四百二十六、教育再生会議は売国奴だ


平成25年
五月三十一日(金)「英語で借金返済を狙ふアメリカ」
教育再生会議といふ無能な組織が、また売国文書を発表した。小学生に英語といふ部分である。教育再生会議の発表文書は各委員の主張を無理やり詰め込んだ総論列挙である。それだけなら我慢もできるが巧妙に売国政策を潜り込ませた。
教育再生は私が現時点で考へたところ、畳の教室、学年を超へた授業(高学年が低学年の面倒を見る)、教員は民間人を循環させ教師をやらせる、の三つしか思ひ浮かばない。一つにまとめれば西洋式学校の猿真似からの脱却である。ところが教育再生はつまらぬ枝葉の議論しかしない。
アメリカが日本に英語の圧力をかける理由は過去の経常赤字の返済である。日本には英語を押し付けて国内をめちやくちやにして過去の黒字分を吐き出させよう。そこまで考へるアメリカ人は少ないが、英語を押し付けてアメリカ企業の進出を有利にしよう。かう考へてゐるはずだ。

六月七日(金)「英語は読み書きが基本だ」
日本人が英語を苦手なのは日本語と英語は発音がまつたく異なるからだ。同じ印欧語族でもラテン系は母音の比率が高いからまだ日本語に近い。ゲルマン語は地理上も言語上も最も懸け離れた言語である。
日本語と中国語は感じといふ共通点がある。しかし発音はまつたく異なる。だから昔の日本人は漢字は取り入れてもアクセントや複母音は取り入れなかつた。英語についても幕末以降の日本人は読み書きは取り入れても発音、特に聞き取りは取り入れなかつた。厖大な時間を無駄にするためである。
ところが教育再生会議といふ無能な連中は、何か聞き取りをよくする画期的な方法を見つけたならともかく小学生に英語、つまり時間を掛けようとするだけだ。時間を掛ければ猿でも英語を理解する(本当?)。時間を掛けずに習得する方法を見つけるか習得しなくて済む方法を選ぶ。どちらかしかない。だから英語は読み書きに特化することと英語と日本語の発音を相互変換する機械を開発すべきだ。

六月十一日(火)「猿真似、欺瞞、偏向」
以上は新聞で報道された内容に基づくので念のため怪しげな会議の発表文書を読んだ。日本語のできる外国人は日本の国益だが、英語のできる外国人を育成しても何の役にも立たないし、日本語のできない教員を雇つても意味がない。十数年前の小渕私的懇談会の繰り返しで根本が違つてゐる。反論する価値さへない駄文章である。だから國賣り新聞批判記へのリンクだけに留めた。
強いて云へば、教育ユニットジョイント・ディグリーといふ醜い言葉で明らかなように欧米の猿真似であり、日本人教員の語学力、特に英語と云つておきながら実態は英語による授業比率を上げる、外国人教員の生活環境の整備・支援(英語による医療云々と云ふように「特に」ではなく「すべて」だから欺瞞であり、英語力の優秀な学生には更なる語学の習得も重要であ り、例えば、東アジアにおけるグローバル化への対応として、実践的中国語等の 習得を目指すとあるように英語の優秀な学生にしか他の外国語を学ばせないから偏向である。こんな駄文書を公開して恥ずかしくないのか。

六月十五日(土)「太つた人をマラソン選手にしてはいけない」
日本人がこれだけ英語をやつても苦手な理由は、日本語と英語は発音が違ふから聞き取りができない。聞き取りができないから自身の発声もできないし、聞き取つた英語の意味を瞬時に理解する練習に移行できない。これらをできるやうにするには膨大な時間がかかる。それでは読み書きの時間を削ることになる。或いは他の教科を削ることになる。
それよりは聞き取りをしなくて済む方法を選択すべきだ。英語は読み書きに特化するのが一つの方法である。機械に聞き取らせてディスプレイに表示させる。さういふ機械を開発すべきだ。
教育再生会議のやらうとすることは太つた人をマラソン選手にするやうなものだ。太つた人は相撲や柔道の選手にすべきだ。同じやうに日本人の苦手なことに時間を掛けてはいけない。英語の聞き取りは時間さへあれば誰でもできる。しかし時間を無駄にしてはいけない。光陰矢の如しである。
教育再生会議は分業といふことが判らないらしい。英語は時間さへ掛ければ誰でも聞き取れるやうになる。しかし一万語にも及ぶ単語や連語の暗記、長文の読解、短文を瞬時に理解する能力などは人により差がある。英語は得意な人にやらせる。その人が偉い訳ではない。旋盤工とバスの運転手とどちらが優秀かを決めるやうなものだ。

六月二十二日(土)「世界が英語の使用を少なくするやう誘導すべきだ」
日本語と英語は最も離れた言語である。同じ印欧語族でもラテン系のほうがまだ母音の比率が高いだけ日本人には聞き取りやすい。だから日本人は世界で英語の使用を低下させるやう努力すべきだ。
まづラテン語を復活させる方法もある。エスペラント語の使用を図る方法もある。漢文を東アジアの共通分にする方法もある。漢文は現代中国語ではない。だから中国、朝鮮半島、日本、ベトナムの四ヶ国にとり公平である。発音は四声のない日本や朝鮮半島には不利だから取り入れない。
自動翻訳或いは自動聞き取り機の開発も重要である。日本語を外国人が勉強しやすいやう振り仮名を付けたり、漢字読み取り機の開発も重要である。

日本人は聞き取りに専ら力を入れるから売国会議の連中が見逃してゐるが、英語で一番大変なことは単語や連語が際限なくあることだ。英語で或る程度外国人と意思疎通できるやうになつたとしよう。英語を母国語とする人から見ればそれが小学生程度の学力である。それから中学、高校、大学、社会人と延ばすには大変な暗記が必要である。英語は憶へる一方でどんどん忘れて行く。私もしばらく使はない単語を辞書で調べて、何でこんな簡単な単語を忘れたのかと驚いたことがある。英語は下りのエスカレータである。使はないとどんどん忘れる。だから機械にやらせるべきだ。(完)


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