105、アメリカ合州国解体論
平成ニ十一年
七月十三日(月)「地球温暖化を防ぐには」
地球温暖化は防がねばならぬ。温度上昇を二度以内というのでは不十分である。それでは多くの生物が滅びてしまう。二酸化炭素削減の最大の癌はアメリカである。アメリカ合州国なる珍妙な人工国家は解体すべきである。居住地は最初の十三州に限り、残りは先住民および野生生物の保護区にすべきである。
七月十五日(水)「自然の法則に逆らうアメリカ合州国」
先進国は出生率が低い。先進国は一人当たりの二酸化炭素排出量が多いから人口が減少する。自然の平衡作用である。ところがアメリカ合州国は、二酸化炭素排出量が世界で一番多いのに人口は増え続けている。
しかも世界で最も二酸化炭素削減に反対している。アメリカ合州国は多くの生物を滅ぼす癌だということを、世界中の人びとはまず認識する必要がある。
七月十六日(木)「唯物論に転落した共産党委員長志位和夫氏」
今回の「アメリカ合州国解体論」は志位氏の拝米言辞が起因となった。共産党委員長までが拝米を始めるほど日本国内は異常である。そのことは朝日新聞と毎日新聞の主筆が拝米派であることに象徴される。
共産党は唯物論ではない。弁証法的唯物論を自称はしているが、第二次世界大戦後の民族解放戦線などで伝統文化の大切さを学んだ。だから日本に於ける最大の唯物論勢力は、(1)経団連、(2)欧米かぶれ、(3)新興宗教の三つであった。(「55、唯物論を考える」へ)
日本共産党は昭和五十五年ころから政権を諦めた。長期目標がないと人はニヒリズムに転落しやすい。ニヒリズムは唯物論の異名である。経団連が伝統文化を破壊してまで企業活動に熱中するのはまさにニヒリズムである。そして志位氏もニヒリズムに転落し拝米となった。
七月十七日(金)「現在日本における菩薩」
日本共産党の理論家榊利夫氏は著書「宗教と歴史の進歩」で次のように述べている。
- 「宗教批判はマルクス以前に基本的に終了」
(中略)マルクスは一八四三年の『ヘーゲル法哲学批判序説』の冒頭を、「ドイツにおいては、宗教批判は実質的に終っている」ということばからはじめている。
- 真宗の川瀬武衛師のように、日本共産党員はみんな、現在日本における「菩薩」だといったほめ言葉をのべている人もある。「ほめすぎ」だという感もなきにしもあらずだが、日本共産党の方針と活動が宗教者本来の願望や利益と合致することは確かである。
決して誉めすぎということはない。かつての共産党はそれだけの活動をしていた。
七月十八日(土)「エネルギー収支からみた支配層と労農層」
労働とは食物エネルギーの一部を直接に用いて製造をすることである。だから今の世の中には労農層はいない。工場も農業も石油を大量に消費するからである。先進国と称する国の住民は、石油を消費し二酸化炭素を放出することによる未来の労農層の搾取により生活している。共産主義者はそのことに気付き、イスラム主義者など伝統勢力と連携し化石燃料を禁止する世界運動の先頭に立つべきである。世界で最も化石燃料を浪費するアメリカに反対すべきである。
七月十九日(日)「下部構造」
下部構造が発達すると上部構造も変化するというのは正しい。しかしマルクスの時代の下部構造は、既に化石燃料の消費が始まっていた。ここでマルクスを擁護するなら、その後の地球温暖化により化石燃料を禁止して経済規模は減少したが下部構造は発展したと言える、といえばいいではないか。
一人当たりの化石燃料消費が最も多く、多くの生物を滅ぼそうとしているアメリカを賞賛する志位氏は間違っている。
七月ニ十日(月)「文化軽視時代」
文化は上部構造である。上部構造は下部構造の影響を受けるが軽視していい筈はない。榊利夫氏も確か別の著書で、そのように書いている。
一方で戦後の文化軽視は目に余るものがある。これは自民党の責任である。たまたま戦後は経済成長が続いたため覆い隠されていた。世代を超えて長期に見れば、昭和と平成は日本史上最悪の時代だったと言えよう。
七月ニ十一日(火)「ニヒリズムの日本」
共産党がいうには、唯物論とはすべての根源は物質であり、決して精神を否定することではないという。まったく同感である。しかし共産党のいう弁証法的唯物論と異なり、単純唯物論は精神活動の否定、即ちニヒリズムに直結する。精神活動の否定とは文化の否定である。欧米かぶれを唯物論と断定する理由はここにある。
共産主義者はニヒリズムになりやすい(「94、いまだに丸山真男を信奉する者は現代の軍国主義者である」)。この表で「東洋共産主義」は各国の文化に即した共産党であり、「共産主義」は文化の重要性をまだ認識していなかったマルクスの時代の共産主義である)。志位氏はニヒリズムになってしまったのだろうか。否、戦後の日本全体がニヒリズムである。
