七百九十六 朝日新聞批判、その二十(マスコミの横暴を許すな50、早稲田大学教授渡邉義浩氏を批判)

平成二十八年丙申
一月十日(日) ヨーロッパは専制ではなかつたのか
一月八日4ページ目に「三国志の教訓」といふ記事が載つた。早稲田大学教授の渡邉義浩氏が三国志学会事務局長の肩書で大きく写つた。悪質な内容だが、渡邉氏の発言を社会破壊拝米新自由主義反日(自称朝日)新聞が都合よく取捨したと考へられる。だから表題では朝日新聞を批判し、渡邉氏は括弧内に留めた。まづ悪質なのは
-「1強」の日本政治をどう見ていますか。
「アジアは専制政治の歴史です。古代中国では国が乱れて北方民族が侵入すると、迅速に対応するため権力を集中させる必要がありました。

ここで悪質なのは「アジアは専制政治の歴史です」の部分だ。アジアだけではなくヨーロッパも長いこと専制政治だつた。発言の冒頭にこれを選ぶことは、アジアだけを強調することにより読者を拝西洋に志向させる意図がある。この部分だけで、この記事の悪質さの60%を占める。
因みに私は、国ができて国王が生じるのは人間の本能であり(長阿含経の小縁経へ)、しかし人間は堕落しやすく特に権力を持つ側は堕落の速度が速いから専制になるといふ意見だから、反日新聞のように西洋式多数決が絶対正しいといふ立場とは異なる。
(中略)翻って現在の日本は、経済で中国に追い抜かれ、価値観が揺らぎ、未来への希望が持てなくなっている。そんな時代状況が強いリーダーを求める空気をつくるのではないでしょうか」

中国の人口は日本の十一倍。今まで中国のGDPが日本より低いことのほうが異常だつた。追い抜いた時点で、中国の一人当りのGDPが日本の1/11になつたことだから、格差が少し少なくなつたと、隣国の繁栄を喜ぶべきだ。二国間の格差が大きすぎるとろくなことはない。日本の大学教授に多いがアジアの各国を蔑んだ目で見て回り、研究と称する。こんな低級な連中が生じる理由は日本の一人当りのGDPが周辺のアジア各国より異常に高かつたからだ。
中国のGDPが日本を超えたことを脅威に感じる人が多いのは、マスコミの責任だ。マスコミの責任だがそのことを指摘するでもなく、渡邉氏は「価値観が揺らぎ、未来への希望が持てなくなっている」と筋違ひのことをいふ。
このあと記事執筆者が太字で次の文を書く。渡邉氏の発言に割り込んで記事を書いた人間は自分の意見を云ひたいらしい。太文字にするところをみると渡邉氏より、この記事を書いた人間は、自分の方が優秀だと思つてしまつたようだ。さうでなければ渡邉氏の発言は普通の活字、記事執筆者の書いた部分を太字にできる訳がない。太字の部分は
日本で1強が支持されるのは、「危機の時代だからなのか」。自民党に独走を許しているのは、むしろ野党陣営の自滅に原因があるとは言えないだろうか。

自民党に独走を許しているのは、野党陣営の自滅ではなく、シロアリ民主党の裏切りにある。裏切りと自滅はまつたく異なる。

一月十日(日)その二 戦争が好きな朝日新聞
記事執筆者による挿入文に続き、渡邉氏の
「後漢末期から三国時代に1強を目指したのが曹操です。漢帝国が混乱して民が飢える中、新たな政治を起こそうと挙兵。天下統一目前まで迫ります。これに対抗したのが孫権と劉備。三国志の物語です。」

