八百三十六(その一) 犯罪者を応援する悪質な社会破壊反日パンフレット(自称朝日新聞)、及び偏向の手口

平成二十八年丙申
五月三日(火) 誘拐犯を過度に擁護
千葉大生が女子中学生を2年間誘拐した事件は、世間を戦慄させ激しい怒りを呼んだ。ところが社会破壊反日パンフレット(自称朝日新聞)は、異常なほど犯人をかばふ。何しろ「だまってトイレをつまらせろ」「はたらかないで、たらふくたべたい」を書いた男を「新進気鋭の政治学者」と称賛したパンフレット(自称新聞)だ。3月31日の朝パンフレット(自称朝刊)によると

女子中学生(15)が約2年間、行方不明になっていた事件で、逮捕状が出ている(容疑者名略)が通っていた千葉大学が言及した「卒業取り消しの検討」が波紋を呼んでいる。卒業式の後でも、さかのぼって卒業を取り消すことはできるのか? そもそも、逮捕されてもいない段階で検討していいのだろうか?

この文章を読んで、社会破壊反日パンフレットに対して、犯人と同じ程度に怒りを覚える人は多いだらう。「逮捕されてもいない」と云つても逮捕状は出てゐる。本人が逃げ回るから逮捕されてゐないだけだ。それなのに検討をしてはいけないとは驚く。

関係者によると、学内でも「さかのぼって懲戒するのは無理筋ではないか」との異論が出たという。

学内で異論を唱へる人の割合がどのくらいなのか。異論とは手続き上の心配であつて、社会破壊反日パンフレットのように犯人を異常にかばつて社会を破壊しようとするのとは異なるのではないのか。
この後、賛否両論があつたことを書いた後に、二名の専門家(?)の意見を載せてある。当然、一人は賛成、一人は反対だと誰もが思ふ。ところが
金子元久・筑波大特命教授(高等教育論)は「大学への社会の目が厳しくなる中、きちんと対応していることを示したいのだろうが過剰反応だ」と指摘する。

ここがまづおかしい。大学の授業に真面目に出席してゐたといふことは、交通違反など軽微なものは除いて犯罪はしてゐないといふ意思表示といへる。ところが犯人はこれに反してゐた。つまり高卒ではないのに偽つて入学したのと同じで、当然処分しなくてはいけない。犯人は犯罪を犯してゐないと表明した訳ではなく態度で示したのだから、どのように処分するかは大学が決めるべきだ。パンフレットは金子氏の発言を続けて

処分する際は本人に事情を聴くのが原則とし、「裁判で量刑が決まってから判断すべきだ。さかのぼって卒業資格をはく奪するのも考えられない。」と批判的だ。

とするが、逮捕状が出たのに逃走してゐるのだから本人に事情を聴けない。逮捕されても留置場にゐるから大学に呼ぶ訳に行かない。さかのぼつて処分できないとなると逃走した者勝ちになる。なぜ処分しなくてはいけないかが判らないからこのような駄論を述べる。
一人目が反対意見なのだから二人目は賛成意見なのだらうと誰もが思ふが、先ほど述べたように次も

法政大の藤代裕之准教授(ソーシャルメディア論)も「大学は教育機関であり、学生を守るべきもの。事件を起こした可能性が可能性が高くても、裁判所で有罪が確定する前から犯罪者のように扱うのは問題だ。『推定無罪』の前提に立って、司法の判断を待つ姿勢が求められる」と話す。

学生とは犯罪者ではない善良な者をいふ。裁判所で有罪が確定する前といふが、警察が逮捕するのは有罪が確定する前だ。それは問題ないのか。今回は犯人ではない確率が極めて低い。

-------------ここから(消費税反対97)を兼ねる-----------------

五月五日(木) 偏向記事の手口
同じ意見の人を二人登場させるのは典型的な偏向だ。しかしこれだと露骨なので三人登場させて、最初の二人はパンフレット社と同じ考への人、最後の一人をアリバイ的に違ふ考への人を載せることもある。最後まで読む人は少ないからだ。
4月27日の朝パンフレット15ページ目「オピニオン&フォーラム 耕論」に「どうする 消費増税」と題して法政大学教授、ストーニーブルック大学准教授、三菱UFJリサーチ&コンサルティング主任研究員の三名が登場する。最初の二名は消費増税に賛成、最後の一人が反対だ。これで社会破壊反日パンフレットの本音が消費増税賛成だとよく判る。

