千百八十九 (その二)アベサマのNHKを三度批判
平成三十戊戌
九月二日(日)
(その一)では「ブッダ 大いなる旅路」を批判した。しかしこの本は二十年前の出版なので、今のNHK職員は多くが無関係だ。本来は過去の批判からも学ぶことができるのだが、アベサマのNHKにそんな期待はできない。
森友問題をスクープした記者も元に戻さないため、不人気大河ドラマ(≒排水路ドラマ)「西郷どん」をまた批判することにした。「西郷どん」は六月二十四日に1分間観て以来、チャンネルを合はせることはなくなった。なので1分間の場面を、これまで二重組織などで批判したが、今回は別の角度から批判することにした。
あの場面は、各地の志士の前に膳が置かれ、しかしまだ箸を付けず西郷に注目する。それなのに西郷が一人でパクパクと飯を食ふ。隣に座る同郷人が見かねて西郷に注意する。
どこが悪いかと云へば、歴史に相違した、或いは観る者が期待する歴史に相違した。「水戸黄門」でご老公に私心があったり悪いことをしたらどうなるか。助さんや格さんが内心はご老公に背いたらどうなるか。視聴率は激減するたせらう。同じやうに西郷がこんな無神経、無教養なことをやっては駄目だ。

九月七日(金)
慶喜の将軍就任を画策する水戸斉昭と、篤姫の御台所を画策する島津斉彬。横に控へる福井藩主松平慶永と橋本左内。そして西郷。それらを横目に「ここにはどうやらまともな父親は誰ひとりおらぬようだな」と叫ぶ慶喜。これは、飯をパクつく西郷に次ぐ二番目に悪い脚本だ。
あのとき日本は西洋の進出で植民地寸前だった。斉昭はともかく、斉彬、慶永らは対策を必死に考へた。事情は慶喜も判ってゐる。あのやうな発言をする筈がない。

九月九日(日)
ミャンマーで出家し、多くの人たちの善意に支へられながら、経文のわずかな解釈を口実に帰国し、その後カナダに行き、心理療法、セラピーは上座部仏法より優れると云ふ悪質な番組もあった。
(その1)で批判した、プロデューサの主張のほうが2500年の歴史を持つ仏法より優れると云ふ傲慢な主張と、本質は同じだ。つまり西洋(及び西洋猿真似の元比丘及びNHKプロデューサ)は東南アジアより優れると云ふ思ひ上がりだ。

九月十二日(水)
私は「西郷どん」を見なくなったから、古い話題に偏る。そこでBusiness Journalに乗った吉川織部さんの記事を紹介したい。
『西郷どん』“ダメ大河”一直線…言ってはいけない「禁断の台詞」を使ってしまった!

と云ふ題で
(前略)第28話「勝と龍馬」が29日に放送され、(中略)いきなりダメ出しになるが、まずこの「勝と龍馬」というサブタイトルがあからさまな「釣り」だったことを指摘しておきたい。(中略)龍馬はいきなり出てきて西郷にガラ悪く絡んだだけで、なんの意味もない登場に終わった。
それに、今回で話の中心となったのは第一次長州征伐の顛末であって、「西郷と勝海舟・坂本龍馬の出会い」ではない。それなのに、あたかも幕末の有名人2人が話のメインになるかのようなサブタイトルで視聴者の関心を集めようとするのは、少々さもしい気がした。

NHKは番組紹介を多量に流すので極めてさもしい。そもそもNHKにはさもしい連中が多い。
芸能人はリスクがあるが、アナウンサーならリスクなしにテレビに出られる。アナウンサーは黒子を被るか副調整室の隅でマイクに向かふべきだ。ドラマのプロデューサなどは裏方に徹しなければいけないのに自分の名前がOPで出る。そんな連中が多くなった。
モリカケ問題を報道する正義派の記者もゐたが、窓際に移動させられた。実にNHKはさもしい。次に
だが28話には、こんなことがどうでもよく思えるほどの地雷が埋まっていた。それは、西郷が一橋慶喜(松田翔太)と会談している場面で(中略)ふすまをさっと開けて入ってきたのが、慶喜の側室であるふき(高梨臨)。(中略)ついに彼女は禁断の言葉を口にしてしまう。
「お願いです、戦などおやめください!」

このあと、このセリフの悪い理由を吉川さんは二つ挙げられた。まづ
「戦は良くない」というのは現代的な価値観だからだ。もちろん昔の人だって、戦争ばかりの生活よりはないほうがいいと思っていただろうし、別に楽しんで人を殺していたわけでもないだろう。

二番目に
脚本家が「戦は良くない」「戦は悲惨だ」というメッセージをどうしても伝えたいのなら、それを台詞ではなくストーリーを通して視聴者に伝えるべきなのだ。

私は二番目の理由を思ひつかなかった。その代りに別の理由を挙げたい。それは、長州が蛤御門の変を起こした。このまま放置すれば、同じことがあちこちで起こる。
モリカケ問題だって、片方が起きたときにそれがすぐ明らかになり、野党と自民党内良識派が批判をすれば、もう一つは起きなかった。ここは長州に出兵せざるを得ない。だいたい池田屋事件でテロ計画が明らかになったから、長州を何とかしないと幕府が危うい。慶喜の側室が、そんなことを云ふ筈が無い。
大河ドラマには、歴史の事実と云ふ上部構造がある。NHKの番組責任者と脚本家は、上部構造に反してはいけないことを知らないらしい。(終)

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