七百九十二 アマゾン僧侶手配サービスに八割賛成
平成二十七乙未
十二月三十日(水)
全日仏が理事長名で批判
中外日報によると
全日本仏教会(東京都港区)は24日、インターネット通販大手アマゾン・ジャパンが僧侶手配サービスを今月初旬から始めたのに対し、「宗教行為をサービスとして商品にしている」と批判する談話を齋藤明聖理事長名で発表した。
アマゾンのサービスは全国どこにでも僧侶を手配するというもので、自宅や墓地で法事・法要を営む場合の料金は3万5千円。2万円を追加し戒名を授かることもできるとしている。
談話では、宗教をビジネスとしていることを非難し、「お布施はサービスの対価ではありません。同様に、『戒名』『法名』も商品ではない」と指摘。さらに、諸外国で宗教行為をサービスとして商品にすることを許している国はないとし、「世界的な規模で事業を展開する『アマゾン』の、宗教に対する姿勢に疑問と失望を禁じ得ない」と述べている。
私はアマゾンのサービスに八割賛成二割反対である。まづ私は、これまで各宗派の宗務庁とその協議体である全日仏が、都市化に伴ふ地方寺院対策に何もやらなかつたことに強い嫌悪感を三十年近く持つてきた。また信仰心の篤い在家出身僧侶の育成と活躍の場を作らないことにも二十二年間、嫌悪感を持つてきた。
なぜ後者が二十二年間なのかといふと、横浜市鶴見区役所の正面道路を一本入つた路地に曹洞宗の布教所があつた。ここは川崎市内の寺の系列なので都市内の問題だか、この布教所は二年程して閉鎖された。企業でいへば倒産である。
地方では人口の都市流入に伴ひ商店やバス会社から寺に至るまで皆が大変だ。本来は人口流入に会はせて大都市の寺院から宗費を余分に集め、それを地方寺院に配分するだけだと短期ではよくても中長期では悪い結果しか生まないから、住職転勤制(企業では当り前。宗務庁が僧侶の移転先を命令する)にするか、地方寺院首都圏進出大行進(XX会の折伏大行進を上回る)をやらなくては駄目だ。ところがやらなかつた。
といふことで各宗派の宗務庁と全日仏は、ニセ労組シロアリ連合とシロアリ民主党や、ニセ政治献金経団連とニセ政治献金業界団体と同じで既得権勢力だから、阿鼻地獄行きだといふのが閻魔大王の査定ではないかと私は推測する。勿論私は閻魔大王とコネは無いから本当のことは判らない。狂乱地獄で済むかも知れない。
十二月三十一日(木)
全日仏こそ僧侶手配サービスをやれ
十割賛成ではなくて二割反対の理由は、(1)アマゾンが手数料を取ることと、(2)よい僧侶かどうかをネット上でどう判断するか。
当ホームページはこれまで、僧侶が葬儀で法話をせず帰ることを批判してきた。手配サービスだとますますさういふ僧が増える心配がある。
ここで、全日仏と各宗派の宗務庁はやるべきことがある。自分たちも僧侶紹介システムを始めることだ。手数料は取らない。金額は「3万円以上」と表示する。アマゾンより5000円安いのは手数料が不要だからだ。「以上」としたのは、法話の中身がよかつたり誠意のある僧侶だつたときは終了後に追加のお布施をお渡しすべきだ。
一月三日(日)
布教所を心の中で応援
自転車でJR貨物の浜川崎駅や塩浜操駅(現、川崎貨物駅)の周りを一周するとき、民家に寺の名前を掲げた布教所がある。中に入つたことはないが、その前を通るときに心の中で応援する。鶴見区にも僧X宗布教所の看板を掲げた民家があり、ここも心の中で応援してゐる。
おそらく檀家のある寺院から応援を頼まれたりして、これらの布教所はやつて行くのだと思ふ。だから布教所の僧侶は既成寺院を批判するようなことはなかなかできない。しかし、私のように第三者から見ると、檀家のある寺が優秀で、布教所の僧が劣ることは絶対にない。逆に、布教所を作るくらいだから熱意に溢れるに違ひない。これらの僧を応援するためにも、僧侶手配サービスは広めたほうがいい。檀家のある寺も僧が活性化するに違ひない。(完)
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