二千六百三十六(うた)橋爪大三郎は中国共産党の戦略を理解できなかった
新春前甲辰(西洋発狂人歴2025)年
一月二十一日(火)
(前から)マネーポストのホームページに
「後継者がいない」中国共産党の不透明な先行き 習近平主席の狙いは当初から「毛沢東のほんとうの後継者」だった

が載った。
橋爪:習近平は後継者を選ばないまま3期目をスタートさせ、2027年からは4期目もあるかもしれない。(中略)ナンバーツーを置かないのはやっぱり、やってはいけない悪手なんですね。大きなトラブルが起こると、歴史が教えています。
習近平の独裁はある意味、毛沢東以上かもしれません。でもそのぶん、リスクも大きくなっていると思います。
峯村:非常に興味深いご指摘です。その習近平は、「毛沢東のほんとうの後継者」を狙っていると私はみています。

二人の対談が低級に留まる原因は、中国共産党の戦略を理解してゐないからだ。鄧小平が登場した時に、中国の経済と技術は、西洋に対して遅れてゐた。
ここで日本や中国は、西洋ではないから西洋化が遅れても、本来は何の心配も要らないはずだ。ところがコロンブスの大航海時代に始まり、第一次世界大戦を経て、第二次世界大戦終了後しばらくまでは、軍事力で世界を支配したし、今は経済力で支配する。だから鄧小平は、まづ経済と技術が、西洋に対抗できるところまで発展させる戦略を取った。
江沢民、胡錦涛と続き、そろそろ対抗できるところまで行った。そのことを理解しないと、次のやうにめちゃくちゃな解析になってしまふ。
鄧小平の一族と、習近平の一族は長年にわたり激しい闘争を繰り広げていたのです。(中略)だからこそ、習近平は鄧小平路線の否定に動くと私は確信していました。(以下略)
習近平の「自分は第二世代である」との発言は、「自分こそが毛沢東の正当な後継者である」という本音が隠されていた核心的な言葉だったのです。
橋爪:興味深い分析ですね。

もし習近平が、鄧小平一族を恨むのなら、中央委員から政治局、常務委員へと選任される筈が無い。
戦略を理解できずに私怨とし西洋かぶれ西尊東卑 対談二人


一月二十四日(金)
次は
中国・習近平主席が忌避する「ナンバーツーの呪い」とは何か? 中国歴代王朝から毛沢東時代まで繰り広げられた“血みどろ闘争”の歴史

に入り
橋爪:毛沢東は、ナンバーツーは危険だ、という意識をもっていたと思います。
中国の歴代王朝で、ナンバーワンは皇帝。ナンバーツーは皇太子。そして、皇帝と皇太子はよく闘争になるんです。

まづ毛沢東にナンバーツーが危険だとする意識は無かっただらう。あったならナンバーツーを置く筈がない。中国の歴代王朝で、皇帝と皇太子が闘争になった例もあらう。しかしならない事がほとんどだ。
日本でも、壬申の乱や、足利尊氏が弟を毒殺、豊臣秀吉が甥を処刑などある。しかし外国人が、この三例を持ち出して、日本は肉親どほしの争ひが多かった、と論じたら、日本人は大爆笑だ。橋爪は、それと同じことを言った。
毛沢東はこのことを熟知していた。だから大躍進を始めたあと、腹心の彭徳懐にナンバーワンの座をひきずり下ろされそうになると、すぐさま逆襲して、本気で彭徳懐を打倒したのです。
峯村:歴代王朝時代からあるトップとナンバーツーによる血みどろの闘争は、中国共産党になっても続いていたわけですね。

彭徳懐は、毛沢東と同郷で直言できる数少ない友人だった。だから彭徳懐は問題点を手紙で送ったところ、毛沢東が激怒し手紙を公表したあげく、彭徳懐を解任した。彭徳懐が、ナンバーワンの座をひきずり下ろさうとしたことはない。彭徳懐も、解任はされたが打倒された訳ではない。ましてや血みどろの闘争ではなかった。
文化大革命は、血みどろの部分もあったが、権力者は傲慢になる原理に従ったもので、日本でも安倍が黒川を検事総長にしようとして、大変な騒ぎになった。(終)

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