七百二十五、安保法案に賛成(どの角度からも反対だが、国会と新聞で反対する連中よりはまともだ)

平成二十七乙未
七月十七日(金) どの角度から見ても反対だが
安保法案はどの角度から見ても反対である。まづ人類史上最も残虐な戦争犯罪人トルーマンとマッカーサが押し付けたとはいへゴミ憲法に違反である。今は無き「日本社会党」は末期に自衛隊の「違憲だが法的に存在」を主張した。このときの社会党とそれ以前の四十年間自衛隊を違憲と主張し、それでゐて第二党を守つたのだから立派である。私だつて二十歳になつて以降の選挙では、一番最初は民社党、二回目以降は社会党が左派の場合は社会党に投票した。
その私でさへ今回の安保法案には賛成である。そもそも私は船橋洋一の英語公用語化の以降、日本のアメリカ信託統治領化には絶対に反対である。更にゴミ憲法の無理やり解釈にも反対である。それ以上に今回安保法案にエネルギーを使ひ果たすことにより、ゴミ憲法の全面改正が遅れることに反対である。つまりあらゆる角度からみて反対にも関はらず、ゴミのような政党とマスコミが反対するため、賛成に転じた。

七月十八日(土) 山口二郎氏批判
六十年安保闘争は安保条約そのものに反対する運動である。既に存在する条約の改定時ではあつたが、決して改定内容に対する反対ではない。ましてや当時の首相そのものに反対したのではない。それなのに山口氏は三年前に、六十年安保闘争はA級戦犯だつた岸信介首相(当時)に反対したものだつたとでたらめを言つた(山口二郎氏批判{その二、山口氏は国立大学教授失格だ} へ)。もしA級戦犯だつたことに反対するなら首相就任時に国会デモが起きてゐたはずだ。
先日の衆院平和安全法制特別委員会で、山口氏は前回に懲りず次のようなでたらめを言つた。
当時の岸信介首相は、憲法、特に9条を改正して国軍を持つことを宿願としていた。そのための第一歩として、安保条約の改定を図った。/これに対して空前の規模の抗議活動が起こり、数十万の市民が国会や首相官邸を取り巻いた。当時の人々が新安保条約を理解していたかどうかはともかく、人々は岸首相が体現する戦前回帰、戦後民主主義の否定という価値観に反発して未曾有の運動を起こした。/安保条約自体は衆院の可決により承認されたが、岸首相は退陣を余儀なくされた。

安保闘争は安保条約に反対するものだ。九条を改正して国軍を持つための第一歩とすることに反対したのではない。山口氏は続けて
自民党はこの騒動から重要な教訓を学び取った。憲法と戦後民主主義に対する国民の愛着が強いものであり、それを争点化することには大きなリスクが伴うという教訓だ。

と明らかなでたらめをいふ。どこがでたらめかといへば、憲法と戦後民主主義に対する国民の愛着が強くそれを争点化することに大きなリスクが伴うと自民党が感じたなら自主憲法の制定といふ党の方針をすぐに撤回したはずだ。実際には撤回しなかつた。それにも拘らず自民党は細川政権の誕生まで与党を維持した。多くの国民が自民党を支持した理由は、一つには共産主義に対する不安であり、二つには近代西洋文明とは違ふ伝統意識を持つことへの支持であつた。なぜそんなことがいへるかといへば、共産主義にアジア志向が強いベトナム戦争の時代にあつては革新勢力(社会党、共産党)はかなりの支持を集めた。東京、神奈川、埼玉、大阪、京都などの知事と、横浜、川崎、仙台などの市長を革新勢力が占めた。
ベトナム戦争終了後はカンボジアのポルポト、毛沢東の文化大革命の失敗、中越戦争、そしてこれらの本家ともいふべきソ連の崩壊で、細川氏の構想段階では社会新党、実行段階では日本新党に人気が集まつた。この場合も社会党の新しいものといふ期待を集める一方で、日本新党といふ伝統に通じる党名が人気を集めた。社会党の村山といふ政治理念のない政治屋のせいで社会党が解体ののちは石原元都知事、橋下大阪前知事現市長が人気を集めた。これらを見れば国民が何を望むかは明らかである。

七月十九日(日) 昭和三十年代の補正
以上述べて来たことは革新勢力が都市部で伸張した昭和四十年代とベトナム戦争が終つた昭和五十年以降の話である。昭和三十年代の補正として、終戦から十数年で厭戦気分は強かつた。その一方でアジア各地の独立戦争は続いてゐた。だから憲法違反の自衛隊を廃止もしくは警察予備隊に戻し、併せて日米安保条約も破棄しようといふ気持ちは多くの国民にあつた。この素朴な平和運動なら大賛成である。
ところが村山富市以降の平和運動は変質した。安保条約を認めるくせに平和を叫ぶ。こんな偽善に国民はうんざりし社民党は激減した。社民党は偽善だがシロアリ民主党は欺瞞である。党内に拝米タカ派を抱へる。前原が国土交通相のときに日中関係が最悪になり、枝野は中国に進出する企業は自己責任だと暴言を吐いた。そもそもこれらは拝米の立場からの改憲派である。シロアリ民主党が安倍政権誕生以降の憲法改正に反対するのは拝米の立場からであり、安保法案に反対するのはシロアリ民主党が頼れるのはもはやニセ労組シロアリ連合の組織票だけといふ自分たちの議席のことしか考へない醜い行為である。山口氏はこの路線について
戦後日本が他国の戦争に巻き込まれずに済んだのは(中略)日米安保条約のもと、日本が憲法9条により集団的自衛権の行使を禁止していたからであった

