千百一(その九十七) マスコミは偏向がひどすぎる
平成三十戊戌
二月二十五日(日)
平昌オリンピックで、マスコミの偏向が目立つ。まづ、日本は長野オリンピックのメダル10個を越えたと云ふものだ。しかしよく考へると変だ。長野オリンピックより金が少ない。10個を超えた時点での報道は各社同じやうな内容なので読売オンラインを紹介すると
平昌五輪第13日の21日、スピードスケート女子団体追い抜きで、日本が金メダルを獲得。
これで今大会の日本勢のメダルは、金3、銀5、銅3の11個となり、1998年長野大会の10個(金5、銀1、銅4)を上回り、史上最多となった。
翌々日あたりから「日本のマスコミはまるで大本営発表だ」「快進撃してゐるみたいな書き方だがノルウェー、ドイツ、カナダの1/3で11位だ」と批判が出だした。
オリンピックの別の話題に移ると、韓国の会場設営、大会運営、成績を批判する記事が産経非新聞でひどかった。これらの文章を読んだら、誰もが日本の快進撃とは裏腹に韓国はメダル数が低迷してゐるのだらうと思ってしまふ。ところが国別一覧表を見ると韓国は7位で日本より多い。
日本の金メダルは長野より少ないのに、長野を越えたと書くのは不適切だ。どこの国でも、まづ金メダル順に並べて、同数のものを更に銀メダル、銅メダルと並べるのが通常だ。金銀銅の合計で大騒ぎするのは日本のマスコミだけだ。
二月二十六日(月)
話はオリンピックを離れて、富岡八幡の宮司殺害事件の後の初もうでの記事に移りたい。東京新聞のサイトではやや少なめ…富岡八幡の初詣 宮司殺害「縁起が悪い」と云ふ見出し、例年よりも、やや参拝客が減少気味という富岡八幡宮と云ふ写真説明とともに本文は
昨年末、神職トップの女性宮司が元宮司の弟に殺害された事件が起きた富岡八幡宮(東京都江東区)。例年三が日は約十五万人でにぎわうが、初詣客らによると、いつもに比べて人出はやや少なめ。事件が影を落としている。
東京新聞だけではない。各マスコミが似たやうな報道だった。読売新聞プレミアムでは
閑散とする富岡八幡宮、初詣客「神様に罪ない」
2018/01/03 - 読売プレミアムは、読売新聞社の購読者向け有料会員制サービスです。
私は有料会員ではないし、そもそも購読者ではないから有料会員になれない。だから記事は見ることができなかったが、三が日はプレミアムではなく私も見ることができた。
なぜ二つの記事を引用したかと云ふと、三が日にインターネットでニュースを見ると、富岡八幡に関してこれと同じやうな記事ばかりが出て来た。私の感覚ではあれほどの事件を起こしたのに、人出はやや少なめだとか、神様に罪が無いはひどいではないか。参拝者が激減しないと、関係者は反省しない。これではモリカケ問題を野党の分裂騒ぎで混乱するときに解散した「忖度大上段男」と同じになってしまふ。
しかし悪いことはできないものだ。正しく伝へる記事も出てくる。日刊スポーツのホームページ版によると4人死傷の富岡八幡宮、参拝客激減「並ばずさい銭」と云ふ題とともに
宮司の女性が先月に殺害されるなど、4人死傷事件の現場になった東京・富岡八幡宮では2日、参拝客の激減に関係者らが嘆きの声を上げた。
或いは東京スポーツのホームページ版によると人影まばら「富岡八幡宮」参拝客は何を祈ったのかと云ふ見出しとともに
例年の三が日なら約15万人の初詣客でにぎわい「本殿に参拝するまで2時間待ちの行列が鳥居の外までできる」(参拝客)が、今年は人出がまばら。事件の影響で新年のお祝いムードも影を潜めた。
どうやらスポーツ紙までは工作できなかったやうだ。
二月二十七日(火)
オリンピックに話を戻すと、始まる前はメダル数の目標が「複数の金メダルを含む9個」(JOC選手強化本部長)だった。蓋を開けてみたら金メダルは長野オリンピックに及ばなかったものの総数では超えた。とたんに各マスコミが長野オリンピックを越えた、と一斉に書き始め更に、選手を絞って強化したことが成功したと云ふニュースも流れた。
この強化方針に自信があるのなら、始まる前に長野オリンピックを超える数値を掲げたはずだ。今回マスコミは目標を越えたことを報道すべきだった。JOCの方針は正しかったのに、マスコミの報道が台無しにしてしまった。
マスコミの悪いことがもう一つあった。一つ目の金メダルが出るや、白虎「スホラン」・ツキノワグマ「バンダビ」の人形を前に安倍が電話を掛ける写真がマスコミから一斉に報道された。予めあちこちに手を回したことがばれてしまった。
二月二十八日(水)
多くの国民は、他に選択肢が無いから自民党を支持するのであって、安倍を支持する訳ではない。安倍はそこを誤魔化さうとマスコミをさかんに使ふ。金メダル選手に電話を掛ける写真は、その典型だった。
話は変はるが、内閣官房機密費は何に使はれるのだらうか。あまりにマスコミの反応が同じだと、或る業界に使はれたのではないかと、国民は疑ふやうになる。(完)
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