九百二十六 1.NHK批判「科学の“未解決問題”ダーウィンの進化論」、2.進化論と進歩主義はともに間違ってゐる

平成二十九丁酉年
一月七日(土)
お昼の十二時半から「科学の“未解決問題”ダーウィンの進化論」と云ふ面白さうな番組がある。働きアリの2割以上が休んでばかりゐる、カッコウは他の鳥に卵を託すといふ効率が悪い方法で子育てを行ふ、これらは進化論に反すると云ふ。見やうと思ったがNHK ONLINEマイ番組表によると、司会が三名。これでまづ失格だ。紅白歌合戦のやうに白組、紅組に司会がゐる場合を除いて、司会が三名もゐるだけで番組の質が分かる。次に出演者が司会以外に五名、語りが一名。ゲストとして脳科学者と北海道大学准教授の二名。これで番組の制作方法は見当がつく。ゲストが話す内容を司会三名と出演五名が「へー」などはでに驚くだけだらう。ついでに番組の結論も、生物は進化するだけではなく退化することもあり、たまたまそれがそのときの環境と適合した物が生き残るし、まだ平衡状態に達しないため生き残ることもある、といふ内容だらう。
番組名を見て更に驚いた。「サイエンスZERO」は前に批判したことがある。批判するのは見てからにしようとスヰッチを入れた。まづ批判すべきは番組の司会三名は通常の番組だったら出演者、出演者は通常の番組だったら短時間写る助手でわざわざ名前を出す必要は無い。次に批判すべきは、司会はペコちゃん人形ではあるまいしゲストの話す内容にいちいち驚いた顔でうなづいてはいけない。
ゲストは永続性と云ふ主題を進化の外側の大きな円に置いて、永続性の中で進化が起きるとした。それでもよいが、生物は永続しようと思って永続する訳ではないし、進化しようと思って進化する訳でもない。たまたま今まで残ったものが残っただけだ。

一月九日(月)
進歩主義も同じだ。変化は進歩のことも退化のこともある。どちらかは時代がかなり経過しないと判らない。進歩してもそこには新たな問題が生じる。例へば産業革命で生産力が進歩した。しかしそこには労働者の悲惨な生活があった。選挙の実施で労働者の生活がよくなった。しかしそこには帝国主義があった。米ソ冷戦とアジアアフリカの植民地独立で帝国主義はなくなった。しかしそこには地球温暖化による地球滅亡が目前に迫った。
日本国内では多くの人が偏向マスコミのせいで民主主義が植民地を独立させたと思ってゐる。しかしこれは誤りだ。米ソの冷戦で帝国主義国は植民地を手放した。だからと云ってソ連が正しいことにはならないが。
日本の進歩主義は西洋の猿真似だ。だから国民の感覚と大きく乖離する。死刑廃止の議論が典型だ。日本だけの企業別労組はそれに次ぐ有害の典型だ。だからと云って守旧や既得権派になってはいけない。要は進歩主義と西洋猿真似を捨てて、その上で目の前の改善点を実行することだ。(完)


「マスコミの横暴を許すな69」「マスコミの横暴を許すな71」

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