二千四百五十八(うた)その後の日本酒
甲辰(西洋未開人歴2024)年
八月二十五日(日)
駅前のスーパーで、小山本家酒造の「界(かい)」を買ひました。これは同音繰り返しである。散文だから、何の意味も持たないが。「ました」調にしたところが苦しい。小山本家酒造は、かつて東京二十三区で唯一の酒蔵だった小山酒造の本家で、さいたま市指扇にある。安い酒でも有名だが、「界」は十七度で、やや辛口、淡麗だ。この酒は美味しい。冷やして、常温、ぬる燗が◎だ。
これが少なくなったので、今度は宝酒造の「松竹梅 天」を内で買った。これも無理に同音繰り返しにしたな。宝酒造は焼酎会社ではないか、と思ったが松竹梅は有名だ。ホームページを調べると、創業二十年の1925(大正14)年に宝酒造株式会社設立。1933(昭和8)年に経営困難だった酒蔵を支援して松竹梅酒造(株)を設立。
1990年代以降、清酒市場は特定名称酒と紙パックを中心とする経済酒に二極化。そこで2001(平成13)年、伝統の生酛(きもと)造りにこだわった松竹梅「白壁蔵」〈生酛純米〉など高品質な商品を次々と出した。もう一極側では2003(平成15)年、松竹梅「天」を発売。
とある。界は常温で飲むが、天は常温だとそれほどではない。冷やして、ぬる燗、熱燗が◎、常温は〇だ。まづ電子レンヂで温め、次の日は氷を入れて飲んだ。

八月二十六日(月)
本日は、「松竹梅 天」を先に飲み、そのあと「界(かい)」を飲むと甘く感じた。原材料名に糖類がある。三週間ほど前に思った、飲み比べをしてはいけない、は有効だった。
飲み比べしてはいけない 純米酒買ふはいけない 糖類を添加の酒もやはりいけない

反歌  純米酒合ふ人に佳し我が口は本醸造と思ひが続く
反歌  純米酒吟醸酒とは縁あるも本醸造は買ふ機会無し

八月二十七日(火)
紙パックは古紙の日に出すのだが、幾つかまとめて出口のプラスチックを取る。だから前に飲んだ「菊正宗 辛口 ピン」がピン(一つ)残ってゐた。この同音繰り返しも苦しかった。ピンだの天だの二文字の語を商品名に使ふと茶化したくなる。もっと美しい日本語を使ふべきだと云ふ批判が、背景にある。
日本酒、その二十七を読むと、この酒が出てこない。越後杜氏の次に買ったらしい。かう云ふ混乱を避ける為に、酒の名を記すことにした。
昔から続く酒には悪い味無し 酒の味幅が広きを示す為書く


八月二十八日(水)
本日は区役所へ行ったついでに、Mareに立ち寄った。前に日本酒を買ったことがある。一升瓶や700ml、300ml、180mlの瓶には本醸造があることを知った。瓶は歩いて持って帰るのが大変なので、買はなかった。
日本酒は 紙より瓶が高級と知ると云へども 持ち運び便利な紙は捨て難きあり

反歌  紙パック中より上を買ふものの見渡し見れば下の上かも

兼「日本酒、その二十八」「日本酒、その三十」

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