と正当化するが、このような状態が本来は長続きする訳がない。たまたま米ソ冷戦があつたためアメリカがこつちの水は甘いぞと宣伝のため日本に寛大なだけだつた。だからソ連が崩壊して以降は、米側の要求が次々にエスカレートし、つひには船橋洋一の英語公用語まで現れた。英語以外にも住宅資材の輸入自由化で奇妙な形の家が増大し街の景観を損なふばかりか大工など技能職から熟練工が減るなど、国内のあらゆる方面に害悪を及ぼした。

七月十九日(日)その二 国の独立
日米安保条約は旧条約を含めて六十三年。短期や中期で破棄できる問題ではない。その一方で現状を続ければ永久に独立はできない。まづ集団自衛権を認めて一回は戦闘に参加すべきだ。日本が希望するのではない。アメリカがこれまでも圧力を掛けてきた。集団自衛権を認めれば日本が希望しなくてもアメリカが日本を巻き込む。東アジアでは戦闘は起きない。あるとすれば航路の防衛である。だとすれば自衛隊に被害はでない。
トラック運送会社の社長が大阪まで荷物を運ぶのに国道一号ではなく東名高速を使へと言つたとする。それに対し国道なら事故が起きてもせいぜい軽傷だが東名高速だと死亡することがあると反論するようなものである。気を付ければ事故は起きない。巻き添へはあるが確率は低い。それより「日米安保条約のもと」などとアメリカにこびを売ることで現状を維持しようとする姿勢こそ危険である。アメリカの要求はどこまでも跳ね上がる。戦闘に参加することで国民の独立心は大きく向上する。
自衛隊の海外戦闘を認めるのかと云はれさうだが、社会党時代の安保条約破棄と自衛隊の違憲合法なら賛成である。安保容認で日本の米軍基地から朝鮮半島やベトナムに米軍が行つたことを後追ひ承認しそれでゐて平和や護憲を叫ぶ偽善や欺瞞が駄目だと云つてゐる。なぜ偽善や欺瞞が出てくるかといへば根底に拝米があるからだ。

七月十九日(日)その三 山口次郎氏批判、その二
生活の一部に仕事があるのであり、仕事の一部に生活があるのではない。戦後の日本はそこを間違へたためまづ水俣病やイタイイタイ病などの公害が現れ、次に過労死が現れ、円高による現業職受難の時代が現れ、バブルとその崩壊が現れ、今では人件費節約のための非正規雇用が現れた。つまり戦後の日本はボタンの掛け違ひから世の中が安らかになつたことがない。それなのに山口氏は
岸首相の後を襲った池田勇人首相は、憲法改正を事実上棚上げし、経済成長によって国民を統合する道を選択した。この路線は以後の自民党政権にも継承された。安全保障政策においても、憲法9条を前提とし、これと自衛隊や日米安保条約を整合的に関係づける論理が構築された。(中略)まさに、戦後レジームは他ならぬ自民党が作り出した態勢であり、そのもとで日本は平和と繁栄を享受したわけだ。

戦後の体制は米ソの冷戦下で日本も共産主義化するかも知れない状況を経済成長で防ごうとするものだ。憲法改正が出来なかつたのは革新勢力が1/3を超えてゐたためだ。大都市では革新勢力が強かつたが、農村では自民党が強かつた。そこに自民党の良さがあつた。伝統文化を守り農村の香りのする政党は国民の支持を受ける。それ以外に景気のよくなる政策も国民の支持を受ける。自民党は両方を兼ね備へてゐた。山口氏とシロアリ民主党の主張はまさにこの二つの反対である。進歩人ぶるがすることは拝米である。ニセ労組シロアリ連合(自称、連合)しか頼る票がないから既得権の維持しか考へない。先の消費税増税はその典型である。

七月二十二日(水) 怪しげな連中が入り込む
今回の安保法案に一番派手に反対するのがシロアリ民主党、一番マスコミに登場するのが拝米猿真似学者と裏切り女辻元清美、一番突出するマスコミが社会破壊反日(自称朝日)新聞である。つまり当ホームページがこれまで批判してきた連中ばかりである。
シロアリ民主党は党内に反中強硬派、拝米新自由主義改憲派の前原、枝野などを抱へる。前原はまづ野党のときに尖閣問題をさかんに国会で質問し、国交相になるや中国の漁船船長を逮捕し結局は怖くなつて釈放し、外相のときは対中強硬を貫いた。今まで中国との関係が悪かつたのは前原が原因である。辻元清美は国交副大臣のときに大臣の前原と仲良くなり、社民党が連立政権を離脱すると社民党を離党し裏切り女と呼ばれるようになつた。今回反対する学者は山口氏のようにシロアリ民主党系以外は、もともと拝米の立場から改憲を主張してきた連中ばかりである。
これらに共通するのは拝米である。そして社会を破壊すればアメリカみたいになれるとばかり社会を破壊することばかりに熱中する。社民党は既に手遅れだが、共産党と全労連と全労協とその他すべての左翼はこれらの連中とは一線を画さなくてはいけない。十年ほど前だらうか社民党の国会議員が、民主党の議員は六本木あたりで欧米人や外資系とばかり飲んでゐると批判したことがあつた。そのころの社民党はまだ独立心があつた。その後、旧革新勢力から国の独立心がどんどん消えていつた。旧革新勢力は昭和四十年代の魅力を取り戻すため、安保法案はどの角度からも反対だが国の独立のため賛成だ、そこまで踏み込めないなら法案には反対だがシロアリ民主党の審議拒否には反対だといふ立場を取るべきだ。ホーチミンの「国の独立ほど尊いものはない」といふ言葉は尊い。(完)


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