二千百三十三(うた)NHKプラス(NHK短歌その二、岡山機関区、英語、細田信雄、青海チベット鉄道、復活から15年トキ、怪物ヒグマ)
壬寅(西洋野蛮歴2023)年
十月二十二日(日)午前
前回のNHK短歌が悪くは無かったが、今朝は副題が悪いので見逃さうかと思った。しかし念のために観ると、ゲストの為末大(ためすえ だい)さんは元陸上選手で、話を少し聞いただけで、この人の云ふことなら観る価値があると感じた。
この感想は正しく、為末さんは解説者、タレント、指導者、二つの企業の代表取締役の顔を持つ。型にはめられることが好きではなく、陸上が得意と云ふ話があった。
今週の題は『グッとくる瞬間「逆転」』で、選者のものは破調どころか短詩だ。こんなものをテレビで発表し長々と解説や体験を云ってはいけない。選歌自体は、ほとんど悪くは無かった、短詩とあまりにくだけた表現のもの二つを除いて。
為末さんの作品は
追い込まれ守る自分にきがついて捨ててしまえばいまこれからだ

「いまこれからだ」は「体」と掛け、ここを最初に考へて詠んだことを披露された。見事である。この歌を書き写すときに、一部間に合はなかった。良い方法がないか探すと、NHKプラスがある。ずいぶん前に一回使っただけで、忘れてゐた。早速観て、永末さんの上の歌を書き留めることができた。

---------------ここから路面電車、客車、その周辺、十七-----------------------
NHKプラスで配信中の一覧を見たが、特に見たいものはない。とは云へ岡山放送局の作った岡山機関区を、最初から最後まで観た。JR貨物では、元の客貨車区を統合して機関区と称するから、旧客貨車区が映るかと期待した。
期待は外れたが、EF64で山陰と結ぶ話と、貨物に衝撃を与へないためブレーキを控へめにする話と、水島臨海鉄道を含めて軽自動車をコンテナに積みこむ話を、楽しく観ることができた。行き先が新潟貨物ターミナル駅で、初めて聞く駅名だ。昔の沼垂か上沼垂か新潟港かと思ったが、後で調べると新潟操車場跡に新設し、沼垂の駅の貨物扱ひを移した駅とわかった。
岡山と新潟結ぶ貨物には かつて良寛玉島へ修行へ行くの史跡と同じ

反歌  敦賀へと新幹線が伸びたあと貨物列車は変化をするか
変化は無いと思ふ。
路面電車、客車、その周辺、十六へ 兼、(路面電車、客車、その周辺、十八)へ
---------------ここまで路面電車、客車、その周辺、十七-----------------------

英語は、聴きたい訳ではなく、どの程度なのかを知りたいだけなので、少し観ただけだった。その次の織田信雄も少し観て終りにした。歴史から消えた人を大きな働きをしたと騒いでも信じがたいし、出演者がふざけ半分だ。

青海チベット鉄道は、標高が高いための設備に興味があったが、風景と列車の遠景や近景だけで、解説は一切無かった。途中早送りや飛ばしたとは云へ、最後まで観た。

復活から十五年目のトキは、興味深く観ることができた。最初は放鳥数が少なく単独だったが、後に群れになった話に、なるほどと思った。と云ふのは、最初は本州まで移動した個体もあったし、天敵にやられる個体もあったからだ。
巣を作る時期は、群れを作らず他のトキが来ると追ひ出す話、独身のメスが巣で温めるオスに言ひ寄って来る話、最後は三つの巣が出来たが、近くに他の巣があると互いに育てることを放棄し、今年は雛が例年の三分一に留まった話、雛のときに足輪を付ける話など、楽しく観ることができた。
巣が密集するのは、人里から離れると天敵に襲はれやすくなるためだが、今は佐渡中央の平野部なのを島全体、更には本州に放鳥する計画があると云ふ。本州の放鳥には賛成ではない。佐渡の人たちのこれまでの努力に報いるべきだ。あとは自然に本州へ広がるのを待つ。これがいいのではないだらうか。
秋津洲朱鷺が亡びて 大陸の鳥を移して繁殖し 本州までも飛ぶものがあり大陸と交流へ復活すると期待した 群れを作ると遠くまで飛ばなくなるか定着し 交流するは百年先か

反歌  佐渡の鳥本州及び大陸に広がる為にときを待つのみ
為末大さんに倣ひ、時と朱鷺を掛けた。

十月二十二日(日)午後
午後は、再びNHKプラスに入り、怪物ヒグマを観た。放牧中の牛を襲ひOSO18として恐れられたクマだ。最後はOSO18と気付かず射殺された。
人間がエゾシカを保護し、原生林を切り開いて牛を放牧した。たまたまエゾシカの死体を食べたOSO18が、草食中心のはずのクマを肉食にしてしまった。最後は体が異変を起こし、前足の指は大きく腫れ、本来の棲息範囲より南下し、発見された時は逃げることさへできず射殺された。OSO18は人間の被害者で、今後も肉食のクマが現れる。これが結論だった。
凶暴な野生のクマが現れた 西洋野蛮文明で凶暴化した人類に 原因がある諸悪の根源

反歌  野蛮化の人類地球の癌細胞残るか滅ぶ今分かれ道(終)

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