二百二十九、小沢一郎議員を支援する会

平成二十四年
一月十三日(金)「書籍の紹介」
私の所属する労組の貸し出し本棚に「私たちはなぜ小沢一郎を支援するのか」といふ書籍があつた。早速借りて読んだので内容を紹介したい。
著者は「小沢一郎議員を支援する会」で、世話人代表は伊東章氏である。たまたま私の所属する労働組合が一昨年に分裂し、最初は円満に分かれたがその後、裁判になつた。
吾々は労働弁護士はたくさん知つてゐるが、相手の労組とも親しいから依頼しにくい。今回は組合事務所の近くの法律事務所に相談した。それがたまたま伊東弁護士だつた。

一月十四日(土)「自民党離党都議会議員と誤解」
労組のメンバーは一昨日まで、伊東弁護士は都議会議員だと誤解してゐた。労働弁護団ではないので、都議会議員で小沢氏と同じやうに自民党を離党したのだと思つてゐた。案件を依頼した縁で、小沢一郎議員を支援する会には労組のH委員長とA専従オルグ(現、副委員長)の二人が加入した。だから新年会にA副委員長が参加すると聞いて、左翼性の強いAさんは自民党離党者たちとは話が合わないからH委員長が参加したはうがいいのでは、と心配になつたくらいだつた。
ところが一昨日組合の会合で、伊東弁護士が都会議員といふのは間違ひだつたと発表があつた。「私たちはなぜ小沢一郎を支援するのか」を読むと、まづブックカバーの背後ページに
「会のメンバーや賛同者は、小石川高校の同窓生のほか、全学連、全共闘の元闘士、労働組合や市民運動家、一般の主婦、学生、会社員などさまざまである」

とある。ならばAさんも話が合はう。
「それ以外にも、小沢一郎とは、あるいは民主党とは異なる思想の人々が、この会に多数参加、賛同しているのだ。
それはなぜか。私たちの会のメンバーと賛同者は、「小沢攻撃」が持つ怪しさや、その背後に見え隠れする力に気づき、「小沢攻撃」に便乗することはもちろん、それを看過することは、日本の真の民主主義を阻害することになるという危機感を持っているからにほかならない。」

私もまつたく同じ意見である。マスコミの小沢攻撃は異常だつた。

一月十五日(日)「はじめに」
本の「はじめに」に伊東氏が次の様に書いてゐる。
一九六〇年(昭和三五年)六月、国内とりわけ東京都心は騒然としていた。岸内閣による日米安保条約改定の強行採決は「対米隷属を固定化するもの」であり「民主主義の破壊」だとして、学生や市民が参加したデモ隊が連日、国会議事堂に押しかけていた。
都立小石川高校の私たちも、社会主義研究会を中心とする有志で国会デモに参加することを決めた。いよいよ国会に向かう日、教室で級友の小沢一郎君が私に声をかけた。「伊東君、気をつけて行けよ」。「わかった。ありがとう」と答え、私たちは国会に向かった。
(中略)そしてさらに三十年余が経った平成二一年(2009年)、小沢君は民主党を率いて、長年の対米隷属政権である自民党を倒し、政権交代を成そうとしていた。ところがその頃から、マスコミを動員した猛烈な「小沢攻撃」が始まった。「金の疑惑」という攻撃は政権交代後も続き、「疑惑」は検察の不起訴決定によって晴れたかと思いきや、今度は「検察審査会」なるものの度重なる「審査」という執拗な攻撃が始まった。


一月十六日(月)「小沢一郎幹事長を支援する会」
この会は最初は「小沢一郎幹事長を支援する会」だつた。設立趣意書を一部紹介しよう。
「平成二一年(2009年)八月三〇日、日本は戦後六五年にして初めて、真の民主主義社会の第一歩を踏み出しました。
(中略)長い間、この国を支配してきた政治家、財界、官僚、マスメディアなどは、依然として古い体質のまま、国の隅々まで影響力を及ぼしており、あわよくば、また古い政治体制を復活させ、引き続き甘い汁を吸おうと狙っています。」

まつたく同感である。そして菅、野田が消費税増税で甘い汁を更に提供しようとした。

一月二十日(金)「小沢一郎議員を支援する会に」
平成二二年5月八日に結成大会が開催された。世話人の呼びかけのほかインターネツトで知つた市民、マスコミ関係者ら六十名が参集した。
マスコミはなぜ報道しないのか。小沢氏とは立場が正反対の立場の人々が支援活動に立ち上がつた。報道価値は高い。
参加者がはるかに少ない集会やデモでも報道されることがある。日本の大手マスコミは偏向が激しい。マスコミに報道されることで変質して行つた人もたくさんゐる。
結成大会の一箇月後に小沢氏が幹事長を辞任したため「小沢一郎議員を支援する会」と改称した。

一月二十日(金)「目先しか見ないニセ政治家」
設立趣意書には次のことも書かれてゐる。
「本来、政治のプロであるはずの民主党、それに連立政権を組む社民党の政治家、閣僚までもが、地検特捜部、大マスメデイアの真の狙いを理解する力もなく、あたかも、この問題が小沢一郎一人の問題であるかのごとき無責任かつ無能な対応をくり返しているのです。」

まつたくそのとほりである。そして菅、野田は小沢問題の対応だけではない。国民がなぜ民主党に投票したのか、民主党に何を期待したのかといふことが判つてゐない。政府の収入と支出を見て増税だと短絡するのは、目先しか見ないニセ政治屋のすることだ。

一月二十六日(木)「マスコミに無視されても活動を続ける団体」
かうしてマスコミには無視されたが、「小沢一郎議員を支援する会」は活動を続けてゐる。国民はほとんど知らない。私も労組が伊東弁護士に依頼するまで知らなかつた。
国民が知らないの支援する会だけではない。小沢氏が叩かれた理由も知らされてゐない。(完)


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