千八百五十九(和語のうた)閲覧注意メモ書き歌(その四)
壬寅(西洋野蛮歴2022)年
十月二十九日(土)
三ヶ月ぶりにメモ書き歌を作った。

倉敷の旅を調べて直しても日帰りできず取りやめになる

ジパング倶楽部二年目に入ったので、一回目から三割引きになる。良寛修行の寺に行かうと考へた。母がデイサービスから戻ったあと長時間は一人にできないため早めに帰宅すると、日帰りできない。バスが少なく、新幹線は「ひかり」を使ふため(のぞみは割引きにならない)、断念した。

草枕上総と安房へ行く旅を調べて直し取りやめになる

似た話がもう一つある。千葉県内のJR、房総半島の私鉄、フェリーなどに二日間乗れる切符が十一月末まである。都内から4790円だ。1日目の終はりに帰宅するが、定期券があるので六百円で済む。一日はいすみ鉄道、もう一日は小港鉄道と東京湾フェリーに乗らうと考へた。ところが、十一月末まで二日連続の休みが無い。日曜は休みだが、土曜と月曜は埋まってゐる。これも断念した。

名古屋まで行きて豊橋浜松と静岡へ寄り我が家に帰る

新幹線は隣の駅までの自由席特急券が安い。この制度を活用して、往路の直行とほぼ同じ金額で、帰路はあちこちに寄れる。前回のジパング倶楽部の旅行は、熱海に行って、小田原、新横浜に寄ったが、これと同じ発想だ。ここで、大人の休日倶楽部はJR東日本のみ、ジパング倶楽部はJR全社で有効だ。

百重ね勤める縦横長屋では我が家に帰る心に戻る

マンションの仕事は、一回で終はりのものから百回続くもの迄千差万別だ。昔テレビに出演した歌舞伎俳優が、歌舞伎座に来ると我が家へ帰った心地がすると言った。回数を重ねると、確かに我が家へ帰った心地になる。

下町の心地を残す処では人の繋がり半ばは残る

下町のマンションに勤務することもある。マンションでも人の繋がりが半分残る。

物作りかつて小さな匠(たくみ)の場小さく作り長く栄える

長く栄えるはずだった。ところがプラザ合意で、町工場が次々に消えた。

桜咲き人の集まる飛鳥山明日の為にも油燃やすな

飛鳥山までが序詞。石油の消費を停止せよ。

この星がいつまで持つかその前に油燃やすをすぐ辞めさせよ

これは当ホームページの主題である。

万葉(よろづは)の勢ひ後に欲絡み筆先だけでつまらなくなる

万葉集は、当時の文化の総集とも云へるものだった。古今集から後は、載ることを目的に、或いは貴族が上層に気に入られるために作ったものが多くなった。

日を記す先に歌詠みその歌に合はせ記すも楽しきことに

行動日記では、本文を書いたあとで歌を作った。今回の特集は、思ひつくままに歌を作り、あとから本文を書いた。これも楽しいことだ。

歌作り心を正し文(ふみ)の技高めるために書きて楽しむ

文章を書く時は、心を正す為と楽しむ為と、二つが揃はないとうまくゆかない。

神無月入り五日目寒くなる昼は短くあと四(よ)つ月か

母を日光浴させる為、昼の長さを心配するやうになった。

鳥が鳴く東の都我が国に合はぬ建物ますます多く

「鳥が鳴く」は東の枕詞。超高層ビルが三つの時代と、淀橋浄水場跡にまとまってできた時代まではよかった。都内あちこちにできると、日本とは思はれない。

楼(たかどの)は霞が関と池袋浜松町に淀橋の群れ成すすべて見分けがついた
楼(たかどの)が多くなるとも池袋その形から昔のままだ

サンシャインビルは、屋上に赤白のアンテナがあり、これは昔のままだ。(終)

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