二百六十二、小沢氏無罪判決、今こそ野田を追放しよう

平成二十四年
四月二十七日(金)「無罪判決」
小沢氏に無罪判決が出た。振り返るとマスコミの小沢たたきは異常だつた。既得権や安保条約既得権者による妨害である。そして鳩山政権は倒れた。跡を継いだはずの菅が裏切つた。野田がまた菅と同じことをしてゐる。今こそ野田を民主党と政界から追放すべきだ。

四月二十八日(土)「大手偏向マスコミ」
大手偏向マスコミの策動は判決日の前日に始まった。電車の車内吊り広告に小沢批判記事の週刊誌が大きく載つた。翌日の判決が無罪だと予想してのことである。だから裁判とは無関係な中傷記事だつた。
判決が出るや新聞の偏向記事ラツシユが始まつた。「国会喚問を」「限りなく黒に近い」「説明が果たされていない」などなど、よく書き並べたものである。全国版に書くとまづいと思つたのか地方版に密かに入れた例もある。以下は中日新聞静岡版のWeb記事である。
小沢元代表 無罪判決 県民「政治不信拭えぬ」
残る道義的責任
 政治資金規正法違反で強制起訴された民主党の小沢一郎元代表に無罪判決が言い渡された二十六日、静岡の県民からは「無罪でも道義的責任がある」「政治不信は拭えない」と厳しい声が上がった。
 浜松市西区の主婦Y(原文は本名)さん(60)は「無罪になるんじゃないかとは思っていたが、がっかり。政治の世界は難しくて私たちの生活とはかけ離れている」と話した。その上で「道義的責任はあるので政治家として責任を取ってほしい」とけじめを求めた。

この後、更に4人が登場し口をそろへて小沢批判を繰り返す。一般の人は取材を受けたら小沢擁護は言ひにくい。さういふ雰囲気を各新聞社が作つてしまつたからだ。そもそもこのような記事は全国版に書くべきだ。静岡版に載せる必要はない。更にその後、各政党の談話が続く。

県内各党「国会で説明を」
 小沢一郎元代表の無罪判決を受け、県内の各党関係者からは、政治的責任を問い、国会での説明を求める声が相次いだ。
 二〇一〇年夏の参院選で、当時の小沢幹事長の候補者擁立方針に反発した民主党県連。幹事長の林芳久仁県議は「予想した結果。小沢氏は国民の理解がより増すよう、謙虚な気持ちで行動し、挙党一致にまい進してほしい」と注文した。

林氏は「政治的責任を問い、国会での説明を求める声」は言つていない。林氏も「県内の各党関係者」だからこの見出しは間違つてゐる。しかも「当時の小沢幹事長の候補者擁立方針に反発した民主党県連」と書くことで如何にも反小沢であるかのように装ふ。ずいぶん幼稚な偏向である。地方版なら目立たないし将来、縮小版で残ることもないと安直に考へたのであろう。

四月二十九日(日)「元財務官僚藤井」
民主党最高顧問の藤井が、消費税の増税について野田に「うそをつくな、ぶれるな」と助言してゐることを明らかにした。藤井は大蔵省(現、財務省)の出身である。そもそも予算配分を官僚がやること自体がおかしい。財務省は廃止すべきだ。時事通信によると
中曽根康弘元首相が「いわゆる大型間接税というようなものはやりません」と国会で答弁した後に「売上税」法案を提出した経緯に触れ、「先輩に言いづらいが、ごまかした」と批判。

野田は選挙公約にない消費税増税をごり押ししてゐる。しかも天下り官僚の廃止で消費税5%を作るとも言つた。既にうそをついてゐる。
次に「ぶれるな」といふが、国会の審議で撤回したり修正するのは当然である。ぶれるなとは、民主主義を破壊しろ、ごり押しをしろといふことだ。次に
小沢一郎元代表に関しては、旧自由党の党首時代に「消費税(増税)は社会保障のため絶対必要だ」と述べ、完全目的税化と引き上げの前提として国会議員定数削減を進めるよう指示していたとし、消費増税に反対していることを皮肉った。

