千六百ニ(歌) NHKと大河ドラマを批判
辛丑(2021)
七月三日(土)
午前中は関東東海地方が大雨で、熱海市では土石流が発生した。そのため午後一時過ぎからの大河ドラマは放送せず、ニュースを続けた。緊急時だからそれは構はないのだが、アナウンサーが同じことを繰り返すだけで、まったくの無駄だった。
これはNHK上層部の判断ミスだ。事件が起きたからニュースを続けるのではなく、今後新しい情報が入るのかどうかで判断しなくてはいけない。
ニュースの延長は何分なのかをいつまで経っても明らかにしない。本来は5分なり10分なり延長して、大河ドラマを放送し、あとの番組も5分なり10分なり繰り下げれるべきだ。しかしNHKのやうな役所的な組織は、一つを犠牲にして、あとの番組に影響がでない方法を選びがちだ。そのほうが楽だから。
大河ドラマ再放送の後は十三時五十分から「土曜スタジオパーク『大相撲どすこい研』特集」。こちらを5分なり10分削ることは難しくないと思ふのだが。
結局、大河ドラマがどうなるかは20分過ぎても判らなかった。地デジの番組表を見ると、ニュースに変はってゐたので、テレビを切った。番組内では最後まで、大河ドラマを中止したのかどうか明らかにしなかった。
そればかりか、そのあとNHKのホームページを見ると、番組表や大河ドラマ再放送の放送時間は13時5分のままだ。
Yahooのテレビ番組表も13時5分のままだが、YahooはNHKとは無関係だから仕方がない。ただしNHKは番組表を載せる各サイトに連絡すべきだ。
役所的 NHKは 無駄組織 希望者のみが 見ればよい 希望者だけが 払ふ仕組みを


七月四日(日)
大河ドラマ再放送は、日曜13時50分に放送された。たまたま私は見ることができたが、この時間に用事がある人も大勢ゐることだらう。
しかし今回は見る価値が無かった。筋書きが出鱈目だ。まづ篤太夫が慶喜に将軍辞退を直言しようとし、上役たちが阻止しようとするが、いざ直言の段になって上役たちはゐなくなる。
もう一つ、捕縛に向かふとき新選組が護衛に付くと云ふのにそれを断り、しかし斬り合いになりそこへ新選組が出てくる。それなのに篤太夫は、新選組に感謝するでもなく、説得せず捕縛させた上役を批判する。あの場合、新選組の判断が正しい。
それにしても「徳川家康です」はひどい。一層のこと「徳川家康です。受信料を強制で集金するため、私と四人の黒衣が無駄に出演してゐます」と発言したらどうか。

七月八日(木)
第一回目からの筋書きで、よくないと思ったことが、先週の二つ以外にも、二つある。一つは千代との結婚に喜作が待ったを掛け、剣術で勝負する話だ。このときは馬鹿馬鹿しいので見なかった。
二つ目は、長七郎が狐の嫁入りで錯乱して人を斬る話だ。そもそも狐の嫁入りとは、二つの意味がある。暗闇に弱い光が連なるのを狐の嫁入りに見立てたものと、日が当たるのに雨の降ることだ。テレビで放送したみたいに、嫁入り行列が狐の麺を被ったら不気味だ。その不気味さにテレビの前の人たちは騙されてしまふが、狐の嫁入りを誤って解釈した。
或いは地方によって、本当に狐の面を被る風習があるとしよう。長七郎は地元なのだから、それを知らない筈はない。どう解釈しても、筋の通らない話だった。
私がこの筋書きを一番嫌ふ理由は、罪のない人たちを長七郎が斬ったことだ。NHKは攘夷の志士を狂人に描き過ぎる。
偏向といへば、小栗忠順を悪人に描き過ぎる。この点は、今後に注目したい。

七月十日(土)
今朝から九州南部が豪雨で、大河ドラマ再放送は10分遅れた。今回は遅れる時間を表示し、しかもアナウンサーが同じことを繰り返すこともなかった。それだけ先週の予定変更はひどかった。
大河ドラマも、悪くは無かった。小栗忠順を大幅修正したため、今までとの整合が取れない。どうせテレビの前の人たちはごまかせるだらうと考へたのなら、NHKの傲慢だ。
「徳川家康です」も、黒衣が顔を見せないので良かったが、前回目立ち過ぎたことをこれでごまかせると考へたのなら、NHKの傲慢だ。
長七郎は、これまでの流れでは人を斬った。なぜ篤太夫らが長七郎に肩入れするのか判らない。長七郎の人斬りは幻想だったとでもするのだらうか。

七月十七日(土)
シーボルトの子が通訳として日本使節団に同行し、しかしイギリスのスパイだった。ここまでは問題ないが、なぜシーボルトと話す日本人が英語なのか。シーボルトの母国語はドイツ語だし、当時の日本はオランダ語を西洋との交渉に用ゐたのではないのか。
薩摩の五代が、あとは大久保と西郷の思ふやうにやれ、と大久保に云ふが、五代が大久保に向かってそんなことを云ふか。さう云ふ言ひ方をできるのは藩主、国父、家老だけだ。五代が英語を話すのも変だ。幕末にイギリスの捕虜になったこともあるが、長崎の海軍伝習所で学んだからオランダ語ではないのか。
今回は時代考証がでたらめだし、西洋の珍しい技術に驚く使節団を載せればテレビを観る人は退屈しないだらう、と云ふ駄目な筋書きだった。

七月二十二日(木)
オリンピックで、祝日が本日と明日に移動した。明日の夜は開会式だ。それなのに、本日の十三時五分から、「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の総集編を、四回に分けて合計四時間四十分くらい放送した。
オリンピックで祝日になったものの、本日の昼は女子ソフトボール予選くらいしか日本の出場はない。しかも日本テレビが放送する。だからこんな評判の悪かった大河ドラマを再放送したのだらう。
昭和三十九年前回の東京オリンピック辺りまでは、汲み取り便所の肥やしは農家が引き取った。
味噌と糞 いっしょの譬へ 諺に 昔から云ふ だがしかし 味噌屋が糞を 売ってはならぬ

(反歌) 味噌屋とは オリンピックの 開催だ 糞とは駄目な 大河ドラマだ

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七月二十四日(土)
「青天を衝け」は、西郷隆盛を悪人に描く。長州は出て来ない。国民的人気の西郷を悪く描くことで、長州の維新前後の罪悪を目立たないやう「忖度」したのではないか。
いくら忖度しても、幕末程度の悪人(幕府が大政奉還したのに戦乱を起こしたことや、会津への私憤で奥羽越戦争を起こしたなど)は日本史上にたくさんゐる。しかし日本を敗戦させた悪人は、神話時代も含めて二千年前後から二千数百年までの極めて長い年月で、最悪の東條英機、二番目が岸信介など、僅かだ。(終)

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