六百四十五、中国の習近平国家主席が、日本と中国はアメリカの最大の被害者といふ意識を持つといふ記事を読んで

平成二十六甲午
十二月十一日(木) 或る記事
先週日経BPだつたか週刊ダイヤモンドのオンラインだつたか、中国の習近平国家主席が、日本と中国はアメリカの最大の被害者 といふ意識を持つてゐるといふ。これは歴史を中期で見れば正しい。日本は海外との交流を出島、朝鮮、琉球など制限した中で、 それが徳川独裁であり武家の世襲ではあつても二百年以上平和な世の中が続いた。それを壊したのがアメリカの黒船である。
中国はアヘン戦争以来列強の侵略を受けたが、直近のベトナム戦争、国共内戦を考へればアメリカが主敵である。

米ソの冷戦が終結して以来、国内の文化破壊が一番大きいのは半独立状態の日本であり、現在の世界でアメリカと対峙する最大国 は中国だから、日本と中国はアメリカの最大の被害者といふ感覚は正しいものである。

十二月十三日(土) 経済
日本がアジアの一員として行動するなら、日本と中国は不仲にはならない。アジアの一員とはまづ経済で他国を見下さないことだ。 日本の経済も昭和三十年代までは周囲の国ぐにと変はらなかつた。昭和四十七年に田中角栄首相が訪中したとき日本は高度経済 成長の只中にあつたが、昭和三十年代の経済はすぐ前のことであり国民の記憶の大半を占めた。田中氏は初の大正生まれの首相 であり、それまでは明治生まれだつたから貧しい時代のことを皆が知つてゐた。
ここで貧しい時代と書いたが、当時が異常なのではなく今が異常である。化石燃料を消費しなければ昭和三十年代の経済になる。 これが普通なのだといふ感覚を日本の国民はまず取り戻す必要がある。

十二月十九日(金) マスコミから姿を消した「日本と中国はアメリカの最大の被害者」
その後、マスコミによる情報操作が行はれた。この記事は削除されたようだ。検索サイトを何回調べても出てこない。このころニセ新聞東京 パンフレット(自称、東京新聞)では「南京大虐殺犠牲者国家追悼日」の記事が載り、周近平国家主席が九ヶ月前にドイツで30万人が殺害 されたと発言したことを書いた。追悼式で30万人と発言したかどうか不確実なため、無理やり九ヶ月前の発言でお茶を濁したようだ。不確実 なのになぜ記事を慌てて載せなければならなかつたのか。事はニセ新聞だけではない。日本の全国紙は拝米反アジア国売り(自称読売) 新聞、拝米反日(自称朝日)新聞、白人国崇拝KKK(自称サンケー)新聞といづれも拝米である。しかもテレビ局は新聞社の系列である。

やつと「マスコミより確かな習近平の言い分」といふ書籍が先月出版され、その赤色の帯に「"中日"はアメリカの被害者だった」と書かれて ゐることを検索サイトで見つけた。

十二月二十四日(水) 七年前の人民日報日本語版の記事
中国の人民日報のインターネットは人民網と称し日本語版もある。かつてはメール配信もあつたので私も登録して送られた。五年ほど前にメール は廃止され、それ以降ホームページを見る機会はないが、たまたま七年前のこれはよいといふメールを保管してあつた。日本の新聞社が
各年齢層の日本人3千人を対象とした世論調査の結果を発表した。これによると、日本人の78%が自分に「愛国心がある」と思う一方、85%が 「歴史を反省する必要がある」と考えていた。また、愛国心の強い人は「歴史を徹底的に反省すべき」と考える人の割合が他のグループよりも 高かった。(中略) 愛国心と歴史の反省は従来、互いに矛盾しないもののはずだ。(中略)実際、いかなる民族も愛国教育を行うことができるが、 どの民族の祖国も具体的で、歴史を持つ国なのである。東洋人は「修身斉家治国平天下(身を修め、家を斉のえ、国を治め、天下を平らかにする)」 を完璧なシステムとして重んじることで処理してきた。個人レベルでは、修身とは「吾日三省吾身(われ日にわが身を三省す)」であり、国家レベル では歴史を認め、歴史を反省し、歴史を尊重することである。中国のある史書は「資治通鑑」と名付けられている。「歴史を鑑」にせよとの意味だ。 明朝の思想家・朱舜水はこの文化思想を早くに日本に伝え、日本の人民に大いに発揚されている。(中略)経済のグローバル化が進む今日、大和 民族は当然、こうした歴史反省の精神を引き続き発揚し、隣国関係に慎重に対処していくべきだ。中日関係を引き続き踏み込んで発展させ、両国 人民の世々代々の友好を実現するには、今もなお歴史を正しく反省し、歴史の結び目を解くことが、必要不可欠なのである。(編集NA)
「人民網日本語版」2007年1月29日


