二百七十一、日中戦争といふ単語に現れる猿真似矮小ニセ学者

平成二十四年
五月十二日(土)「日中戦争は存在しない」
平成に入つた頃だらうか。日中戦争といふ珍妙な用語が出現し、今では新聞や教科書でも用いられるようになつた。この単語を用いることで日中の平和や交流が深まるなら大歓迎である。しかし日中関係は田中角栄首相が訪中した時代と比べて大きく悪化した。吾々はまづ米国が日本の歴史学者を誘導したのではないかと疑はなくてはいけない。
先の戦争の一番の特徴は人類史上初の原爆使用である。日中戦争といふ奇妙な用語を押し付けるのなら、良識ある国民は先の戦争を「アメリカによる人類史上唯一の原爆使用戦争」と命名すべきだ。

五月十三日(日)「日本の軍国主義の出現時期」
日本が軍国主義の歩みを始めたのは日露戦争から第一次世界大戦後までと考へられる。更には江戸時代末期に西洋の思想が急激に流入し征韓論や国学の出現を以て軍国主義の萌芽と捉へることもできる。だから日華事変が軍国主義とは無関係の突発事変だつたいふ主張は正しくない。また派兵規模の大きさを考へれば戦争そのものである。しかし歴史を一部の西洋猿真似歴史学者が改変することは許されない。
まづ日華と日中を区別すべきだ。日華は日本と蒋介石政府、日中は日本と共産党政府である。あの事変は日本と蒋介石軍が戦つたものであり日華戦争ならまだ判る。共産党も国共合作の後は日本と戦つたが主な戦闘対象は蒋介石軍である。だから戦後の共産党政府が建国された後も、日本では日華事変といふ言ひ方が定着した。

五月十四日(月)「軍閥」
張学良が蒋介石に合流するまでは、中国は軍閥による内戦の連続だつた。だから日本が出兵に罪悪感を持たなかつたのは理解すべきだ。平和な中国に出兵するのは大罪だが、内乱の続く地域に出兵するのは丁度現代の英米軍がアフガニスタンに出兵するような感覚だつたのだらう。
しかし蒋介石が中国を統一する勢ひになつたとき日本はそのことに気がつかなくてはいけなかつた。また米英が蒋介石を支援したことが、事変を一変させた。米英は自分たちは植民地を確保するが他国が植民地や経済圏を確保することは妨害する。その事実を認識しないと野田のように「ネバー、ネバー、ネバー、ネバー、ギブアツプ」とチヤーチルの言葉を引用して喜ぶ馬鹿者が出現する。

五月十五日(火)「代理戦争」
インドシナ戦争は米ソ中の代理戦争だつたが、日華事変が中国経済圏を巡る日米英の代理戦争に進んだことを日本は未だに認識できてゐない。地域紛争のつもりでゐたのが戦前の軍部だし、西洋列強は正しく日本が悪いとするのが戦後の拝米猿真似矮小ニセ学者どもである。

五月十六日(水)「昭和四〇年代と平成二〇年代の違ひ」
日中国交回復の三年前に、自民党田中派の木村武雄代議士が訪中し周恩来首相と会談したときに周総理は開口一番『今、日本の東亜連盟の同志はどうしていますか』と聞いた。当時の人たちは阿片戦争など列強のしたことと中国の内乱と国民党の内紛など判つてゐた。だからと言つて日本の行為は正当化できないしさうなつた理由は次に考察するとして、今では当時と感覚がまつたく異なつてしまつた。
欧米は正しく日本は悪く、日本の昔の物は悪く新しいものは良いとする醜悪な西洋帝国主義正当化思想である。

五月二十日(日)「日華事変の原因」
日本は目的と目先の利益の区別ができない。だから中国を占領する計画はないし占領する能力もないのに事変を拡大させた。人間は欲が深いから目先の利益に囚はれると大変なことになる。占領する計画はないが戦闘が始まると占領した地域を既得権化する。目先の欲の深さは戦後の貿易黒字にも現れることになる。
貿易黒字は日本が計画したものではない。ところが貿易黒字を解消せずますます輸出に頼り、つひにはアメリカの工作で国内の政策はめちやくちやになつた。ところが更にグローバルを叫ぶ。社会が崩壊寸前だといふのに消費税を上げて法人税を下げようとする。

五月二十四日(木)「矮小猿真似ニセ学者」
西洋猿真似矮小ニセ学者が出現したのは、フルブライト奨学金などで洗脳した結果と言へる。今では学界の上層部は猿真似組だから留学したかどうかは関係なくとにかく猿真似組にならないと教授にはなれないのだらう。だから歴史学者どもが日中戦争と言ひ出したのは、一つにはアメリカの政策である。
二番目は単に英文の直訳である。本能寺の変、鳥羽伏見の戦ひ、西南の役、日清戦争、日華事変といふ表現で判るように、戦にもいろいろな言ひ方があり微妙に違なる。それは西洋語も同じだ。ところが西洋語の微妙さは訳すと消へるし、日本語の微妙さも訳すと消へる。さういふことさへ判らずにWarを単純に戦争と訳した。猿真似矮小ニセ学者は鈍感である。
三番目に英語は学習時間に比例する。矮小者にとつてこれほど有り難いものはない。民間では実力が判つてしまふ。しかし外国の論文を引用することで誤魔化せる。(完)


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