二千六百七十八(普通のうた、朗詠のうた)地元の話題(見沼代用水送水開始、個人商店、鳥の声)
乙巳(西洋発狂人歴2025)年
三月二十日(木)
見沼代用水西縁辻用水を、買ひ物の途中で見たら、水が流れてゐる。いよいよ田植ゑへ向けて準備が始まった。正しく云へば、田植ゑへ向けての準備の準備の準備かな。

三月二十一日(金)
文化センターの通りに面した家電店が閉店したらしく、入居店募集の貼り紙があった。末期の頃は、家電店といふより電気工事店だったと記憶する。この通りにもう一店あるが、元は奥まったところにあり火事のあと、現在地に栄転した。リフォーム店になって久しい。
個人店受難の時代急激な円高によるプラザ合意で

経済的に云ふと、賃金が上昇したため、個人商店より勤めに出るほうがよくなった。昔は、個人商店のほうが遥かによかった。仕事で使ふ4ナンバーのほかに、自家用車も持つのが普通だった。

三月二十三日(日)
本日も買ひ物の途中で見たら、水が止まった。先日は、試験通水だったらしい。
西縁の下の流れは稲が無く大雨のとき浸さぬ為に


三月二十五日(火)
昨日の午前中は、多数の鳥が鳴く声がした。二年か三年前にムクドリが巣を作り雛が旅立った。その次の年は、巣を作らなかった。毎年同じ場所に巣を作ると読んだので、あの親鳥は死んだのか、と残念に思った。
今朝も、多数の鳥が鳴く。朝は餌を探す時間なのか。或いはこれから巣を作るのか。
鳥が鳴くあづま都の北(きた)辺(べ)にも野の生き物が少し嬉しき

その後、妻も窓を開けて外を見て、鳥が喧嘩をしてゐる、縄張り争ひか、と云った。それで思ひ出したが、佐渡ヶ島の朱鷺は群れで生活するのに、繁殖のときは静かな巣を好み、他のつがひが来ると追い払ふさうだ。それでも無理に巣を作ることがあり、すると途中で養育を放棄することがある。ムクドリも同じなのかと思った。
もう一つ一昨年も、どたばたと大騒ぎが一回あった。てっきりカラスに襲はれたのかと思ったが、巣の縄張りかも知れない。尤も一昨年は、雛の鳴き声がし始めてからだったと思ふ。今年は巣を作ったかどうか不明だ。

三月三十日(日)
一昨日に、南高通りから国道十七号まで辻用水を歩いた。旧中山道から下流は水が流れるが、油が浮く。昔の資料に「浦和市大字辻旧国道に至る」とあるから、旧中山道までが元は見沼土地改良区の管轄で、その下流は地元だ。そのため下水が流入するのか、とときめいた。汚い水に喜ぶのは変だが。
本日国道十七号から辻用水を見ると、水はきれいだが流れない。念のために南高通りまで歩くと、きれいな水が流れる。再び国道十七号まで戻ると、目立たないが水の流れが見える。一昨日の下水流入は間違ひで、きれいな水が到達するまでの時間差と、下流は段差があり流れも狭くなるので目立つだけだった。
行田から南区辻と 吉宗の代から今へと 二つある長き流れの終ひ此処まで

反歌  田が消えて稲には水が来なくとも二つの長き流れは此処へ(終)

追記四月二日(水)
本日辻用水を見ると、水が前回より多い。南高校通りまで行くと、落差を或る程度の水が流れる。昔の田植え期を除く通年、つまり南浦和団地の浄化水が逆流してゐたときか、その半分くらい流れる。前回は流し初めで周りに吸収され、今回は安定したか。或いは雨続きで、水が増えたか。次回見たときに、結論は出るだらう。

(見沼代用水と地元の話題、九十八)へ

メニューへ戻る うた(一千二百二十七)へ うた(一千二百二十九)へ