千八百八十八(うた) 路面電車の走る街は、人に優しい
壬寅(西洋野蛮歴2022)年
十一月二十九日(火)
先日、都電に乗り早稲田へ行った。平日の午後一時から二時なのに(行きと帰り)、立つ人が少し出るくらい混む。それを見て、小生は今までの考へを変へた。
今までは、都電が東池袋四丁目、早稲田(地下鉄の早稲田とは別の位置)と中途半端な場所を走るので、東池袋四丁目から池袋駅前までと、早稲田から江戸川橋までを、延長すべきと云ふものだった。
大塚方面から西南へ向かふ電車は、東池袋四丁目から池袋行きと、早稲田方面に分れる。早稲田方面は江戸川橋まで延長する。どちらもかつては都電のあった区間だ。
考へが変はった理由は、平日の午後一時から二時なのに乗客が多い。都電は、地域内で完結する交通機関だと気付いた。沿線の人たちが、沿線内に行く。これで完結するのが一番住みやすい。沿線の人たちが、池袋や江戸川橋で乗り換へると、移動に時間が掛かるし、乗り換へが大変だ。
大塚と王子は、乗り換へてもどこか楽だ。どこが楽なのかと考へると、それほど混まない。
大塚と王子は庶民の街にしてその根源は路面電車か
十一月三十日(水)
このことを思ひついたのは、新京成だ。新京成は通勤通学時を除いて、沿線内で完結する。元々は鉄道連隊の演習線だったから、左右に曲がり遠回りする。遠くまで乗る人は少なく、そして黒字だ。
その反対に駄目なのが、新幹線だ。新幹線自体は黒字でも、元からあった在来線を切り捨てる。在来線は、沿線自治体の補助がないと運営できない。それより大きな問題は、新幹線ができると沿線が寂れる。東京や大阪などへ行ってしまふからだ。
十二月一日(木)
欧米は路面電車が復活した。ライトレールと呼ばれる。日本でも、富山に続いて宇都宮にライトレールがまもなく走る。
路面電車のある街は、道路が人間のためにある。路面電車のない街は、道路が車のためにある。最後に、路面電車とライトレールの違ひを説明すると、路面電車は昭和四十年代に廃止された。ライトレールは、近年になって新たに作られた。つまり出来てしまへば同じだ。
廃止の波を乗り超えた路線は、それだけでライトレールだ。都電は、桜トラムなんて変な名称をやめて、桜ライトレールと名乗らう。あ、余計に変だ。
飛鳥山上への自走モノレール桜トラムと勘違ひした(終)
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