二千四百七十二(うた)本醸造酒
甲辰(西洋発狂人歴2024)年
九月三日(火)
本醸造酒を四合瓶で幾つか購入した。まづは「蔵人推奨 菊水の辛口」。精米歩合70%、アルコール分15度、新潟県新発田市、23年10月。
菊水は有名な(その一その二)お酒だが、小生は期待外れだった。ラベルには「新潟清酒の定番ともいえる端麗辛口酒」とあるから、小生に合ふ筈だが。
本醸造初めて試す酒故に舌が慣れるに時が掛かるか

次に、「本醸造 辛口 浦霞」。精米歩合65%、アルコール分15度以上16度未満、宮城県塩釜市、24年4月。これは美味しかった。或いは製造して四ヶ月だからか。
これで本醸造は終了した。スーパーに四合瓶はこれしかない。あと一升瓶があるが、持ち運びに不便だ。そこで紙パックの「大関 上撰金冠」を買った。24年5月。本醸造で舌が厳しくなったためか、あまり美味しくない。
吟醸酒無条件にて美味しいが 昔から在る味なのか 日本酒の味少し異なる

反歌  本醸造昔から在る味と見る今は初めで舌が慣れずに

九月四日(水)
本日は、千葉県佐倉市へ行く用事があり、昼食の弁当とともに本醸造の四合瓶を買った。味噌汁代はりに酒を少し飲んだ。「上撰 本醸造 お福」。精米歩合65%、アルコール分15度、新潟県長岡市、23年11月。味は菊水と同じだった。これまでの二つが九百九十円程度なのに対し、この酒は七百九十円程度でお得だ。或いは、菊水やお福が典型的な本醸造で、浦霞は特殊なのかも知れない。
或いは、浦霞が製造後三ヶ月なのに対し、残りの二つは十ヶ月と十一ヶ月。インターネットで調べると、製造後一年間は風味を保つとあるから、これは無いと思ふのだが。
本醸造アルコール添加一割に抑へ切れ味少なきか 昔からある日本酒の味

反歌  本醸造瓶詰めのみが飲むことを妨げる為ひとまづ終へる
瓶や旅先のカップは、記念に保存してある。これ以上、瓶が増えることは避けたい。

九月七日(土)
本醸造が終ったので、「大関 上撰金冠」に戻った。吟醸や、アルコール添加による切れ、と異なり従来のお酒は地味だ。しかしこれが本来の味だ。これで今回の特集は一先ず終了するが、チューハイなど安くて夏には美味い飲料に対抗するのは、かなりの工夫を要する。
冬には温かいお酒がよい、と云っても今は室内に暖房がよく利く。かつての炬燵は過去のものとなった。アルコール離れもある。ビール類、ウィスキー、酎ハイが減るのはよいことだが、日本酒をどう生き延びさせるか。それには、神聖なお酒、昔から続くお酒。これを前面に出すべきだが、どう出すか。それがこれからの課題だ。(終)

「日本酒、その二十九」「日本酒、その三十一」

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