七百五十四 小沢一郎氏の誤り

平成二十七乙未
十月五日(月) 自民党分裂以後の小沢氏
自民党を分裂させて以降の小沢氏の功績は大きい。まづあの分裂で、船橋洋一の英語公用語論と組んだ小渕政権を崩壊させた。そして二番目に細川政権を誕生させ自民党の長期政権に終止符を打つた。本来はこの時点で日本は政権交代できる国になる筈だつた。まだ社会党は健在だから野党も健在である。シロアリどもの入り込む余地はなかつた。
ところが村山富市なる男が自民党と連合政権を組み、これ以降、自民党の長期政権が復活してしまつた。しかも村山富市は社会党を消滅させたから、野党に左翼バネが働かなくなつた。

十月六日(火) 今は与党対野党の時ではない
小沢氏がシロアリ民主党から共産党までの野党結集を訴へたことは十分に理解できる。しかし今、野党が結集したらシロアリ民主党が喜ぶだけだ。シロアリ民主党を撲滅した後に野党が結集しなくてはいけない。小沢氏の野党結集に十分理解できる理由は、議員は落選したら生活の手段を探さなくてはいけない。それがあるから当選のために野党結集を訴へた。つまりは日本の民主主義には欠陥があるため、小沢氏はさう主張をせざるを得なかつた。諸悪の根源は欠陥民主主義である。
改善するには、議員は無給にするか、議会に出た時間と往復に要した時間だけ時給(最低賃金程度)を支給すべきだ。これで政治屋はゐなくなる。秘書は廃止すべきだ。秘書なんてものがあるから偉いと勘違ひするシロアリどもが出現する。将来はこれらを改善すべきだが、現制度下では小沢氏の主張は尤もである。

十月七日(水) シロアリ民主党の撲滅を
さうは云つてもシロアリ民主党は撲滅しなくてはいけない。そののちに健全野党を作るべきだ。健全野党とはニセ労組シロアリ連合の圧力を受けないことと、松下政経塾出身者のようなアメリカの猿真似しかできない欠陥政治屋の排除である。

十月十二日(月) 前原派、野田派が何をしたか
小沢氏が幹事長を辞任した後に、前原派と野田派と、悪魔に良心を売つてしまつた菅直人は何をやつたか。小沢氏の処分を強行し、公約になかつた消費税増税を突然云ひ出した。それまであつた自民党と民主党の対立軸を破壊した。
自民党と非自民各党の対立軸を破壊した村山富市も同じである。そしてどちらも消費税増税が絡む。悪魔に良心を売ると消費税を上げる。国民のことを考へないからだ。

十月十五日(木) 保守性
平成十五(2003)年までの民主党は、大都市志向が強く、政権を取ることは不可能だつた。ここに小沢氏の自由党が合併し保守性が加はつたことで国民の支持を集めた。シロアリ化した民主党を分裂させた後の小沢氏は保守性を失つた。革新と保守は対立する主張ではない。革新と既得権派こそが対立軸である。昭和四十年代まで都市部においてはそれまでの生活が破壊されることへの批判が革新層に集まつた。つまり都市部の保守を革新勢力が集めた。自民党は農村では強かつたが、ここでは自民党が保守だつた。小沢氏のすべきは保守性の復活である。(完)


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