千四百二十三 二次元思考と三次元思考
庚子(仏歴2563/64年、西暦2020、ヒジュラ歴1441/42年)
--------------ここから(兼、千四百二十二プラユキ・ナラテボー、篠浦伸禎「脳と瞑想」その三)-------------
三月八日(木)第二部第二章から二次元、三次元の右脳左脳
篠浦 左脳三次元だと合理主義で、右脳三次元だと拡張主義で(中略)左脳二次元になると原理主義です。(中略)原理主義と拡張主義は斜めの関係でけっこう結びつくんです。そして、一番人を殺す。ファシズムとか共産主義とか、宗教であれ(中略)思考停止しているから楽なんですよ。たとえば「聖典がすべてだ」と思ったら、人間即行動できます。(中略)脳というのは、本当はもっと先へ、三次元から四次元(不屈)に行くように使っていかなくてはいけないと思うのですが(以下略)
右脳二次元型は温情主義者。宗教的なというか、ベタベタな日本人ですね。二次元のあたりにいる人たちは、偏桃体の恐怖や報酬系の喜びで動いているんですね。121
最後の1文は二次元全部について述べたもので、そこには右脳二次元の人と左脳二次元の人がゐる。右脳二次元はよいが、左脳二次元は危険だ。
二次元を進化させたものが三次元で、今までの文脈だと、左脳三次元はよいが、右脳三次元は危険とされる。しかし世の中を見渡すと、どちらがよいかは場合による。左脳三次元は、縮小再生産に陥る惧れが或る。右脳三次元で優れた人として、松下幸之助や本田宗一郎がゐる。
篠浦 僕が思うのは、仏教というのは原理主義と拡張主義の組み合わせの対極、合理主義(志)とか温情主義(感謝)の組み合わせという気がします。そしてひじょうに右脳的な面が強いと思う。要するに、一言で言ったら「関係性」だと思うのです。123
仏道は、右脳二次元と左脳三次元の組み合はせだが、右脳二次元がより強いのだらう。ここで、三次元は左右で優劣が付けられないのに(言ってゐるのは私だけで、篠浦さんは左脳三次元型が優れると云ふ)、二次元は右脳が優れる理由として、私は言語のほうが世の中の関係より簡単なためではないかと考へた。言語は複雑だが、幼児から大人へと成長の過程で習得できる。もちろん言語にも、芸術性や倫理性はあるのだが、そこまで考へず文面の理解に留めることもできる。
篠浦 日本人は四次元、つまり永遠の時間の中での生き方が優れている気がするんです。(中略)自然への愛から生まれています。(中略)愛とは自然や他の生き物への慈しみ、慈愛。(中略)西洋的な、自然を支配したり、破壊して砂漠をつくってしまうと、どうしても人間同士の争いが起き、極端なことを言えば地球を滅ぼす方向に向かう。126
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三次元で左右の脳に優劣があるとする篠浦さんと、優劣は環境によって変はるとする私で、意見が一致するのは四次元を必要とすることだ。しかし四次元の内容は異なる。篠浦さんは一番目の図で「不屈」、二番目の図では「強い自我=愛=武士道(人間学)」だとする。私は「永続」「公序良俗」だとする。
今から二十年ほど前だらうか、なぜ人を殺してはいけないかが、世の中の話題になった。まづ人を殺し合へば、人口が減るし、性格が悪い人ばかりになる。これでは永続できない。
2番目に、人を殺してはいけないことは、公序良俗だ。公序良俗は、一次元で動物脳より人間脳が優位な状態から作られる。私がときどき、猿が群れを作るやうに人間にも定常状態に向かふと主張するのは、これだ。
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三月十三日(金)二次元思考と三次元思考
私はこれまで、上座の仏道を中心としながら、労働運動に参加したり、民族独立運動に参加したり、X宗や曹洞宗やXX教などの講演会に参加してきた。
私は、ごく当然のことをしてきたと思ってゐるが、その一方で、特定の団体に所属してゐると思はれる奇妙な連中が、妨害の目的で他宗教の講演会に参加することに何回か遭遇した。なぜあんな連中が出てくるのか、まったく理解できなかった。世間の常識ではカルトと呼ばれる連中だ。
今回の、二次元と三次元の書籍を呼んで、やっと理解することができた。妨害する連中は思考が二次元だ。だから一つの宗派、一つの団体にしか参加ができない。他の団体に参加するときは、妨害が目的だ。
私が参加するときは、三次元で参加するから、どの団体のときも、自分と周囲の人たちに思想上の相違がない。例へば、東京と大阪は、地図を机に広げれば離れる。しかし地図をめくって東京を大阪に付ければ同じ場所だ。
三月十四日(土)二次元の人が三次元になる方法
二次元の人が三次元になる方法は、難しくはない。或る活動なり団体が、社会の役に立つかを考へる。それだけで十分だ。
普通の人は、団体なり活動の、社会に役立つための目的は、なかなか考へない。しかし社会にこの機能がないと、永続はできない。それが公序良俗だ。宗教は文化に属ふと主張する理由はここにある。
あともう一つ。科学万能の時代に、宗教が一番上だと主張すると、唯物論に勝てない。(終)
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