千八百八十六(うた) 仙台、秋田、青森の運転所(区)
壬寅(西洋野蛮歴2022)年
十一月二十七日(日)
東北新幹線が昭和五十七(1982)年に開通するまで、東北本線は昼夜を問はず特急、急行が多数走った。これらが配置された仙台、秋田、青森の運転所(区)について、当時の記事を紹介したい。
東北の 七夕祭り仙台と 竿灯まつり秋田市と ねぶた祭りの青森市 電化によりて三車両基地

(反歌) 駅からは離れた場所の車両基地構内作業今にて分かる
まづは仙台運転所。「電気鉄道」誌昭和四十一(1966)年十二月号によると
仙台以北2,3キロの地点に客操を新設することになり、また仙台駅改良にともない、今までの仙台機関区、仙台客車区を統合して運転所形式で設置することになった。まず、昭和35年5月から用地買収に着手した。

ここで注目するのは「客操」の語である。操車場は駅と同格の停車場名なので、客車操車場は客操と呼ばれた。
電車交検庫(108m)、検修庫(63m)、到着線(1本)、パンタ点検台(1本)の設備に着手した。

当時から、電車の交番検査は編成で、客車は一両ごとに行った。
昭和40年の盛岡電化を目指し第二期工事に入った。

機関車と気動車の部分は誘導掛、それ以外は南部運転と北部運転の客操形式。もう一つ、検修庫はECが編成のまま入れるが、ELとPCは短いし南北に抜けられない。
仙台駅との出入は小運転方式を採用し現在1日仙台駅と客操間97本の列車が運転されている。

残工事として
(1)小運転線の新設(仙台~客操間2.3キロ)
(中略)
(3)交検庫を12両編成のまま交検できるよう(中略)252mとする。


十一月二十八日(月)
次は「車両と電気」誌昭和四十八(1973)年九月の秋田運転区だ。
秋田客貨車区が貨車区と分離して生まれた秋田客車区が、秋田機関区気動車検修と合併し

昭和46年に誕生した。
操車場・機関区・貨車区は奥羽本線を北に下つた場所に移り、駅には機関支区が残った。新設の当運転区は奥羽本線を駅から約2Km南へ上つた所に置かれた。当区には動力車乗務員、構内作業員が所属していないことや設備的にも駅留置線群と共存する建前であるため(以下略)

とある。
表によると、構内作業は
秋田機関区 入換機乗務員
秋田機関支区 庫内運転士
秋田駅 信号掛、操車掛等

PCは一般車196両、12系19両、14系25両、20系10両の合計250両と事業用4両。DCは一般形22両、急行型46両。
区長、主席助役の下に、事務助役、用品助役、労務助役、計画助役、検修総括助役、運用総括助役がゐる。
計画助役は、企画・構内作業、旅客車清掃などが範囲なので、つまり構内作業は計画助役の作業計画に従って、秋田駅の信号掛、操車掛、構内掛(掛は係の時代より前なので連結手か)が従事した。運転区所は誘導掛しかゐないのに、構内作業をどうするかの謎が解けた。
客車であっても一般客車と12系・14系・20系とでは条件が異なつてくる。また最近の冷房設備の拡充に伴ない冷房用ジャンパー線の取り扱いやPC・DC(EC)の優等車が持つ車端ダンパ、高圧ジャンパ線の扱い、それと旅客車の予冷・予熱など作業上の条件が多くなつてきている。(中略)将来配置車両がふえた時、客車であっても編成単位ないしはユニット化した車両運用をとることを考えている。

編成単位ないしはユニット化は、国鉄が民営化された後も一つを除き出来なかった。12系、14系、24系でもできなかった。かつて客車は交番検査の実施日と実施区所名の紙を挿したが、それを見ると一列車だけユニット化されたものを見たことがある。百近く見たうちの一つである。カシオペアが登場する前である。

十一月二十九日(火)
次は「車両と電気」誌92年10月号でJR東になった後だ。科長がなくなり、所長、主席助役の下に、検修総括がゐて、その下に検修助役、当直助役、構内助役。
検修助役と当直助役の下に、改造担当、電車担当、客車担当。構内助役の下に入換担当。当直助役と構内助役の下に構内運転士。
構内は検修と同じで、助役、車両技術主任、車両技術係、車両係。
配置は、ECが583系、485系が221両と、事業用2両。PCが12系、14系、20系、24系、50系の223両と事業用27両。
民営化されて、社内情報の公開が少なくなった。入換を検修と同じ職種の車両技術主任、車両技術係、車両係が行へるのは、自動化が進んだためだらう。

これでは情報不足なので、「車両と電気」誌67年4月号の「青森客車区」記事も紹介したい。青森客車区を紹介の後、後半で
旅客車の逐年増に伴い、青森操車場構内は狭隘となり、現在の青操構内では、検修設備を拡張する余地がないため、津軽線沿いに青森駅起点2K800m附近(西滝地区)に近代化された旅客車(EC,DC,PC)の綜合車両基地が(中略)昭和45年度完成の予定で(以下略)

写真には「新操車場全景」とある。総合事務室、職場(検修庫)、信号扱所、南部運転、北部運転の建物がある。秋田運転区と同じなら、信号扱所、南部運転、北部運転は青操または青森駅の担当だ。おそらく青森駅だらう。
運転所運転区には二種がある駅の構内区所の構内
昔から疑問は区所の構内で入換誰がやっと解決
(終)

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