82、葛西敬之はJR東海の会長に不適格である(その3)

平成ニ十年

ニ月二十三日(金)(民営化と民営分割)
国鉄の民営化は既定の事実となり、あとは民営化ののちに経営に問題があれば分割するのか、それとも民営と同時に分割するのかに移った。あの当時、国鉄は大きすぎるから分割すべきだという議論が財界主導で出されそれが採用された。しかしずいぶん国民を馬鹿にした話だ。大きい組織を動かすためにキャリアと称する連中を厚遇してきたのではないか。それなのに大きすぎて経営ができないという。彼らは今までの厚遇分を国民に返還すべきである。今からでも遅くはない。

ニ月二十四日(土)(日産改革と国鉄再建の相違)
第2の国鉄となりかけていた日産をカルロス・ゴーンが数年で再建した。組織ごと他社に売却され交通不便な場所に単身赴任をしている人の話など陰の部分はある。しかし嫌いな人間を追い出すという腹黒いことはしなかった。他社に売却された人たちも誰もが納得して新しい職場に移っていった。

国鉄の場合はどうか。新会社に採用されなかった人を国鉄清算事業団に残す方法を葛西は得意げに書き、読者はどこでも同じことができると思いこんでしまうが、あれは国鉄再建法など国鉄に特定した法律があったからできた話である。しかも清算事業団に送られた人の裁判は今でも続いている。先月23日には動労から分離した共産党系の全動労の組合員が東京地裁で勝訴した。未だに解決しないこれらの騒ぎと、騒ぎさえ今となっては起こせない100人を超す自殺者に対して葛西は何か責任を取ったのか。

因みに再建したあとのカルロス・ゴーンは好きではない。これから再建を始めようというときに講演を聴きに行ったことがある。「やり方が厳しすぎないか」という質問に「差し迫っていて、こうするしか方法がない」と答え、同感だった。しかし再建が成功したあとも、リストラした人たちを戻す訳でもなく、業績が少し悪くなると再び同じやり方を繰り返す。日産は、ゴーンの英語を用いた講演や英単語を書いた新聞広告は止めるべきである。ルノーはフランスの会社ではないか。フランスは英語による世界文化破壊の先頭に立つべきである。やはり日本ではトヨタとホンダ、そして大手に続き頑張っている中堅企業がいいのだろう。

ニ月二十六日(火)(管理部門による管理部門のための会社)
総裁室は各鉄道管理局を支社と改称し三課に留めることを発表し、葛西らがこれに抵抗したことは「葛西敬之はJR東海の会長に不適格である(その2)」に書いた。JR東海発足時に支社は四課でスタートした。ところが9ヶ月後には四部十三課に戻している。本社直轄も在来線は四部十ニ課が五部十七課、新幹線は五部十七課が六部二十課に増大している。
あれだけ現業部門を人活センターや国鉄清算事業団に送っておきながら自分たちは増大している。とんでもないまやかしである。

ニ月二十七日(水)(リニア新幹線は地方を衰退させる)
JR東海が発表したリニア新幹線はよくない。東海道新幹線は大阪を衰退させ東京だけが肥大化した。日本全体で見れば東海道沿線以外を衰退させた。
リニア新幹線は大阪から日本海を通り札幌まで建設すべきである。JR東海は中部地方だけに留まることはない。日本全体に大きく出る必要がある。

ニ月二十九日(金)(独占企業はよくない)
JR東海がリニア中央新幹線を作ると、東海道線、新幹線、リニアをJR東海が独占することになる。
「東海旅客鉄道20年史」という書籍がある。この本に載っている組織図はいずれも本社機能のみを細かく書き、現業機関は点線で省略している。国鉄時代に逆戻りである。管理部門新卒の全員に新幹線運転手の資格を取らせるという無駄も行っている。JR東海は新幹線にあぐらをかいている。改善が必要である。
まず離島を除き国内の航空機を禁止し、航空会社対策としてリニア中央新幹線をやらせる方法がある。地球温暖化防止にはこれがいい。次にアメリカがここ25年間に亘り日本文化を破壊しようとしてきた理由は日本の膨大な国際黒字にある。リニア中央新幹線を外資にやらせる方法もある。
公共事業を外資に開放する場合には、社内は英語を用いないことを条件にしたほうがいい。昔から日本に進出している外資系は英語が苦手な人が多いが、ここ10年の間に日本に進出あるいは買収された企業の中には英語を押し付ける企業が多い。日産自動車はフランス系なのにその一つである。こういう企業は長期には日本のためにならない。

三月一日(土)(日本列島全体を均等に繁栄させるには)
昭和45年に大阪で万国博覧会が開催された。テーマは「人類の進歩と調和」であった。東京では昭和40年頃から路面電車が廃止され始め、稲毛や千葉海岸では潮干狩りや海水浴ができなくなった。足立区から田圃が消え、世田谷区や練馬区から畑が消えた。誰もが調和が必要だと感じていた。しかしその後38年間に亘り首都圏の進歩は益々進んだ。
新幹線は首都圏の一極集中を進めるだけである。沿線の都市は一見豊かになったように見えるが、県内の周辺がさびれている。新幹線は沿線地域を決して豊かにはしない。
一極集中を防ぐには、大阪から日本海側を縦断し札幌までのリニア新幹線がいい。

三月ニ日(日)(二酸化炭素削減)
一昨日述べたように、国内の航空路線は離島を除き禁止すべきである。これでまず沖縄など離島が振興する。次に日本海リニア新幹線を日本列島縦貫の幹線とする。これで日本海側と北海道が振興する。東京を経由せず大阪と結ぶことにより首都圏の一極集中を抑える。余力の生じた在来線を貨物の幹線とする。これらにより二酸化炭素の放出も減少する。

三月三日(月)(街道と近代交通の相違)
江戸時代は街道の沿線が栄えた。しかし新幹線は沿線が繁栄しない。新幹線は現状に合わせて作るのではなく、目指す国土に合わせて敷設すべきである。日本海側にリニア新幹線を作りこれを黒字にするには、集中しすぎた首都圏の機能を少しずつ移転すればいい。

三月五日(水)(箱根関所税)
天下険と詠われた箱根を軽々に往来するは天に唾する行為である。箱根関所税を新設したらどうか。東海道新幹線と東名高速道路で通過する際は税金を徴収し、これを日本海リニア新幹線に回す。首都圏の集中を緩和する一番の受益者は首都圏の住人並びに野生生物である。箱根関所税で首都圏の環境が改善されるのだから安いものである。

三月七日(金)(地方を繁栄させる唯一の方法)
地方を繁栄させるには農林水産業の復活以外にない。首都圏機能の移転は地方の東京化に他ならず地方の繁栄とはならない。観光や産業誘致も真の解決とはならない。
地球温暖化に直面し、人類は従来の工業商業交通活動は永続不可能なことに気付き始めた。今こそ農林水産業復活の好機である。

三月九日(日)(地球を永続させるには)
農業の振興とともに無駄なエネルギー消費を削減する必要がある。最後には物流の移動を除き交通機関は廃止すべきである。東京から大阪に行くには自転車か馬に乗ればよい。そういう社会にしないと地球は滅びる。
そのためには日本海リニア新幹線でまず国内航空を廃止し、次に全国の新幹線は耐用年数が切れた段階で廃止し、最後にリニア新幹線は償却を待って廃止すべきである。


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