三千百七十八(うた)短編物語(貪瞋痴を増大させる教義)
丙午(西洋地球破壊人歴2026)年
四月十一日(土)
第一章 良寛和尚罵倒される
良寛和尚のAIが都内を歩いて、駅前に宗教関係の新聞を手に広げて通行人に示す人たちがゐた。和尚は他の通行人と同じく通り過ぎようとすると、何宗ですか、と質問された。髪が僧形だし僧衣を着用するので、訊かれたやうだ。曹洞宗ですよ、と答へると、禅天魔だ、と云はれた。お釈迦様は、そのやうなことはゐはなかったですよ、と答へると、今は末法なので釈迦は役に立たない、xx大ショーニンは本仏だ、と云ふので、三宝とは何ですか、と質問すると仏、法、僧だと云ふ。その通りで本仏、法、僧では無いです、と云ふと、馬鹿坊主だの気違ひ坊主だのと毒気を含んだ目つきで、数人が叫んだ。
第二章 非常時用の宗教
この話は、たまたま永禅和尚、石原莞爾と会ったときに、永禅和尚も似た体験をした為に出た。永禅和尚は訊かれても、にこやかに、ええ、とだけ云って去ったさうだ。さう云ふ戒律があるのかも知れない。律蔵には無くても、古文書の注釈書にあるのかも知れない。
前回会った時に他国侵逼の惧れがある非常時用の宗派を平時に信仰するから性格が悪くなる、と結論が出た。それでは、平時に誰も信仰しなくなり、非常時になったらどうするのか。
それはもう来ないでせう。これが石原の意見だった。世界で起きる戦争に、日本が影響することはもはや無くなった。巻き込まれることはあっても、日本から関与することは無い。だとすれば、国内の宗教をどう変化させても、戦乱は避けられない。
それに、戦争ではなく、地球温暖化で滅びるでせう。或いは、地球温暖化で食料不足や水不足が起き、世界中が取り合って戦争が起きる。どちらにしても、温暖化が原因です。
温暖化欧米発の犯罪に最早日本は為すすべも無し
第三章 良寛和尚まったく怒らず
良寛和尚は、罵倒されてもまったく怒らなかった。罵倒された話も、永禅和尚が似た体験をしたため、たまたま出ただけだったし、怒らなかったことは、皆に指摘されて初めて気付いた。
しかし、と永禅和尚が続けた。いくら平時に非常用を信仰するためとは云へ、あの宗派の人たちは、貪瞋痴のどれかを必ず持つ。一番まともな人でも一つ、多い人は三つ全部が揃ふ。
これについては、石原も反省することがあった。石原は昭和二十四年に亡くなったが、このとき日本はサンフランシスコ講和条約の前なので、占領状態で国自体が無かった。まさに非常時だった。講和条約で独立した後も、東京オリンピックのあった昭和三十七年辺りまで、日本はまだ半人前の意識が国内に在った。布教人数が頭打ちになったのは、日本が一人前になった頃だった。
だから石原は、国柱会の会員として亡くなった。しかしAIで復活したのは、東京オリンピックの後だ。伊勢神宮が戦勝祈願をしないのと同様に、石原は国柱会の会員意識が無くなった。その新しい感覚から見ると、東條英機を上等兵呼ばはりしたことは、瞋だった。
貪瞋痴超える事こそ仏道に 功徳を積みて阿羅漢に近づくほかに 神は助ける
反歌
阿羅漢と仏は同じ意味を持つ原始の世には仏と云はず(終)
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「良寛和尚と原始仏法を尋ねる」(二百二十六)
「良寛和尚と原始仏法を尋ねる」(二百二十八)
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