日本が反省すべきは西洋の猿真似で帝国主義になつたこと、西洋の猿真似の民主主義の結果、昭和大恐慌に議会政治が対応できず国民が軍部 や右翼に期待したことだ。決して日本の西洋化が不足してゐたからではない。そこをリベラルと称する連中は間違へてゐる。だから多くの国民は 日本を取り戻すといふ安倍政権に期待するようになつた。

平成二十七乙未
一月五日(月) 孔健著「習近平の言い分」特別収録その一
さつそく孔健著「習近平の言い分」を読み始めた。孔健氏は孔子直系第75代で山東大学日本語科を卒業し中国画報社の駐日代表として来日。 世界孔子協会会長、日中韓経済促進協会代表理事。書籍はまづ特別収録として中国国営テレビ白岩松氏による一昨年末の習近平・独占インタ ビューで始まる。以下は孔健氏がまとめたインタビュー要旨である。
(1)米国は、EUの中で金融システムがもっとも脆弱なギリシャを標的にして、ユーロ通貨の攻撃に出た。それによって、実際ギリシャ危機はEU 全体を動揺させ、ユーロの地位は大きく揺らいだ。(中略)中日両国は十分な外貨準備を保持している国だから、米国は中日間に釣魚島問題を 起こした。(中略)釣魚島問題によって日本円と人民元が打撃を受けた。(以下略)
(2)こうした時に発生した釣魚島をめぐる争いは領土争いの形になっているが、本質は米国が引き起こした経済戦争なのだ。(以下略) (3)米国は、中国に愛国主義を鼓吹し、それで中国をがんじがらめにしようとした。香港の反中国・親米の人たちが突然「保釣運動」に向かった ことには、そういう背景がある。また、米国は日本の異端政治家を使って、長期にわたって抑えつけられていた日本の領土的野心を焚きつけて いる。(以下略)


孔健氏はここで石原都知事(当時)のワシントンでの講演を説明するが、私はその前のシロアリ化した民主党(鳩山政権から菅政権へ)の前原が 尖閣諸島問題に火を付けたことが一番の原因と見る。シロアリ民主党内の拝米反アジア新自由主義派こそ諸悪の根源である。勿論本来反米 独立派の石原がなぜワシントンで演説をしたのかを考へるとそこにアメリカの工作があつたことは間違ひない。
(4)米国は地球上に二つの大きな番犬をもっており、二つとも非常に凶暴だ。その一つは欧州の英国で、米国のユーロ攻撃の中で英国は積極的 にそれに加担した。もう一つはアジア太平洋地域の日本だ。本来、米国は日本を手駒に使いたくなかった。なぜなら、この国の人間は簡単に頭に 血が上る欠点をもつからだ。だから、米国はフィリピンだけを使って中国と争いを起こし、中国から資本を流出させようとした。しかし、フィリピンは その任に堪えなかった。中国が軍艦を使って脅すと、フィリピンはすぐに逃げてしまったのだ。

日中が親密になりさうになると必ず事件がおきる。アメリカが裏で工作したと解するのが自然である。

一月六日(火) 孔健著「習近平の言い分」特別収録その二
(6)米国がユーロへの攻撃に当たり、直接的な介入もできる。なぜなら、ユーロは保護する障壁が何もないからだ。一方、中国と日本には、それぞれ 主権、軍隊、厖大な外貨準備があるので、争いを起こしたり、日中間を衝突させたりすることでしか、二国の資本を米国に移すことはできない(以下略)
(14)中日間の通貨関係についても、米国を困らせる問題がある。中国と日本はすでに通貨スワップ協定を締結していることだ。(中略)ではどう阻止 するか。その中で出てきたのが釣魚島の問題だ。
(15)釣魚島の上空はあやしい雲行きとなり、戦争は一触即発の状態にある。(中略)また、日本の財務大臣(中川氏のこと)が突然自殺したが、これ にも疑問点が多い。これらは、すべて米ドルの地位を守るための動きで(中略)日中戦争の危機が高まっていることに、米国は傍らで薄ら笑いをして いるのだ。(以下略)

