三百九十、映画「草の乱」を鑑賞


平成25年
うつかり内容を消してしまつたため、内容を記憶によつて復元すると、
労組の読書会でDVD「草の乱」を鑑賞した。文部科学省選定、文化庁藝術支援対象である。
田代栄助は林隆三で、NHK大河ドラマ「獅子の時代」の志村喬とは人間像が正反対だが見るうちに慣れた。といふより「草の乱」も田代栄助の描写を博徒からまとめ役に徐々に変更した。
見終はつた後に秩父を占拠した後の計画がなかつたことが敗因といふ意見が出され、私もそのときは賛成だつた。同じ例として2.26事変でも首相官邸を占拠したあと止まつたから周りを囲まれ敗北した。この感想は「草の乱」で、警察高官が、秩父から外に出すな、と強く命令したことが影響してゐる。
見終はつて時間が経過すると、鎮台兵には歯が立たないからそのことが判つた時点で、困民党を解散し、自宅に帰り知らぬ顔の判兵衛を決め込む組と山にゲリラ組に別れ、双方連絡を取りながら役所や高利貸しの襲撃を繰り返し若いに持ち込む。これがよいのではないか。
一揆は幕府も認めざるを得なかつた抗議行動である。これを今の日本でも活用し、職安占拠や役所での抗議を繰り返すのがよい。その後の方法は役所の対応や世間の反応を見て対応すべきだ。ここが重用である。労組は一旦決めると何十年も同じことを繰り返すから最後は敗北する。

浪曲と講談は、秩父事件を題材に多数の話を作るべきだ。文部科学省選定でもあるし。冗談はともかく秩父事件は総理が田代栄助、副総理が加藤織平、参謀長が菊池貫平など登場人物が豊富である。そして自由党、決起、佐久への進軍、北海道へ逃走など話題も豊富である。
かつて浪曲と講談は清水次郎長や国定忠治だつたが、今は暴力団を美化するものとして人気がない。暴力団と昔の博徒は違ふといふ方法もあるが、それより秩父事件を扱ふべきだ。秩父事件こそ現代の忠臣蔵である。 (完)


先月の読書会へ

「浪曲、その十三」へ 「浪曲、その十五」へ

メニューへ戻る 前へ 次へ