八百五十六 稀にまともな文章も載るが・・「朝日新聞批判その三十五(マスコミの横暴を許すな64)」

平成二十八年丙申
七月十八日(月) 七日の天声人語
最近の社会破壊拝米新自由主義反日パンフレット(自称朝日新聞)は読む価値のない文章が多い。そのやうな中でまともな文章が極めて僅かだが載ることがある。とは云へ問題点がある。それも指摘したい。まづ七日の天声人語に
それは、きわめて歯切れのいい東京一極集中批判であった。東京が地方から、進学や就職で若者を吸い上げることが、日本の人口減少に拍車をかけているというのだ。元総務相で岩手県知事も務めた増田寛也さんたちによる論文と対談が、2013年の「中央公論」に載った。
ここまで同感だ。反日パンフレットは「中央公論」とは正反対の「偏向私論」ではないのかと嫌味を云ひたくなるがそれはさておき
その増田さんが東京都知事選の候補に浮上していると聞いて驚いた。ブラックホールとまで批判した東京のトップになるかもしれないのだ
ここは変だ。増田氏が批判したのは東京に人が集まる現状を批判したのであって東京を批判したのではない。
意外に感じた方がやはりいたようだ。秋田県の佐竹敬久知事は4日の記者会見で首をひねった。「東京をいかに小さくするかという人が(都知事になるのは)矛盾する。政策をどう出すのかな」
これは変だ。東京一極集中を止めれば都民の生活の質も向上する。長時間通勤と混雑がなくなるし、緑地などゆとりが生まれるからだ。天声人語の主張は変だし、変な主張なのに箔をつけようと全国の発言を探す。やはり反日パンフレットには限界がある。とはいへ偏向文書の多いなかでは、まともな文章であった。
最後にどこが間違ってゐるのかもう一度まとめると、人口がこれ以上増えることを停止させるのと、今の人口を減少させるのは別の話だ。これ以上増えることを停止するのは生活の質を向上させるからよいが、人口を減少させることは都知事としてできないだらう。その違ひが判らないのが、天声人語の執筆者だ。

七月二十一日(木) 七日の別の文章
この日の三ページ目に英国、問われた米追従と題した文章が載った。
報告書は「米英関係」について、「国益や判断が異なる部分で無条件の支持を必要とするものではない」と指摘。ブレア政権の姿勢を批判した。
とよい内容だ。更に本文とは別に、編集委員が実名で当時の日本政府について
外務省を取材したが、そこで見たのは、米国にどこまで追従する日本の姿だった。外務省幹部のホンネは、開戦は望まないものの、米国に反対する反対する選択肢はないということだった。
と、これも良質だ。ところがこの欄の題が検証、民主主義に不可欠とある。これで3ページ目の多くを費やした文章全体が台無しになった。まづ例へば、日本が民主主義では無くてしかし多くの国民が民主主義を望んでゐるのであれば、この題は有効だ。しかし民主主義が表面上は達成されてゐるのにこのやうな題を付けると現状追認になる。世界中を見渡すと民主主義が完全に達成された国はない。完全な民主主義とはすべての国民が利害を離れて世の中のためを思って投票することだ。日本だと企業別大企業ニセ労組と業界団体が選挙に介入するから完全な民主主義では無い。それなのにこのやうな題を付けると、西洋の民主主義は完全だと錯覚を起こす。それだけなら無害だが不完全な民主主義を読者に上から押し付けようとするマスコミの傲慢さが鼻につく。読者が不快に感じるのは後者が理由だ。
米英などがその後厳しい検証を重ねる中、日本は民主党政権時代に、4ページのおざなりの資料を発表しただけ。政府内の議論は伏せられたままだ。
せっかくこのやうに良質な主張をしたのだから題は検証 民主党政権でもできずとすればよかった。おそらく編集委員は更に別の題を付けたのだらう。それを上層部が民主主義に入れ替へた。この語を入れることで西洋追従を更に進めるとともに西洋追従の現状社会を追認することができる。不完全な民主主義の世の中で民主主義の言葉ほど便利なものはない。

七月二十四日(日) 八日の文章
八日の四ページ目は3分の2で攻防 60年前もといふ題の文章が載った。昭和三十年の総選挙で、日本民主党が185、自由党が112、社会党左派が89、社会党右派が67、共産党2といふ半円グラフが載る。その翌年の参議院選挙では自民党122、緑風会31、社会党80、共産党2も載る。どちらも日本民主党、自由党、自民党、緑風会を改憲勢力、社会主義政党をそれ以外としてゐる。ここは評価できる。
あと鳩山一郎、岸信介両氏の写真とともに鳩山一郎氏(右)と岸信介氏をつないだのは、自主憲法制定という「悲願」だったという解説がある。ここも評価してよい。グラフと写真はよいのにそれ以外の本文が駄目だ。
当時は総資本対総労働の激突が全国で続いた。朝鮮戦争が停戦したのは総選挙の二年前だ。警察予備隊が発足したのが五年前、保安隊を経て一年前には自衛隊になった。当時の憲法問題とは再軍備問題だ。それなのに当時から憲法をありがたがることが目的だったような書き方だ。こんなでたらめを書いてみても、頭隠して尻隠さずで
全国都道府県に憲法改悪反対の講演会を開催し(以下略)
とあり、反対するのは改悪であって、改正そのものではないことが判ってしまふ。(完)


「朝日新聞批判、その三十四(マスコミの横暴を許すな63)」
「朝日新聞批判、その三十六(マスコミの横暴を許すな65)」

メニューへ戻る 前へ 次へ