壱千三 1.ジョナサンで昼食、2.ヘビの脱皮
平成二十九丁酉年
七月三日(日)
今年は会社の株式に配当金が出た。今は100株しか持ってゐないから、20%分離課税で4000円が振り込まれた。それを使って家族で昼食を食べた。場所は数か月前に下の子が帰ってきたときに行ったジョナサンだ。
私は冷麺と海鮮丼の組み合はせを食べた。冷麺は赤と白とどちらのソースがよいか、赤は辛いと云ふので、赤を選択した。私は十五年ほど前のタイ中期出張を機に辛い料理に強くなった。
ところがこれが辛い。顔に汗をかきながら食べた。しかしコシのある珍しい麺でよかった。三人合計で約四千二百円。配当金を有効に使った。

七月五日(水)
店の外に縦型の旗が3種立ててある。その一つに盛岡冷麺とある。現在作家Xの「春と修羅」を特集中だが、盛岡はまったくの偶然で、たまたま食べようと選んだのが冷麺だった。
白石に温麺(ううめん)と云ふものもある。最初、福島県の白石に温麺があると私が云ふと、白石は宮城県だと云ふ。白河だったかなと答へたがインターネットで調べると温麺は白石だった。

七月七日(金)
冷麺は朝鮮半島の名物を在日朝鮮人が昭和二十九年に盛岡で開業し、それが名物になったさうだ。温麺は江戸時代の初めに白石で生まれた。前者はコシが強いのが特長、後者はコシが弱いのが特徴でそのため短いさうだ。
三十五年以上前に家族旅行で白石に行ったことがある。あちこち廻って白石から新幹線で帰京した。三十分以上時間があったので両親は市内を巡って温麺を食べたさうだ。私は駅にゐた。当時の東北本線は客車列車と貨物列車の天国だった。次々と発着する列車を見てゐたほうが楽しかった。だから私は温麺を食べたことがない。

七月八日(土)
先日、ヘビが脱皮するところを見た。居間の扇風機が点いてゐるのに誰もゐない。子どもの部屋に行くと、妻と子がヘビの脱皮を観察してゐた。首の辺りまで皮が脱げた状態だった。
少し席を外しすぐ戻ると、お腹の上まで進んでゐた。そのあとどうするのか皆で凝視すると、水槽に入り、出るとき皮に水が入るため重みであっと云ふ間に尻尾まで進み、あとは外で動くうちに終了した。
脱皮したあとの皮を見たことは何回もある。しかし脱皮するところを見るのは初めてだった。

七月九日(日)
昨日は午前十時頃水槽に入った。顔を水面から僅かに出す。以前水に潜ったと見間違へた理由が判った。僅かに出すからよく見ないと潜ったやうに見える。
昨日の午後に、ヘビを居間に移動させた。三十五度までは大丈夫ださうだ。しかし水に潜らないで済むやうに昼間は冷房を入れることにした。ヘビが新聞紙の下に潜った。見慣れない風景だと落ち着かないのかも知れない。猫が臨時で二匹来た時も、最初は机の下に潜った。(完)

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