪い点をすべて解消すれば女性問題も解決する。それなのに女性の幹部登用や採用拡大だけを要請するところに、小宮山の無能ぶりが現れてゐる。小宮山は自由経済の敵である。

五月二十六日(土)「小宮山洋子は商工会議所の敵だ」
中小企業はぎりぎりの経営のところが多いから、女性の幹部登用や採用拡大といつても無理である。つまり中小と大企業の格差が拡大する。大企業がこれらを行ふと、例へ余裕があつたとしても前年比経常利益何%といふ数字に捉へられて結局は下請けや派遣、有期雇用へのしわ寄せで数字を合はせる。つまり日本の経済を支へる中小企業の経営を圧迫する。小宮山洋子は商工会議所の敵である。

五月二十八日(月)「小宮山洋子は国税庁の敵だ」
厚生労働省の職員が全国2万1千社を訪問したところで、企業がそれに従ふことはほとんどない。つまり税金の無駄遣ひになる。小宮山洋子は国税庁の敵である。

六月二日(土)「詐欺山とゴミ山」
先月の十九日に野田といふ民主主義の寄生虫が現れた理由にも書いたが、野田の悪いところは庶民を無視し中の上または上の下に焦点を絞ることだ。そしてその野田とそつくりなのが小宮山である。
パートや非正規雇用で最低賃金付近の女性が多いのに、消費税増税を推進する、派遣法は骨抜きにする、有期雇用規制はやらない。それでゐて女性の幹部登用を推進するため労働局職員に2万1千社を訪問させるといふ。フランス革命のときに、主婦たちがパンをよこせとベルサイユ宮殿に行進したときに、マリーアントワネツトが「パンがなければケーキを食べればいい」と発言したのと同じである。感覚が狂つてゐる。
同じく先月の二十一日に野田の手下どもは民主主義破壊者だにも書いたが、野田の詐欺山の悪政に順位を付ければ、一番目が消費税、二番目が小宮山洋子任命責任である。小宮山は厚労相失格である。この前の労働者派遣法の改正は極めて不十分だつた。これから始まる有期雇用規制法案は現状より悪化する内容を含む。それだけでも失格なのに、今度は労働局職員に女性の幹部登用や採用拡大を要請するため2万1千社を訪問させるといふ。職員数は限られてゐるから中小企業の違法が見逃される。昔は「貧乏人は麦を食へ」だつたが、これでは「中小労働者は違法を我慢しろ」である。
自民党は、2閣僚罷免より小宮山洋子罷免を要求したほうがよい。国民の支持が集まる。(完)


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小宮山洋子批判、その一(「左翼崩れが偽善に陥る理由を探る」の後半)
小宮山洋子批判、その三
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