九百三 祝トランプ大統領誕生
平成二十八年丙申
十一月九日(水)
アメリカ次期大統領はトランプ氏に決まった。トランプ氏の当選を心から歓迎してゐる。これで日米関係が正常に戻るからだ。アメリカはソ連崩壊の後も、米ソ冷戦時代の戦略を捨てられなかった。とは云へ冷戦時代とは異なるから、その矛先は日本などに向かった。特に莫大な経常黒字を抱へる日本には内政干渉が酷かった。
トランプ氏が日本に米軍駐留経費の激増を求めて来た場合は応ずるべきだ。そのうち国内に、これだけ払ふなら自前でやったほうがよいのではと云ふ議論が出てくる。そのときどう選択するかは次世代が決めることだ。日本とアメリカが正常な国同士の関係に戻れる。今はそのことを歓迎すべきだ。
十一月十日(木)
選挙前に日本のほとんどすべてのマスコミは、ヒラリー有利と報道した。その姿勢に日本のマスコミはヒラリー女史に勝たせたいのだなと判った。どちらが勝つかは不明だが、日本のマスコミが報道するほどトランプ氏は劣勢ではない。おそらくアメリカでもトランプ氏支持なのに口に出せない人が大勢ゐるはずだ。私はさう見た。
十一月十日(木)その二
自民党は、TPP本会議可決を延期したほうがよい。世界情勢が変はったことをきちんと表明すれば、何ら問題はない。いざとなったらTPPは菅と野田が推進したことを逆手に取る方法もある。
十一月十一日(金)
マスコミはトランプ氏を批判するが、ヒラリー女史のほうこそ批判されるべきだ。ダイヤモンドオンラインにノンフィクションライター窪田順生さんの記事を引用すると
トランプ氏当選を早くから「予言」していたジャーナリストの木村太郎氏が、フジテレビの選挙特番で「ヒラリーの腐敗はひどい」と語気を荒げておられたように、クリントン氏は国務長官時代の機密漏洩問題だけではなく、夫と立ち上げた「クリントン財団」を舞台にした金銭スキャンダル、利益相反が問題になっている。
もう一つ「クリントン・ニュース・ネットワーク」と呼ばれる言葉があって
あまりにもクリントン氏に肩入れをした「偏向報道」を行うCNNを保守系ニュースサイトが揶揄した言葉で、トランプ氏自身も気に入ったようで、演説のなかで用いている。
日本では偏向したパンフレット(新聞を自称)があるため、多くの国民が保守になる。それと同じ現象がアメリカでも起きた。
「クリントン氏びいきのマスコミが、なぜトランプ氏の援軍に?」と首をかしげる人も多いだろうが、実は彼らがトランプ批判に張り切れば張り切るほど、トランプ氏に支持が集まっていく、というなんとも皮肉な現象が起きていた可能性が高いのだ。
今年9月、世論調査会社ギャラップが全米で18歳以上の1200人を対象にマスコミの信頼度について聞き取り調査をおこなったところ、マスコミの報道が「正確で公平」と答えたのはわずか32%だった。
これは44年前から調査をしているなかで、最も低い水準だという。なぜここにきて「メディア不信」が進行したのかということについて、ギャラップは保守系の人々が「マスコミがトランプ候補の揚げ足取りばかりしている」ことに不満を抱いているからだとみている。
十一月十三日(日)
「BusinessNewsline」と云ふアメリカのマスコミがある。その日本語版に Samuel Whiteと云ふ人の書いた主張が載ってゐるので紹介したい。
今回の大統領選挙に関しては、序盤、中盤、終盤の全ての局面でクリントン候補のリードが報じられてきたが、現状、選挙人での獲得数はトランプ候補の圧倒的有利ともなっており、結果的にクリントン有利の報道はクリントンを勝たせたいとする大手マスコミ各社による世論操作だった可能性もでてきたこととなる。
(中略)
新大統領に就任する可能性が強まってきたトランプ候補は、西海岸のIT経営者、東海岸の既存の大企業経営者、テキサスの石油業者、更に産軍複合体のどの既得権益にも属さない、不動産業界の風雲児ということもあり、今後、米国の政策は、こうした既得権益の利益には囚われない、大胆な改革が生じる可能性が強まってきている。
アメリカ国民だけではない。世界が期待するのは、既得権益に囚はれない政治だ。別のサイトでは別の論者が、これまでの大統領候補は共和党も民主党も既得権者の圧力が強く、アメリカが京都議定書から離脱したのはブッシュが石油業者の既得権益を守ったためで、トランプ氏は既得権とは無関係だから期待できるとあった。
十一月十五日(火)
ヒラリー女史のよくない所は、大統領になって何をやりたいのかはっきりしない。既得権勢力が背後に控へるほかに、もう一つ理由がある。夫の不倫騒動が起きたとき、離婚するでも批判するでもなく周囲からは不仲、別居と見られながらも旧態を維持した。最初は苦難に耐へたのだと賞賛され、上院議員選挙で最高得票を獲得した。しかし大統領予備選に出馬するあたりから、離婚しなかったのはクリントン財団の資金のためだった、選挙に出るためだった、選挙に出たのは夫への憎悪のためだったと見られるやうになった。史上最低の選挙と呼ばれる所以だ。
両候補を至上最低の候補として公平に批判するなら大歓迎だ。マスコミがトランプ候補ばかりを批判するからアメリカの国民はトランプ氏を大統領に選んだ。日本の偏向マスコミも事情は同じだ。(完)
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