九百九十八 新宿界隈迷ひ道(新人歓迎会)
平成二十九丁酉年
六月二十四日(土)
昨夜は、職場の新人歓迎会が歌舞伎町であった。始まるまでに時間があったので二回遠回りをした。
一つ目は新宿駅東口の地下道は二本平行に走る。丸の内線の新宿駅から新宿三丁目駅まで歩いたがもう一本への連絡地下道が見つからない。新宿三丁目の先に長い連絡地下道があるが、これは花園神社の先に出るのではないかと気づき折り返した。
新宿三丁目から新宿駅まで戻りながら右側をずっと探したが見当たらない。そのまま紀伊国屋の地下街を抜けて地上に出た。この地下街は昭和四十年代の雰囲気を残す。今となっては貴重な地下街だ。

六月二十五日(日)
会場に着いたものの開場まで時間がある。向かひのホテル、コンビニなどの入ったビルの一階は通り抜けになってゐる。裏に抜けるとそこは予期せず散歩道だった。 予期しなかった理由は、かつての都電専用軌道跡だ。新宿駅前を出た都電は次の角筈で線路が二つに分かれる。一つは道路を走り四谷三光町に、もう一つは専用軌道で新田裏に短絡する。かつて十三系統は専用軌道を走ったが、昭和三十五年頃四谷三光町を廻るやうになった。或いはかつて駅前通りを走った都電が靖国通りに移転したときに三光町経由になったのかも知れない。その後、専用軌道は大久保車庫への回送電車専用になった。
都電に乗り、或いは専用軌道の脇を歩行したのは、中学生のときだった。そのときは気付かなかったが、専用軌道跡を超えると、雰囲気のよい飲み屋街を見つけた。三つの路地の両側に小さな木造のお店がたくさん並ぶ。三つの路地全部を歩いたあと、新人歓迎会の会場に入った。

六月三十日(金)
夜の7時開場、7時半開始だが、店の人が飲み始めていいですよと云ふ。だからビールを小型のコップ一杯飲んだ。周りを見回すと誰も飲んでゐないので、コップを目立たないやう椅子の後ろの棚に置いた。目立たないやうもう一杯飲んだ。そのうち幹事がフリードリンク時間が始まってゐると放送したため皆が飲み始めた。
私の前のテーブルは三人ゐて、一人は三杯くらい、もう一人は一杯飲んだ。それでゐて三本のビール瓶が空になったから、私が二本分飲んだのかな。あとカウンターに並んで焼酎一杯、ウィスキー一杯、ブランデー一杯を飲んだ。ここで開会の乾杯と挨拶の後、食事の時間となった。
最初は長蛇の列ができるが、時間が経つと解消する。通常の飲み会だと、先ほど挙げた量のアルコールを飲んだあと並ぶため、列は解消してゐる。今回は既に十分に飲んだから渋滞に巻き込まれる。と云ふことで予めお皿を一つ持ち、食事の時間とともに、料理が並ぶテーブルの1/3のところから最後までを取った。これなら列の渋滞を一人分解消できる。
ビンゴ大会で49番目の整理券だった。今12番目だから景品はなくなるよ、と云はれたのでそれを真に受けて途中で帰った。既に十分に飲み、そして食べたからだった。翌週、48番の人から1000円のカードが当たったと聞いた。なるほど今回は順番にクジを引くので、残ればよかったのかも知れない。(完)

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