日本の報道にはほとんど見られないが、習近平は尖閣諸島の問題は、アメリカが仕組んだ紛争だと見ているようだ。(中略)また、2009年に亡くなった 中川昭一元財務大臣の子音について疑問を呈し、アメリカの影を暗示した物言いをしているのも気になる。日本の報道では死因については−自殺説、 他殺説が飛び交ったが、行政解剖でも死因は特定できなかった。

尖閣諸島問題はアメリカが仕組んだ、或いはアメリカの意を受けた人間が仕組んだ。これは100%確実である。なぜなら菅が首相になつた後の国交相 前原が尖閣問題を引き起こしたし、ワシントンで石原都知事(当時)が土地の都購入を発表し、後追ひで野田が国有化したからだ。

一月七日(水) 孔健著「習近平の言い分」第一章
せつかく特別収録は日中の親善を回復するよい記事だつたが、第一章で元に戻る。資本主義の矛盾が戦争を引き起こすといふ本来の共産 主義ではなく、中米ソ対日独伊といふ当時の軍事バランスで発生した事象に捕はれる。しかしこの章で興味のあるのは次の文章である。
今でも中国人が許すことのできない歴史上の日本人がいる。すべて戦争に絡んだ人物だ。雑誌の特集ネタにもなっている。
最初は、伊藤博文。日清戦争後、李鴻章との間に馬関条約(下関条約)を結び(以下略)
二番目は大山巌。日清戦争時(中略)旅順陥落後民間人を含む1万8000余名を殺害した、旅順大虐殺の責任者だ。
三番目は昭和天皇。(中略)抗日戦争(日本名・大東亜戦争)の責任者だ。
四番目が東條英機。軍国主義者。A級戦犯だ。(以下略)
五番目は岡村寧次(おかむらやすじ)。抗日戦争時、「殺し尽くす、奪い尽くす、焼き尽くす」という、主に共産党の八路軍根拠地に対して行われた三光作戦 の司令官。
六番目が谷寿夫。南京大虐殺の責任者。第二次世界大戦後、蒋介石による南京軍事法廷で(中略)銃殺刑となっている。
七番目が石井四郎。満洲に拠点を置いて細菌戦の生物兵器の研究をしていた陸軍軍医。(以下略)
八番目は、土肥原賢二。旧日本陸軍の謀略部門のトップとして満州国建国に中心的役割を果たす。東京裁判で(中略)処刑されている。


以上の八名だが
戯れに、九番目はだれかといえば尖閣諸島を国有化した野田佳彦、切りのいい一〇番目は日本を右傾化した安倍晋三だ。

このうち安倍晋三は日本を右傾化したのではなくアメリカ属領を推進したことだ。日本の独立であれば一度は通らなくてはいけない難路であり、それを望ましい 方向に向ければアジア全体の平和に繋がる。

一月七日(水)その二 孔健著「習近平の言い分」第三章
毛沢東の中国人の評価は「功績第一、誤り第二」というものだ。人民を搾取する蒋介石を中国本土から叩き出し(以下略)
失敗はあったが、功績の大きさは失敗を上回っているという評価だ。