五月五日(木)その二 法政大学教授
最初に登場するのは法政大学教授といふ男だが、教授になったのは昨年のことだ。それまでは19年間財務省勤務してきた。これだと肩書は法政大学教授ではなく、元財務省のほうが適切ではないのか。そもそもこの男は理学部卒業で、今は何学部の教授か書いてない。法政大学教授としてあたかも経済か政治の専門家のように見せかける紙面は読者に対する欺瞞だ。まづ
先送りを繰り返すと、借金が新たな借金を生んでしまう、「債務の発散」という状況に突き進む可能性が大きいからです。

こんなことは当たり前の話だ。これを云ふためにこの男といふかこの反日パンフレットは21行も消費した。紙とインクの無駄だ。債務の発散とならないためには
三つの手段しかありません。
「出ずるを制す」こと、つまり歳出の削減を厳格に行うことが一つ。(中略)医療の質を下げるとか、介護の費用を削るとか、受益者への配分を減らさねばなりません。

医療、介護など受益者への配分を減らすほかに、あと二つある。公務員の給料を減らすことと、議員を削減することと歳費を下げることだ。商品の価格は需給関係で決まる。公務員志望者が多いといふことは給料が高すぎるといふことだ。民間は将来の安定が低いこともある。リスクの高い証券は利率の高いのと同じで、公務員はリスクの低い分、給料を下げても需給関係に影響しない。議員は民主主義の手段なのに生活の手段だと勘違ひする議員が多い。ここは定数と歳費を下げるべきだ。
もう一つは、消費税など増税で歳入を拡大させることです。(中略)消費税は逆進性が批判されますが、今後、現役世代よりも受益世代が増えていくことを忘れてはなりません。所得税は働く層への課税であり、サービスを受ける側が費用も担う消費税を増やす方が、理にかなっているのです。

受益世代にも収入の多い少ないがある。多いところの税率を高くしようとはなぜ考へないのか。官僚は天下りで事務次官一人だけが同期で残ると云はれたが、この男が法政大学に就職したのは天下りなのかどうか調べる必要はありさうだ。あと一般の国民と比較して年収が多いのか少ないのかも調べる必要がある。
現役世代が少なくなるのは出生率が低いのが原因だが、高給なのに結婚しない男女もゐる。かう云ふ人たちは収入に余裕があるし、世代間の負担をしてゐないから税金の負担を増やしてもらふ方法がある。
三つ目は経済成長で所得など税収の課税ベースを拡大させることですが、高齢化で日本の成長できる力、潜在成長率は(中略)年々下がっています。

官僚の天下りをやめ、大企業や役所の離職率を中小企業なみにすれば、日本は成長するとは思はないか。或いは日本最大の既得権集団である経団連と連合を解体すれば成長するとは思はないのか。この男には応用力がまつたくない。

五月五日(木)その三 ストーニーブルック大学准教授
次にアメリカ人が登場する。
重要なのは、成長を加速させることにつながる構造改革です。日本は出生率、生産性の伸びが低すぎます。(中略)大きな問題は、日本の会社員の多くが家に仕事を持ち帰れない点にあります。家に早く帰れれば、子どもの世話をしながら仕事もでき、家族と食事をしてからまた仕事ができます。米国では「ホームワーク(家での仕事)」が生産性を高めているのです。

この発言の問題点は、家に仕事を持ち帰ることを許したら際限なく仕事を持ち帰らなくてはいけなくなる。アメリカでは雇用の流動性があるから、持ち帰り量が増えれば転職率が高くなり、そこに均衡のための仕組みが働く。日本にはそれがない。こんなことも分からないアメリカ人になぜ発言させるのか。パンフレットの人物紹介には「日本での勤務経験がある」と書かれてゐるが、勤務経験があるだけでは駄目だ。何十年も働いて詳しい人を登場させるべきだ。そもそもこのページは聞き手の個人名が載つてゐる。だつたらこのアメリカ人に質問しなくては駄目だ。日本では持ち帰りを認めたらサービス残業と同じで無制限に労働強化に繋がる、と。社会破壊パンフレット社では聞き手といふのは子供の使ひ程度の人間がなるらしい。次に
米国は基本的にみな契約社員で、日本の終身雇用のような長期の契約はないものの、若くていいアイデアを持った人が多くいます。

