二千四百二十五(うた)日本酒再考
甲辰(西洋未開人歴2024)年
七月二十三日(火)
最近日本酒に対する考へが変はった。酎ハイなど安くて美味しい酒が出てきたので、安い日本酒が減少するのは仕方がない。昔からの酒蔵は、本醸造を目指すべきだが、特定名称酒のなかで、本醸造は地味なので他が延びる中で減少が続く。
農水省と国税庁は、本醸造の名は残しながら、本格酒、昔からの味の酒、の副題を認めるべきだ。それに対し、吟醸酒や純米酒は美味しいが、昔からの味なのかどうか。美味しいお酒は吟醸酒と純米酒、昔からの味は本醸造で、役割分担がよい。
日本酒は ビールに食はれ ウイスキー焼酎などの蒸留酒に食はれたのちは 炭酸で薄めることでまた食はれ 本醸造で再起の道を
反歌
若者の酒類離れは望ましい老人どもは大いに飲まう
若者は酒離れを持続してほしい。年よりは、大いに飲んで長生きをし過ぎなければ国の年金や医療費が助かるし、適度に飲めば健康に生活できる。酒蔵と若者と年寄りの三方得である。
七月二十四日(水)
日本酒の特色は、温めて飲むことにある。一方で特定名称酒は、温めると味が分からなくなる。昔は、こたつや火鉢だったが、今は部屋暖房だ。この二つの理由で、温めて飲むことが流行らなくなった。
冷たくて美味しいお酒。ここは安い特定名称酒に期待をしよう。既に純米酒では、安いお酒が出ている。農水省と国税庁は、中小零細の酒蔵が特定名称酒を作り易くすべきだ。
酒蔵が長く続くの助けには特定名称取りやすく だが品質を下げてはいけない
反歌
中小は設備書類に難しさ品質下げずこれらを下げる
---------------ここから「良寛和尚と同郷」(九十九)------------------
七月二十五日(木)
恐れてゐることが、早速起きてしまった。新潟放送のホームページに
創業130年超の老舗酒蔵『宝山酒造』が破産 弥彦神社観光の一環として酒蔵見学が好評も社長入院で急転 新潟市
が載った。
新潟市西蒲区の酒蔵『宝山酒造』が7月19日、新潟地方裁判所から破産手続きの開始決定を受け(中略)民間の信用調査会社・帝国データバンクによりますと、金融機関からの借入金の返済計画がたびたび見直されていたなかで、(中略)負債は約2億2000万円とみられています。
(前略)130年以上続く老舗の日本酒メーカーとして、自社ブランドの日本酒「宝山」をはじめ甘酒やリキュールの製造販売も手がけつつ、弥彦神社とその周辺の観光スポットの途上にあることから、観光コースの一環として「酒蔵見学」にも力を入れ、1995年6月期には約2億6100万円の年売上高を計上していました。
しかしその後、日本酒離れが進むなかで売り上げは低迷。
打開策としてインターネットでの販路拡大なども試みますが(中略)2023年6月期の年売上高は約1億円にまで低下していました。(中略)在庫の日本酒販売は継続しつつ、「宝山」のブランドを引き受ける事業の譲渡先も模索しているということですが、まだ先行きは不透明だということです。
ホームページを見ると
2020年 Kura Master2020 金賞、全米日本酒鑑評会2020 銀賞
2021年 全米日本酒歓評会2021 金賞
インターナショナル・サケ・チャレンジ2021 純米部門 銀賞
ボルドー酒チャレンジ2021 金賞
2023年 Kura Master2023 金賞
2024年 Kura Master2024 プラチナ賞
Kura Masterは、フランスで開催される日本酒、本格焼酎、泡盛、梅酒の審査会だ。欧米の審査会に偏ることが気掛かりだ。国内の審査会を探すと
1989年 関東信越国税局酒類鑑評会 優秀賞
1991年 関東信越国税局酒類鑑評会 優秀賞
1992年 関東信越国税局酒類鑑評会 優秀賞
1994年 全国新酒鑑評会 金賞
関東信越国税局酒類鑑評会 優秀賞
1997年 全国新酒鑑評会 金賞
1998年 全国新酒鑑評会 金賞
関東信越国税局酒類鑑評会 優秀賞
2000年 関東信越国税局酒類鑑評会 優秀賞
2002年 全国新酒鑑評会 金賞
関東信越国税局酒類鑑評会 優秀賞
2004年 関東信越国税局酒類鑑評会 優秀賞
2005年 関東信越国税局酒類鑑評会 優秀賞
杜氏、青栁長市が黄綬褒章受章。
2006年 関東信越国税局酒類鑑評会 優秀賞
2009年 全国新酒鑑評会 金賞
二十年間に集中し、その後は途絶え、十年後に米仏に集中したことは、倒産に関係があるかも知れない。とは云へ「本醸造 宝山」は
キリッと辛みのきいた、サッパリした飲み口のお酒です。(以下略)
720mlが¥1,020(税込)、1,800mlが¥2,080(税込)と、本醸造にしては廉価だ。
吟醸や純米もあるが、特定名称では無いが高級なものが幾つもある。これらは割愛し、「貴宝 寶の山」が
懐かしき昭和の時代を感じるようなお酒の匂いとウマ辛さ。
貴宝 寶の山は、越後一宮「弥彦神社」のお神酒として奉納しております。
180mlが¥320(税込)、1800mlが¥2,040(税込)と手頃である。廉価版の「伯宝 宝山」は
懐かしき昭和の時代を感じるようなお酒の匂いとウマ辛さに、飲兵衛さんは大絶賛。「これぞ日本酒。」というお声を沢山いただきます。
180mlが¥250(税込)、1,800mlが¥1,780(税込)と更に手頃だ。決して高級路線に走ったことが原因ではない。種類が多すぎることは、原因の一つかも知れない。一番の原因は、全国で酒蔵の廃業が多いことと、米仏に視線を移し過ぎたことか。吟醸と純米以外は、すべて本醸造を取ればよかった。
多種多様酒が現れ 日本酒は他の日本酒に勝つよりは 他の酒に勝つことが肝心
反歌
岩室の駅から四キロ弥彦から三キロにあり宝山酒(さけ)(終)
「良寛和尚と同郷」(九十八)へ
「良寛和尚とその漢詩和歌」(百)へ
「日本酒、その二十五」へ
「日本酒、その二十七」へ
メニューへ戻る
うた(九百六十四)へ
うた(九百六十六)へ