八百二十六(丙) 本川達雄氏の主張にほとんど賛成、しかし元東京大学助手、元東京工業大学教授、NHK出演が諸悪の根源に

平成二十八年丙申
四月十七日(日) 一つ目の相違
6日の朝4時20分にテレビを点けたところ、「視点・論点」といふ10分間の番組が始まるところだつた。この日は生物学者の本川達雄氏が出演し、話の内容は二つを除きすべて賛成だつた。話の中身を抜粋すると
日本人は大変に長生きになりました。戦後すぐの寿命が53才ですから、その1.5倍も長生きになつたんです。
これはなんと云つても医療のおかげです。そして今の医療は大量のエネルギーを使ひますから、エネルギーで寿命という時間を作り出している、これが医療だと思ふんですね。
このエネルギーを使って時間を作り出すのは、医療だけではありません。便利な機械はすべてそうです。たとえば車。ガソリンを燃やすと早く着けます。エネルギーで、自由に使える時間を作る。つまり時間製造機が、車なんです。コンピュータも携帯電話もそうです。


ここまで100%賛成だ。同じ内容がこのあと少し続くが省略し、次の段落で
この関係に気付いたのは、動物の時間について考へてゐた時でした。
ネズミの心臓はすごく早く打つんです。1回のドキンが0.1秒。私たちの10倍も早い。ゾウではドキンが3秒で、これはわれわれの3倍も時間がかかっている。小さいものは何でも早いんですね。呼吸も早い。そして早く成長して子を生み、すぐに死んでしまいます。逆にゾウは心臓も呼吸もゆっくりで、時間をかけて大きくなり、長生きします。
実は体の小さい動物はエネルギーをたくさん使ふんですね。ネズミの細胞の方が、ゾウの細胞よりずつとたくさんエネルギーを使つて活発に働いてゐます。動物においては「エネルギー消費量と、時間の速度とが、比例する」という関係があり、これは、車やコンピュータと同じなんですね。


ここは私の知らない話だから、なるほどと感心しながら視聴した。このあと、生物は寿命があるため子孫を作る、自分と同じ物を作ることもできるが環境が変化すると対応できなくなるため、少し違ふものを再生する、これを本川氏は生物の戦略と表現された。しかしこの表現には反対だ。自分と同じ物を作る生物と、少し違ふものを造る生物と、何も造らない生物がゐると、三番目の生物は一代で滅びる。一番目の生物は環境が変化すると対応できない。二番目の生物は環境が変化しても子孫が続く可能性がある。それだけの話で、戦略といふ云ひ方が耳に引つ掛かつた。

四月十七日(日)その二 二つ目の相違
本川氏は続けて、次の話をされた。
ですから生物学的に言へば、子供は私であり、子供が住みやすい社会を造ることが、私にとつてものすごく大切です。ところが今の社会には、さういふ発想が乏しいんですね。
今の私のことしか考えない。赤字国債で医療費をまかなつてでも、何とかガタガタになった体をもたせようとあがく。これは生物学的には、大変に問題の多い振る舞ひです。


ここも100%賛成だ。次に
赤字国債とは次世代へのつけです。そして資源を使ひ果たし廃棄物ばかり次世代に残す。環境も悪くして引き渡す。これでは次世代の生存が危うくなりますし、自分自身の生存だつて保証されません。生存と永続を大切にする、生物の発想に、今少し敬意を払つた方が身のためでしょう。


ここもすべて同意見だが「赤字国債」の解釈が異なるかも知れない。私は赤字国債は絶対に反対だ。増税してでも解消しなくてはいけない。増税は直間比率を同じに保つたままで上げなくてはいけない。ところが菅直人と野田といふ嘘つきどもが、シロアリ民主党(当時)とニセ労組シロアリ連合の都合のよいように、どさくさに紛れて直間比率を変更した。このことは絶対に反対しなくてはいけない。本川氏は生物について述べてゐるのであつて消費税増税ではないから、本川氏の発言に非同意の部分は微塵もない。しかし何の補足もなく赤字国債といふと、消費税増税を推進することになるから、ここは絶対に反対だ。
本川氏は次に
今は利己主義の世の中です。「他人のため、次世代のためにもっと我慢しよう」と言っても、なかなか受け入れてはもらえません。
だから利己主義は大いに結構だと、私は言います。でも、その利己の「己」とは何なのかを、考えて欲しい。もし、子も孫も私なら、今の私の幸せだけではなく、子や孫の私をも含めた、トータルの私の幸せの量を最大にするように行動すべきでありまして、子や孫を含めた「広い利己主義」へと、発想を変えるべきだと、私は思います。
現代人の発想はあまりに刹那的です。以上、生物学者の考えた、この高齢化社会を生きる、心構えでした。


ここも本来はほとんど同意見だ。強いて違ひを探せば、本川氏は利己主義は良いが次世代のことを考へろと主張し、私は自分のことしか考へないのが利己主義で、次世代のことを考へるのは利己主義ではないとする。本川氏もなかなか受け入れてはもらえません。だからといふ主張だから、私とほとんど変はらない筈だ。しかし今の政治情勢を見ると、シロアリ民進党と社会破壊拝米新自由主義反日パンフレット(自称朝日新聞)などのリベラル勢力は、利己主義を推し進めながら、消費税増税を次世代のためと称してゐる。なぜこんな矛盾が生じるかと云へば、消費税自体がシロアリ勢力に都合のよいものだからだ。
本川氏がシロアリ民進党と連携して主張したとは思ひたくない。しかしあまりの一致に、あるいはシロアリ民進党の主張に擦り寄つたのかも知れない。

四月十九日(火) 本川氏を批判する理由
本川氏と私は、二つの相違を除いて意見が一致する。それなのにテレビを見てこれは批判しなくてはならないと感じた。その理由は上から押し付けるような話し方だ。或いは途中から、ジェスチャーの大げさなことに気付いた。この時点で本川氏がどういふ人なのか知らなかつた。
後日調べて見ると、元東京大学助手、元東京工業大学教授、歌ふ生物学者として有名でNHKに出演したのもそのためだらう。過去に上から押し付ける話し方で嫌な印象を持つた人がゐた。上田紀行氏で東京工業大学教授といふ共通点がある。上田氏の奥さんはNHKのアナウンサーだから、今回NHKに出演した本川氏とNHKでも共通点がある。本川氏は話に中身があつたからよいが、上田氏の場合は中身がない。著書を読んでも中身がない。
更に共通点がある。どちらも東京大学卒業だ。東京大学卒業者には優秀な人もゐるのだらうが、本川氏と上田氏の上から押し付ける話し方の1/3は東京大学卒が原因ではないのか。(完)


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