二百二十二(その三)民主党新自由主義派の本質は左翼崩れだ

平成二十四年
一月九日(月)「仙谷の発言」
仙谷がテレビで「大連立でしのいでいくことが重要ではないか」と述べた。筋違ひも甚だしい。仙谷は民主党の立場が判らないらしい。自民党の長期政権にうんざりした国民が民主党に投票した。それなのに自民党でさへやらなかつた不景気での増税といふとんでもないことに熱中する。
仙谷は元新左翼の活動家。社会党公認で衆議院議員になつた。それが今では前原派の前代表だから呆れる。なぜかうなつたかを考察しよう。
左翼は共同主義と唯物論を特徴とする。左翼崩れはこのうちの共同主義を捨てて唯物論は保つ。唯物論とは今では、文化の重要性を認めない思想と定義することができる。だから世の中は進歩すると短絡して考へ、それだけならまだしも西洋の猿真似に陥る。
仙谷は典型的な左翼崩れだが、前原派の重鎮であることで明らかなやうに、前原、野田、菅直人も左翼崩れである。左翼が実質的に無くなつた昭和六十年あたり以降に世に出た人や過去に左翼に属しなかつた人も新自由主義といふ左翼崩れに陥る。

一月十日(火)「連合は民主党新自由主義派の腹黒い工作に乗つてはいけない」
連合の新年交歓会で、連合の古賀会長が自民党副総裁に「そこにテーブルがあるから(席に)着いて」と語り、横にいた野田が「よろしくお願いいたします」と頭を下げる一幕があつたさうだ。毎日新聞のみが報道した。
他の新聞社は報道しないし、古賀氏も冗談を言つただけだらうが、資本主義の最大の欠陥は失業者が増へることだ。だから欧州の労組は失業者対策を強行に主張する。ところがアメリカの労組は欧州より劣化してゐるから失業対策を真剣に言はない。だから貧富の格差が大きく、一見失業率が低いやうに見へてもそれは格差の放置が原因の見せ掛け失業率である。
日本の連合がどちらに向くかは重要である。日本は移民国ではないからアメリカの真似をしては絶対にいけない。今後、民主党新自由主義派が連合を巻き込まうとするだらうから、連合と連合推薦議員はこれに乗つてはいけない。

一月十一日(水)「協議に参加するなら必ず撤回させよ」
社民党が与野党協議に参加するさうだ。参加するなら消費税を撤回させよ。或いは政府をまづ民間並みに経費削減を行い、その次に直間比率を変へずに全体を上げるやうさせよ。いづれにせよ現状の案は撤回させよ。できなかつたら党首を辞任すべきだ。

一月十二日(木)「マスコミの動きに注目」
インターネツトの速報Webのなかで、大手新聞社のものは偏向がひどい。ひどいと言つても、鳩山降ろしや小沢降ろしのときのやうに露骨なものは無くなり、中立を装ふ記事に少しづつ混ぜる。だから私は時事通信を主に見るやうにしてきた。
しかし年末に突然、反小沢の記事を載せた。翌日あたりに「社会保障と税の一体改革について  聞き手 小島慶子~政府広報」というPRが載つた(十二月二五日へ)。さすがに消費税PRは翌日には無くなつたがPRは今でも続く。本日は「 ニセモノ商品を買うことは犯罪の手助けです~絶対に買ってはダメ‐政府広報」である。
不景気なので、PR費は各社とも喉から手が出るほどほしい。現に十一月中旬に財務次官勝栄二郎から大手広告代理店にFAXが届いたさうだ。
週刊誌やタブロイド紙は大手マスコミとは別の立場で、反野田の記事がたくさん載つた。例へば寄生虫のだといふタイトルもあつた。しかし最近少なくなつた。新しいニユースがないこともあらう。しかし財務省のPR費を餌に裏工作も考へられる。国民はマスコミへの監視を強めやうではないか。