仕事の多くは定型業務で、「いいアイデア」が必要な仕事はそれほど多くはない。といふよりはアイデアはどんな場合にも必要だ。アイデアがあればExcelの表を作るにも、Wordで文書を作るにも効率が二倍くらい上がる。しかし今このアメリカ人が云つてゐることは「若くていいアイデアを持った人」の話だ。アメリカで云へばDirector(課長)やVice President(部長)クラスの話だ。なほこの日米役職対比はアメリカ西海岸の部長の上に事業部長や本部長のゐない規模の会社の場合で、東海岸や大企業では異なる。
日本で、中高年で働かないのに高給取りの正社員が居座れば、生産性は上がらず(以下略)

これは反日パンフレット社にぴつたりの話だ。

この人の主張は以上紹介したように後半は経済成長派なのだが、前半に奇妙な云ひ方が二つ続く。
日本が消費増税を遅らせれば、高い税率で入るはずの3、4年分の税収が得られず、(短期的な財政再建には)マイナスです。それでも、日本の財政の長期的な持続性に大きな影響は与えないでしょう。
もう一つは
今回、仮に増税を延期する場合、政府の信用性が損なわれるリスクがあります。政府の信認が失われ、国債が売られ価格が暴落(金利は急上昇)するリスクです。また、大規模な金融緩和政策をとっている日本銀行がお金を刷りすぎて、将来、急激な物価上昇(ハイパーインフレ)を起こすかもしれない。(中略)実際に起こる可能性はとても低い、という面があります。
つまり前半の前半は消費税を上げないと悪影響があると云つておいて、前半の後半で大きな影響はない、起きる可能性はない、といふ話をした。この後さらに、起きる可能性がある以上国民は心配するだの明日サメに食べられる可能性が10%と云はれるようなものだとつませない例へ話をして後半に繋がる。
普通の人はこの人の話を最後まで読まない。増税が必要だと思ってしまふ。悪質な編集操作だ。

五月七日(日) 三菱UFJリサーチ&コンサルティング主任研究員
三人目の片岡鋼士氏が唯一まともなことを云つた。最初の人は一年前まで財務省なのに法政大学教授を名乗るし、二人目は経済成長派なのに奇妙な編集で消費税賛成派に仕立て上げたからだ。
消費税増税は、延期ではなく凍結すべきだと思っています。
同感だ。私も延期ではなく凍結すべきだと思ふ。私は更に5%に下げるべきだと思ふ。
デフレから脱却し、名目成長率が上がれば、税収は増える。アベノミクスが始まった13年度の一般会計税収は47兆円でしたが、名目成長率が上がったのに伴い、16年度には予算額で57.6兆円まで増えています。
これはよいニュースだ。このあと、長期債務残高の国内総生産比も、これまで増え続けたのに16年度は穏やかに減少に転ずる見込みだといふ。これもよいニュースだ。
消費税増税の可否は、景気のみでなく、これからの望ましい再配分とは何かという観点からも考えるべきです。消費税には逆進性があり、低所得層ほど痛みが大きい。社会保障は高齢者や弱者に分配するものなのに、弱者に負担の大きい税を財源に充てるというのは矛盾しています。
これも完全に同感だ。それならどうすればよいかと云へば
むしろ相続税や資産課税を強化し、格差を縮小させるべきです。消費税に比べて徴税コストはかかるでしょうが、相続税は亡くなる方が増えれば課税ベースが自動的に拡大する。社会保障財源は、名目成長率を高めて税収を増やすことに加え、少子高齢化に伴って税収が自然に増えるような枠組みで対応すべきです。
これも100%賛成だ。更に
消費税はこれ以上上げるべきではない。むしろ消費税率を5%に戻すべきです。
さきほど、片岡氏が消費税凍結を云つたときに、私は更に5%に下げるべきだと思つたが、片岡氏も同じ主張をされてゐた。片岡氏の主張こそ正論だ。残念なことに三人中の三番目だからほとんど(おそらく95%)の読者の目には触れなかつた。(完)


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