この件は昨日も書いたが、中曽根康弘のプラザ合意から小渕恵三の急死までが、日本の完全アメリカ化の時代であつた。だからこの時代に消費税増税を主張することは一理ある。しかし時代は既に変はつた。日本のアメリカ化を試みたが駄目なことが判つたからだ。その後の歴代内閣は日本の独自性を求めてゐる。このようなときには欧米猿真似の消費税増税は不適切である。

四月三十日(月)「世論調査は世論操作だから、国民はだまされてはいけない」
世論調査は悪質な世論操作である。大手マスコミは官僚、安保条約利権などとともに既得権の代表である。国民はだまされてはいけない。日本人の特性として多数意見には従ひやすい。だから世論調査の影響は外国より大きい。マスコミを専門とする大学の学科(例、東京大学教授林香里氏)の無策が原因である。
今回、共同通信から提供された世論調査を掲載した新聞は多い。一斉に内閣支持26%に下落、77%「小沢氏説明を」などの見出しを付けた。もし別の聞き方をすれば77%「検察庁説明を」になつたにも係わらず。或いは「言ふだけ番長」と書かれたことに腹を立て記者会見の会場を移動させて産経新聞を入室拒否した前原氏について「言論妨害だと思ひますか」と質問すれば77%が「はい」と答へるに違ひない。
産経新聞とフジニュースネットワークの合同世論調査では、内閣支持率は10・5ポイント減の22・0%だつた。支持率が一気に2/3に減つた。その次に小沢氏の党員資格停止解除については57・6%が「すべきではない」と答へた。産経も悪質な世論操作である。
一般の国民は検察庁の調書や小沢氏の反論や裁判所の判決を読んではゐない。私だつて読んでゐない。私は小沢氏と偶然に関係が深い。私の所属する労組の裁判の弁護士は「小沢一郎議員を支援する会」の会長であり、四年前に十勝川温泉で行われた中小労組の大会には小沢氏の秘書だつた石川知裕衆院議員が挨拶に来られた(他に社民党の福島党首、民主党の工藤議員)。或いは私の妻は本籍が岩手県で義父は岩手県出身である。これだけ小沢氏とは接点があるがそれでも読んではゐない。一般の国民だつたらなおのこと読んではゐないはずだ。それなのになぜ77%が「小沢氏説明を」となるのか。マスコミの再三の偏向報道で洗脳されたためである。

五月一日(火)「日刊ゲンダイの記事」
日刊ゲンダイの記事がゲンダイネットで紹介された。
国民をナメた野田訪米談話 オバマへの参勤交代で政権維持
だが帰国したら恐らく総理の椅子は火の車、自衛隊員の息子の処世術はとにかく姑息で小ズルイ


このような大見出しと小見出しの後に数行の説明があり、その次に
5月1日の会談後の共同声明でも「日米は、あらゆる能力を駆使し、……役割と責任を果たすことを誓う」と、日米同盟の深化を強調した。文言は事前に外務省が米事務方と詰めたもの。「日米関係の将来ビジョンを強化する」とは聞こえがいいが、真に意味するところは「今まで以上に日本の属国化を進める」なのである。
元外交官の天木直人氏がこう言う。 「今回の訪米は最初からシナリオができている。国民の関心が薄い連休のドサクサに紛れて訪米したのは、米国に促されるままに、共同声明に出ていないことも決めてくるつもりだから。(以下略)」
もしかしたら、「TPP参加は間違いありません」「消費増税は命がけで実現します」という約束もしたのじゃないか。周辺は「今回の訪米で政権交代前の日米関係まで戻すことができそう」とニンマリしているらしい。


