千百二 (1.現在も僧Xを信仰する人)と(2.共産主義転向者)に、性格の悪い人がゐる理由
平成三十戊戌
二月二十五日(日)
二ヶ月前に最近、僧X系に冷たくなった理由と云ふ特集を組んだことがある。僧X信仰者には立派な人もゐる一方で、性格の悪い人もゐる。そんな内容だった。決して性格の悪い人が多いと言ってゐるのではない。ゐると言ってゐるだけだ。どの思想、団体にも性格の良い人と悪い人がゐるから問題は無いのだが、信仰をする以上は性格がよくならなくてはいけない。だからつひ問題にしてしまふ。
今回「(1.現在も僧Xを信仰する人)と(2.共産主義転向者)に、性格の悪い人がゐる理由」と題して考察を加へることにした。
二月二十六日(月)
僧Xの活躍した時代は、飢饉や疫病が続き、元寇まであった。今だったら、気象変動、元がなぜ巨大になったか、元の目的は何か、落としどころはどこかを考へるところだが、鎌倉時代だから仏教の経典の選択を誤ったと考へた。
翻って今の時代に飢饉、疫病、元寇があるか。無いのにX経だけが正しいと主張するから他宗や一般の人から嫌はれる。ここで、地球温暖化で人類は滅亡寸前だと主張するやり方がある。あるがどの宗派、団体もそのやうには主張してゐない。
そもそも地球温暖化は西洋野蛮人の文明が引き起こしたもので、西洋人も突然に他教の信仰を始めて地球温暖化が始まったものではない。
そればかりか逆に、長く続いて平衡状態だったカトリック信仰が薄れ、或いはプロテスタントに改宗し、更にこれらを信仰しない野蛮人たちによって地球破壊が始まった。
二月二十七日(火)
「2.共産主義転向者」は、社会民主主義者や民主社会主義者のことではない。共産主義者だったのに米ソ冷戦が終結するや、とたんに「アメリカは民主主義だ」と叫ぶ連中のことだ。
終戦直後に共産主義者となり、昭和三十年(1955)以降社民主義や民社主義になった人は転向者ではない。ソ連の情報が正しく入ってこなかったからだ。
米ソは冷戦だったが、ベトナムでは戦争だった。だからベトナム戦争が終はる昭和五十年(1975)辺りまでは社会党と共産党の革新勢力は人気があった。これ以降転向した人はグレーゾーンだ。
三月一日(木)
現役の共産主義者と比べて、共産主義転向者は性格が悪いと結論付けたのは経験則による。だから理論から結論を出した訳ではない。
後付けで理論を付ければ、ソ連が崩壊したあとは共産主義理論を変更しなくてはいけないのに、従来からあった社民主義に転向する。今までは社民主義に問題があったから共産主義を保持したはずだ。それなのに安直に転向するのは、橋下さんの言葉を借りればちょろネズミだ。
因みに私は、共産主義者ではないし、社民主義者でもない。過去の有名な科学者の論文に正しい部分と今では間違った部分があるのと同じやうに、誰の主張にも正しい部分と間違った部分がある。
三月二日(金)
共産主義者は性格が悪くなる要因が一つある。それは唯物論だ。そもそも資本主義と云ふ唯物論が現れて、労働者の生活は貧困を極めた。だからと言って中世には戻れない。だからマルクスは弁証法的唯物論を考へた。つまり弁証法的唯物論は反唯物論が本質だ。
資本主義は第二次世界大戦が終って暫くはまだ帝国主義が続き、植民地を手放さうとはしなかった。この時代は唯物論だ。ところが朝鮮戦争の後、資本主義側は戦略を変へて人道主義を取り入れた。
哲学的には唯物論に文化論、伝統論を加味した。ところが共産主義側はレーニン、スターリンがともに権力闘争をやったから唯物論に戻ってしまった。権力闘争をせずに政権を回すには文化論、伝統論が必要だったのだが、そこまで気付かなかった。
資本主義が共産主義に勝てたのは、もう一つ経済力がある。経済力は唯物論だ。だから米ソ冷戦の終結後に、新自由主義、規制緩和、改革と云ふ奇妙な思想がでてきた。
ここでこれらのどこが悪いかと云ふと、平衡論で儲けすぎるところを抑制するための規制緩和や改革ならよい。小泉以降に行はれてきたものは弱者をますます弱くする規制緩和や改革だ。
(1.現在も僧Xを信仰する人)と(2.共産主義転向者)より遥かに性格の悪いのが新自由主義者であった。(完)
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