この部分には、偏向だけが取り柄の反日新聞も口を挟まなかつた。しかし私は渡邉氏に異議がある。この時点で皆が曹操に従へば、その後の多数の戦死者は避けられた。三国に分かれるのは史実だから、その前提で三国志を鑑賞する。これなら戦死者は増えない。だから問題はない。しかし渡邉氏のように天下統一目前まで行つたと認めるなら、その後は戦死者を増やすだけの議論だからすべきではない。
もつと分り易く云へば、私は曹操が天下統一目前まで行つたとは思つてゐないから、劉備がんばれと声援を送ることができる。戦死者の数は変らないからだ。天下統一目前まで行つたのなら劉備を応援してはいけない。曹操に道徳上の欠陥があるのなら別だが、三国志演義ではなく三国志では、曹操に道徳的欠陥があるとは書いてゐない。(三国志演義には宿泊させてもらつた家で、調理の音を自分たちを殺さうとしたと勘違ひして殺害し、通行するうちそこの家の人に出会ひ、会話から食事を作つてゐたことを知り、今度はその人を殺す。曹操の同行者が咎めると、家に戻つた家人が事件を知り我々を殺しに来るから予防したと平然と答へる場面がある。また父親を殺害された報復にその村の住民を全員殺害する場面もある。しかしこれは三国志演義であつて三国志ではない。)
少なくとも蜀を劉璋から奪ひ、孫権から借りた領土を返さなかつた劉備より悪いことはなかつたのではないか。領土を返さなかつたため孫権に攻められて関羽は死亡した。張飛は部下を殴ることから評判が悪く、そんな男を義弟にしたのも劉備の落ち度だ。張飛はそれが理由で部下に殺された。

一月十日(日)その三 日本の董卓
-1強に比べて力の弱い勢力が手を結ぶのは理がありますが、簡単に利害が一致するものでしょうか。
「戦略を実現するための優先順位をどう考えるかだと思います。注目すべきは最も弱小だった劉備に、孫権側が領土を貸し与えたことです。当初は孫権自身も含め国中が猛反対したのですが(中略)巨大与党に対する野党の戦略につながる話かもしれません。」

一番の優先順位は、嘘をつくことだけが取り柄の菅野田の消費税増税を取りやめることだ。質問する方も答へる渡邉氏も、力の弱い勢力が正しくて、1強が間違つてゐるといふ前提で話を進めるが、今の日本については当てはまらない。まづシロアリ民主党を撲滅するため1強多弱が協力すべきだ。シロアリ民主党に該当するのは三国志では董卓であらう。

一月十日(日)その四 権力の外でも腐敗は生じる
「中国では思想や価値観の違いを超え、臣下の意見を聞けるのが名君とされています。曹操は自分と考えが異なっても、才能次第で登用する唯才主義という人事基準を定めました。劉備は話をよく聞いた。(中略)中国ではこれを『徳』と呼び、赤壁の戦いの前には劉備の徳を慕い、民がついてきました。劉備は徳により蜀を建国できたのです」

劉備が徳により蜀を建国したのは三国志演義の話で実際は不明だ。もしさうなら孫権が領土を取り返したときに住民の反乱が起きるはずだ。それより、民主党がシロアリ化するとき、つまり消費税増税を突然云ひ始めたときに国民の声を聴いたのか。ニセ労組シロアリ連合の圧力だけに従つたのではないのか。反日新聞がねつ造記事を書き続けたときに、社内から批判の声は出し易かつたのか。
「もちろん現実には難しいことです。曹操は長年用いた軍師を死に追いやり、孫権も口やかましい老家臣の張昭を遠ざけ、最後はスパイ政治に陥ります。権力集中は腐敗を生み、やがて滅びる。(以下略)

権力集中だけではない。権力が分散しても、分散した権力の中で、或いは権力の外で腐敗は生じる。シロアリ民主党の裏切り行為と、社会破壊拝米新自由主義反日(自称朝日)新聞の捏造記事はその典型だ。

一月十日(日)その五 志と野心は異なる
-三国志から現代政治が学び取るべきものとは。
「志を持つことです。三国は100年ほどで滅びましたが、曹操が生み出した多くの制度はその後も生き続け、日本の律令制度の基本になった。歴史を変えるのは、志を持つか持たないか差ではないでしょうか」

野心(金銭欲、名誉欲)と志はまつたく別の物だ。渡邉氏はその違ひが判らないらしい。この記事の二番目の欠陥はここにある。(完)


三国志に學ぶ(シロアリ民主党撲滅)

朝日新聞批判、その二十(マスコミの横暴を許すな49)朝日新聞批判、その二十二(マスコミの横暴を許すな51)

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