七月ニ十ニ日(水)「志位発言の誤り(その1)」
志位氏の「アメリカ合衆国の1776年の独立は、世界で初めての民主共和国の誕生という意味でも、また最初の人権宣言が発せられたという意味でも、人類にとって重要な出来事だと考えている」は大きく間違っている。1776年より前の1649年にイギリスでは国王を処刑し一旦共和制に移行しているし、世界を探せば選挙で首領を選んでいた部族だってあるはずである。否、すべての人類は一番最初は皆の話し合いで村の長を選び、それが大きくなるにつれて武力で政権を作るようになった。おそらく選挙で長を選んでいた部族もあったことであろう先住民から土地を奪って作った人造国家を、志位氏はなぜ絶賛するのか。
七月ニ十三日(木)「志位発言の誤り(その2)」
移民がアメリカ大陸に押し寄せてきたときには、先住民の人口ははるかに多かった。この時点で選挙を実施すべきではなかったのか。
武力で先住民を圧迫し移民が多数派となった時点で、白人だけで選挙を行う。こんな不公正なことはない。それなのに志位氏は絶賛する。志位氏は真面目な党員の上にあぐらをかく政党貴族と言える。
七月ニ十七日(月)「国民の声を聴くとは」
志位氏はアメリカ大統領から返事をもらってまず記者会見を開こうとした。しかしアメリカ側の了解を得るために延期した。この時点で志位氏のアメリカかぶれは99%確実となった。しかし1%に期待して現役の或る共産党員に聞いてみた。それによると年配の党員のなかには、なぜ(党が)天皇を認めるのかと反発があるという。この意見には十分に配慮しなくてはならない。
一方で国民のなかには逆の意見もある。たまたま作家Xを調べた後に本化妙宗連盟(分裂後の国柱会)と北山本門寺の両方に関係するX宗の僧侶と知り合った。そこの信徒が、今回の衆議院選で立候補する幸福実現党は大統領制を主張して天皇陛下を軽んじるからよくない、という。
年配の共産党員も、X宗の信徒も、両方とも国民の声である。これらをどうまとめればいいのか。
七月ニ十八日(火)「左翼と右翼の主張はほとんど正しい」
明治維新後の天皇は欧州の国王を真似したものであった。その擬似国王の下で共産党を弾圧し戦争にも突入した。決して明治維新以前の天皇制度が悪いわけではない。
天皇の役割は最高権力者を任命することにある。もし日本に大統領を設けても、その大統領を天皇が任命すれば、何ら問題はない。幸福実現党は別の理由でよくない。まず宗教色がない。相続税を廃止して貧富の格差はどうするのか。人口を三億人にして地球温暖化と自然破壊をどう防ぐのか。
保守派の一部の主張に天皇を国家元首にしろというものがあるが、これはよくない。天皇をスキャンダルのクリントン元合州国大統領と同列に扱うことになる。リベラル派の一部の主張に皇室をもっとオープンにしろというものがあるが、これもよくない。皇太子愛人スキャンダルを起こしたイギリス王室と天皇を同列に扱うことになる。
クリントンは俗物である。辞任して副大統領のゴアに政権を譲れば、次期もゴアが当選し地球温暖化対策を進めたことであろう。クリントンが居座ったためにブッシュというヒトラーより悪い男が出てきた。ブッシュは近代史上最悪の男である。地球滅亡に最大の責任を有する。
左翼と右翼の主張はほとんど正しい。かえって左翼と右翼の中間と見られる自民党や民主党によくない意見がある。その理由を考察しよう。
七月ニ十九日(水)「正義派と既得権勢力の争い」
右翼や左翼が主張を始めたきっかけは、今の世の中では駄目だといういわば感性である。それに比べて資本主義者やリベラルと呼ばれる連中は既得権があるから、感性が鈍っている。
志位氏は国会議員、党委員長といい思いをしている。既得権勢力に転落したといえる。党委員長は三日やったら辞められない。
大塩平八郎は今の感覚では右翼か左翼か判らない。幕末の倒幕勢力も右翼や左翼と区別できるものではない。日本では右翼と左翼という区別はやめて、正義派と既得権勢力の争いという分け方をしよう。そうすれば世の中が見えてくる。
七月三十日(木)「世界最大の既得権勢力」
世界最大の既得権勢力はアメリカである。広大な領土と世界一贅沢な暮らしを手放したくないから策略を行う。アメリカが民主主義を叫ぶ理由は、既得権を守るためである。
人間は堕落しやすい。化石燃料を消費すれば楽である。そのような人間が選挙をして何になる。民主主義を叫ぶのは化石燃料の使用をやめてからでも遅くはない。
民主主義のイギリスは世界でもっともたくさんの植民地を持っていた。民主主義はヒトラーを生んだ。民主主義はブッシュというヒトラーより悪い男を罷免できなかった。すべて化石燃料使用時代の話である。
七月三十一日(金)「日本の既得権勢力」
