三百九十八、若い事務社員のご主人の葬儀


平成25年
四月十六日(火)「二つの葬儀」
今日は大変な一日になつた。昨日は午前出張午後半休だつた。午後半休は労組の裁判で東京地裁に行つたのだが、そのため四日振りに出社すると若い事務の女性のご主人が急死し昨日がお通夜、今日が告別式である。一年少し前に私の従兄弟も亡くなつた。そのときは午前半休を取り告別式に行つた。しかし火葬場まで行つたほうがよく会社に電話をした。午後も休んだほうがよいと言つてくれたのか今回の事務員だつた。私の従兄弟はビール会社の営業だつたが、事務員のご主人も別のビール会社の清涼飲料水の営業なので他人事とは思へなかつた。
先月私は子供の卒業式で休暇を取つた。翌日この女性から卒業式の様子を聞かれたので話したあと、この女性が私には子供がゐないのでといふので子供がそのうち生まれて卒業式に参列するようになるよと話した矢先の出来事であつた。

四月十七日(水)「ビール会社社員の葬儀」
従兄弟のときは祭壇の周りにビール瓶の入つたケースが高く積まれ、口の周りを水で湿すときも葬儀社の指示でビールで行なひビール一色だつた。今回はそのようなことはなく、祭壇のお花に清涼飲料水関係の名前が並び、多数の会社関係者が参列した。
労働組合のお花と弔電もあつた。ユニオンシヨツプで全員加入、どこの組合でも規約で本人逝去のときは御花と弔電など決められてゐるからだが、労働組合は表には出ないで会社のお花は並ばない、つまり労組は香典など裏方のほうがよいと思ふ。労組名を聞いて「食品労連。中立労連だな」と瞬時に思つた。中立労連も総評とともに解散したが、今でも当時の組織分布が思ひ浮かぶ。組織が一つになつては駄目である。労働四団体のときがよかつた。
告別式終了の後、堀の内斎場に向ふ霊柩車を見送つた。従兄弟のときは斎場は三多摩だつたがお墓は堀の内のすぐ近くである。だから一周忌のときは堀の内斎場、チヤンドラボースのお寺などを見て回つた。堀の内斎場は開館はしてゐるのに中は人が少なくそのときは気が付かなかつたが、家に帰りインターネツトで調べると休館日であつた。友引の日は休館にするのかもしれない。

四月十八日(木)「好青年の死」
ご主人には今まで会つたことがない。祭壇の遺影が初対面である。好青年である。清涼飲料水の営業といふ感じの爽やかさがある。三十代で亡くなるには惜しいと私も悲しみがこみ上げて来た。
開式前の葬儀社のナレーションで結婚して五年目といはれ記憶が蘇つた。てつきり結婚2年目くらいだらうと思つてゐたが、前社長が一時会長に退き当時の社長が披露宴に出席した写真を見たことがある。元社長は退職のときの送別会で私にもにこにこ挨拶してくれて、この人は悪い人ではないと思つたことを思ひ出した。

四月十九日(金)「気立ての良し悪し」
三年ほど前だらうか或る男子社員が、女子社員のAさんのことを「性格が悪い、Bさんを見習つてほしい」と文句を言つてゐた。当たつてゐない訳ではないので私も苦笑するばかりだつた。Bさんといふのが今回の女子社員である。気立ての良さでは社内でも一番か二番である。私のホームページにも一回登場した元幼稚園教師である。気立ての良い人に不幸があるとは世の中うまく行かないこともある。(完)


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