日本の拝米マスコミが流すように中国人はアメリカ式の清二を求めてゐるといふのは間違ひである。その毛沢東が
1956年、戦争が終わってわずか一一年後に元日本陸軍の遠藤三郎前中将と戒壇した際にも、「あなたたちはわれわれの先生であり、感謝しなければならない。戦争こそが、まとまりのない中国人民を団結させたからである」と述べている。
1961年1月24日日本社会党の黒田寿夫(くろだひさお)らと会見した時には、
「日本軍がかつて中国の大半を占領したために、中国国民は学ぶことができた。もし侵略がなければわれわれはいまだへき地にあり、北京で 京劇を見ることもなかっただろう。(中略)感謝しろと言われれば私は侵略に感謝しても良い」と述べている。
また、1964年、日本社会党の佐々木更三委員長が率いる佐々木視察団ほか四団体の訪中団との会見で(中略)佐々木委員長が、
「過去において、日本軍国主義が中国を侵略し、みなさんに多大な多大な損害をもたらしました。われわれはみな、非常に申し訳なく思って おります」
と挨拶したのに対し、毛沢東は、
「何も申し訳なく思うことはありません。日本軍国主義は中国に大きな利益をもたらし、中国人民に権力を奪取させてくれました」(以下略)
また別な機会には、日本人をこう評価している。
「日本人は勤勉で偉大な民族だ。日本人は長いあいだにわたって外国人の支配を受けたことがない。(中略)中日両民族派いま平等であり、偉大なふたつの民族だ」


毛沢東の発言は正しい。資本主義の変異への回復方法として共産主義がある。変異とは一つには労働者の悲惨な生活であり、二つには帝国主義である。

一月十日(土) 孔健著「習近平の言い分」第四章
日本では偏向マスコミの影響で国民の多くが、中国は国民の多くが共産党に反対してゐるのに共産党が権力で抑圧してゐるといふ印象を持つ。日本のマスコミはかつての冷戦時代は米側に付くといふ目的があつた。冷戦が終結した後はもはやそのようなことをする必要はないのに相変はらずとり続けた。そしてそれが今では単なる拝米拝西洋に劣化した。だから共産党は支持がない筈はない。私は中国を旅行したり在日中国人の言動からさう分析するが、それは次の事実で明らかになる。
日本もアメリカでもEU諸国でも政権の支持率が、政権の安定度や国歌同士のお付き合いの判断のひとつの指標となる。中国の政権でも同じだ。
その点でいうと習政権を積極的に支持する人民は現在65%と多い。習近平の社会改革の本気度が形になって成果を上げ、人民にも伝わっているからだろう。次に不満そうはどうだろう。習政権の「反腐敗キャンペーン」政策により恩恵が受けられなくなった飲食店や企業など、習政権をうらめしく思っている人民は20%。公務員や不動産業会など、これまでうまい汁を吸ってきた残りの15%は、反腐敗キャンペーンに戦々恐々とした層だ。


一月十一日(日) 孔健著「習近平の言い分」第五章
習近平は「儒教」など伝統文化を用いて、腐敗が育つ土壌を封じ込め、新しい社会主義社会を建設しようとしている。動きは素早く、そのため、幼稚園から大学校まで全国的に『論語』など伝統文化を学ぶことが義務づけられた。

日本では儒教のうちの文章のみが伝はつたが、中国では儒教は宗教である。否、日本でも孔子の廟所に食物をお供へするなど宗教部分も江戸時代までは大きく残つてゐた。中国が儒教を復活させるのはよいことである。しかし仏教、儒教、道教の三つが広まつてこそ社会は安定する。それは日本でも同じで仏教、神道、儒教のうち戦前は神道、儒教のうち都合のよい部分だけを組み合はせたため第二次世界大戦を呼び寄せた。
儒教は封建的だと心配する人もゐよう。しかし封建的なのは儒教の堕落したものであり儒教そのものではない。それは仏教で比叡山の神輿など政治への介入を心配したり、神道で戦争を心配するのと同じである。

一月十二日(月) 孔健著「習近平の言い分」第六章
尖閣諸島問題は野田政権のときに始まつた。それは
2012年9月日本の尖閣諸島国有化のときに、それまでお互いが同意していたはずの「棚上げ論」を、日本が一方的に「棚上げなど認めたことはない。むかしから日本の領土だ」と言い始めたことによる。

菅と野田は本当に悪質な連中である。孔健氏は
報道される習近平の発言は国家主席として国益の観点からの公的な発言であり、個人としては日本が好きなのだと思われる。このことは、習近平時代の日中関係を考えていくときに、日本人が信じておいていい点である。

また孔健氏は
いまの日中の関係は、冒頭の習近平の発言にもあるように、アメリカが絡んだ政治情勢から規定されており、日中両国ともアメリカの被害者ではないかと思う時がある。

冒頭の発言とは、第一章の前の特別収録である。(完)


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