日本の政党もずいぶん馬鹿げた政策を行う。民主党が高速道路無料化を声高に叫び、自民党は高速道路1000円を実施した。地球温暖化が大問題になっているときになぜこのようなことを行うのか。しかも地方のバス会社の食い扶持となっている高速路線や、フェリー会社は大打撃を受けた。
民主党は自動車総連、自民党は自動車業界の圧力を受けたのではないかと勘ぐりたくなる。しかも民主党はアメリカのフリーウェイの猿真似である。アメリカの猿真似は国と地球を滅ぼす。
八月一日(土)「広大な土地に住んではならない」
日本は一人当たりの二酸化炭素の消費が少ないと思われているが、欧州とほぼ同じである。それに対してアメリカ、カナダ、オーストラリアはその二倍を放出している。先住民と野生生物の土地を奪い、高速道路と広大な家で大量に二酸化炭素を消費する。これら3国を解体しない限り、多くの野生生物が滅びる。
3国の解体とはひどいことを言う、と思う人も居よう。しかし地球の温度が二度上昇したら多くの野生生物は滅びる。一部の贅沢な国のために野生生物を滅ぼしてはならない。
八月ニ日(日)「世界最大の文化軽視国はアメリカである」
数年前にマニフェストという珍妙な日本語が現れた。民主党と社民党のホームページにはManifestoと大きく書かれている。文化を軽視する政党はニヒリズムである。そのようななかで自民党と共産党は用いていない。立派である。
アメリカには歴史がない。文化もない。あるのは銃と世界から寄せ集めた落ちこぼれやギャンブル人間だけである。文化を軽視する民主党と社民党はアメリカ民主党に似ている。リベラルという言葉にだまされてはいけない。リベラルの行き着く先が新自由主義である。
八月三日(月)「世界最大の反民主主義国はアメリカである」
民主主義が正しいのなら、人口比に基づいて地球温暖化を防止すべきである。ところがアメリカは軍事力に物を言わせて無視している。そもそも現在の人口比は不公正である。15世紀に始まる大航海時代で欧州の人口は爆発的に増加したからである。十八世紀にイギリスで産業革命が起こったのも海外に広大な植民地を持ったことが原因である。
大航海時代に始まる植民地は第二次世界大戦後にやっと独立し、一方でアメリカ大陸では植民地が勝手に独立したアメリカ合州国が今でも領土を占領している。産業革命に始まる二酸化炭素の放出は今でも続いている。
地球温暖化を議論するなら大航海時代直前の人口比で議席を決め、議論すべきであろう。アメリカ合州国には議席はない。
アメリカ合州国は、(1)先住民を除きすべての人は大陸を去る、(2)一つか二つの州に特例で住めるにする、(3)独立時の十三州に住む、のどれかにすべきだ。このホームページでは第三案を提案している。ずいぶん寛大である。今のような広大な領土に住む限り、二酸化炭素放出は減らせない。世界中の人は声を大にしてアメリカ合州国に要求すべきである。
八月四日(火)「実現可能な主張を」
日本共産党がいかに主張をしても、手本とする国がない。手本とする歴史もない。これでは不確実性が高い。実現不可能である。
アメリカ合州国解体は、世界が意見を一にすれば実現可能である。最終的にはアメリカの領土としても十三州以外は先住民と自然保護区とする。これくらいができないようでは、地球は滅びる。
私のホームページでは宗教の復活も主張しているが、これも可能である。タイ国という手本がある。アメリカに一年弱、タイに3ヶ月、ドイツに1ヶ月出張したことがあるが、一番日本に合うのはタイである。僧侶が街中にあふれ、中には怪しげな僧侶もいるが失業対策と考えればいい。僧侶は妻帯しない、午後は食事をしないなど戒律を守るから、敷居の高さも保たれている。日本にも上座部仏教が広まれば一番いいが、これまでの日本の歴史を踏まえれば大乗仏教の戒律の復活が望まれる。
ドイツも住みやすいところだった。ジャガイモ料理など土地の農作物が文化に溶け込んでいる。社会民主政策も行き渡っている。XX教も生きている。
それに比べてアメリカはどうか。初めてアメリカに行けば感動もしよう。しかしすぐに広大な土地の収奪と化石燃料の浪費によるものだと気が付かなくてはならない。アメリカのように歴史のない国が存在する限り地球は滅びる。
日本共産党は政権を諦めている。だったらベトナムと協力したらどうか。少しは政権意識を持つべきだ。日本共産党からベトナムの政策に加わる人を多数出し、ベトナムからも日本共産党に来てもらう。そのときはベトナム語をきちんと勉強すべきである。英語で済まそうと考えてはいけない。それでは英語帝国主義の手先となってしまう。すべての言語は平等である。英語に特権を持たせてはいけない。
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