野田といふのは本当に狂つた男である。消費税しか頭にない。

五月六日(日)「ドイツZDFの報道」
ドイツの公共テレビ局ZDFが福島原発の特集を放送した。日本政府、東電、大学の学者で作る「原子力村」の癒着ぶりがよく判る。アメリカのGE社のエンジニアが福島第一原発の点検の主任として来日し、大きな亀裂と乾燥機が逆に設置されていることを発見したが報告書はもみ消され、ウソの報告書にサインさせられた。仕事を失ふことを恐れ10年間沈黙を続けた後に、それを日本政府に伝へた。しかし政府は何もしなかつた。20人の内部告発者がゐたが経済産業相は内容を確かめずに名前を東電に伝へた。ここから先が重要である。
佐藤福島県知事(当時)だけが話を信用してくれて、新聞に記事を書いた。17基の原発が一時停止に追い込まれた。しかし2004年に復讐が始まった。12月に不正な土地取引の疑いがあるという記事が新聞に載つた。この記事を書いたのは原発担当の記者だつた。この疑惑はでつち上げだつた。弟が逮捕され首相官邸担当の検察官が福島に来て「お前の兄の知事を抹殺してやる」と弟に言つた。事態は更に進み、県庁で働く200人の職員に、少し知事の悪口を言うだけでいいから、と圧力がかかつた。2、3人圧力に耐へられず自殺した。佐藤氏は同僚を守るため知事を辞任した。裁判で無罪になつた。

これとまつたく同じことが小沢氏になされた。秘書の逮捕に始まり、大手マスコミが一斉に報道し、小沢氏は幹事長を辞任した。そして裁判で無罪になつた。

五月七日(月)「週刊ポストの広告」
昨日の一般新聞に、週刊ポスト5月18日号の広告が新聞に載つた。新聞によつては掲載しないところがあるかも知れない。もしそうなら重大な言論妨害である。
「暗黒裁判」総決算
本誌だけしか絶対に書けないこの国の暗部
「小沢一郎は無罪でも消えろ」
暴走検察と併走する巨大メディアの大罪
無罪でも「判決文を読む限り黒に近いグレー」と書く。
無罪でも「秘書は有罪」と必ず付け加える。
無罪でも「検審の民意」を強調し制度の問題点は無視。
無罪でも「街頭の声」を根拠に「国民は納得していない」と書く。
無罪でも「説明責任は果たされていない」と国会喚問を煽る。
『陸山会事件そのものがメディアが作り上げた事件だ』ジャーナリスト鳥越俊太郎


五月八日(火)「みんなの党江田賢司氏の著書」
この日はみんなの党幹事長幹事長江田賢司氏の「財務省のマインドコントロール」といふ著書の広告も載つた。序章から第3章まであり、各段落の内容が書かれてゐる。幾つかを紹介すると
なぜ「まず増税ありき」で進めようとするのか
財務省が増税をもくろみ、復興を遅らせた
ドジョウの正体は「財務省支配政権」
国債は子どもや孫たちへのつけ回しではない
ギリシャの教訓は”増税しても破綻”
デフレ下で増税しても、税収は上がらない
国外では「日本の財政は確固としている」と主張する、財務省の二枚舌
なぜ世界で例のない「伏魔殿」を廃止しないのか
消費税を社会保障の財源にする国なんてない
本気で実効する気のない、野田総理の口先答弁
野田総理は財務省にとって”パーなペット”?
財務省の「裏舞台工作員」による人格攻撃は尋常じゃない
なぜ政治家は財務省に頭が上がらないのか
財務完了は官邸にこんなに食い込んでいる
財務省は政府内を植民地化している
財務省はIMFさえ操る
このままでは「国敗れて財務省あり」になる
なぜ民主党政権は「政治主導」ができなかったのか
東電は法的に破綻処理すべき
「原発ゼロ」でピンチをチャンスに

まだ読んではゐないが、面白さうである。

五月九日(水)「小沢氏と鳩山氏が民主党本流である」
民主党の使命は日本を政権交代可能な国にすることだつた。自民党は昭和30年の結成以来の長期政権だつたから、これを倒すことは急務だつた。中曽根のプラザ合意から小渕の英語第二公用語までは、日本はアメリカ化をすればよくなると信じられた時代だつたから拝米新自由主義で自民党と対決しようとする人たちも存在意義はあつた。
しかし今はもはや新自由主義の時代ではない。新自由主義は野田派前原派で少数である。ところが菅直人が裏切り、そのほか自分の議席のことしか頭にない連中が日和見を決め込んだから、野田はまだ居座つてゐる。
小沢氏、鳩山氏はかつて自民党を離党した。自民党は長期与党だから大臣の椅子は約束されるし利権もある。それを蹴つたのだから立派である。一方の野田と前原は一体何だ。上昇志向が強いだけだ。民主主義に巣食ふ寄生虫である。(完)


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