一月十三日(金)「自民党は国民政党に戻る好機だ」
自民党が以前消費税10%に言及したことを以つて与野党協議に参加すべきだといふ人がゐる。例へば戦後最低の支持率だつた森がその一人である。しかし自民党は不景気のときに増税しろとは言はなかつた。ここが国民のことをまつたく考へない民主党拝米新自由主義派との違ひである。また直間比率を変へるべきかだうかはまだまつたく議論してゐない。
これから内容を検討すべきことを、菅と野田は選挙公約に無いのにごり押しした。与野党協議に参加しないのは当然である。

一月十四日(土)「内閣改造」
野田が内閣改造を行ひ、岡田を副首相にした。野田は岡田を「ぶれない」と評した。ぶれないといふ奇妙で下品な言葉は、小泉内閣のときに法相を務めた杉浦が小泉を(1)感受性が豊かでよく泣く、(2)役人の答弁書を読まずに、自らの言葉で話す、(3)考えがぶれない〈4〉他人の悪口を話されると不快になる〈5〉私心がなく子分もいないと評したことに始まる。小泉の行つたことは新自由主義だつたと今では批判されるが、当時一回試す価値はあつた。しかしさしたる効果がなかつたのだから改めるべきなのに、跡を継いだ人たちが改めなかつた。だからそのことは問題はない。小泉の失策は二つある。
(1)死刑執行で嘘をついた杉浦を罷免しなかつた、(2)息子を後継にした。
このうち(1)は杉浦が法相就任時に「死刑執行のサインをしない」と発言し一時間後に撤回した。ところが撤回は嘘だつた。その後も署名しないため死刑執行命令書に署名しない法務大臣として最長記録となつた。小泉の特徴を五つ述べたのはその杉浦である。
これらのうち「ぶれない」以外はその後、マスコミは言はなくなつた。しかしぶれないといふのは悪いことだ。協議しても自説に固執する。それでは協議の意味がない。

野田の悪いところは、(3)TPPと消費税にだけ固執し、それ以外の四項目には反してゐる。
(1)感受性がにぶいから国民の生活が判らず、直間比率の変更といふ腹黒いことをたくらむ。(2)財務省の答弁書どおりに話す。(4)マスコミの鳩山小沢つぶしの悪口に乗つた菅直人路線を引き継ぐ。(5)私心がありすぎて上昇志向が異常に強くガスの集金アルバイトから首相に昇り、代表選の論功行賞で野田派子分の蓮舫を大臣にした。
その蓮舫は脱税事件や覚せい剤で逮捕歴がある男性との「不適切な交際」が昨年十一月に週刊誌で報道された。国会でも問題になつた。なぜかそのときは大手新聞は報道しなかつた。鳩山小沢つぶしで大騒ぎしたときとは大違ひである。大手新聞の偏向がここでも明らかになつた。

一月十五日(日)「通り抜け無用で通り抜けが知れ」
「通り抜け無用で通り抜けが知れ」といふ川柳がある。路地の入り口に「通り抜け無用」と書いてあるので近道が判つてしまつたといふ意味である。
昨年の蓮舫の週刊誌の記事はまつたく知らなかつた。国民が週刊誌の記事を知るのは新聞広告か鉄道の吊り広告だ。蓮舫の記事は広告を妨害する工作があつたのかも知れない。同じ時期に大量に別の広告を申し込むなどの方法で。
国会でも追求され、蓮舫が交際を認める答弁をしたことも新聞は一切報道しなかつた。
だからほとんどの国民は知らなかつた。野田がトカゲの尻尾切りみたいに蓮舫を切るから明るみに出た。

一月十六日(月)「野田を一刻も早く引き摺り下ろさないと日本と国民が危ない」
野田が民主党大会で「これら(消費税増税)の政策をやりきることなくして日本と国民の将来はないと確信をしています」「出直しをして解散しろという野党に対しては、やるべきことはやって、やり抜いて民意を問うことを、はっきり宣言をしたいと思う」と暴走した。これでは民主党は解党か消滅しかない。
民主党は速やかに野田を解任か除名にすべきだ。国会は速やかに野田を不信任、問責、議員除名にすべきだ。このままでは日本と国民が危ない。


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