六百二十二、嘘つきは誰か(山口二郎氏批判、その二十三)

平成二十六甲午
十月十三日(月) 手段と目的をすり替へる
山口氏の本日のコラムは「嘘つきは誰か」といふ題である。しかし本文を読んでも嘘つきは山口氏としか思へない。以下で本文の どこに問題があるかを指摘したい。まづ臨時国会の論戦がようやく活発になつたことについて
日本がまともな自由と民主主義を保持しているのかどうかが問われている状況である

といふ。ここに重大なすり替へがある。まともな民主主義を保持してゐないのが菅直人と野田のシロアリ民主党政権であつた。山口氏 はそのことを批判せずそればかりか過剰にシロアリ民主党に肩入れしてきた。嘘つきは誰かと問ひたい。次に民主主義は目的では なくよい政治をするための手段である。別の言ひ方もできる。民主主義を実現するには国民に社会共同体意識が必要である。それが ないと単なる自己利益を最大化するための道具になつてしまふ。シロアリ民主党がいい例といふか悪い例である。
自由と民主主義を叫んで自分たちに都合の悪い国家を転覆させるのはアメリカだけである。欧州はまだ良識がある。自由と民主主義を 叫ぶことはアメリカの工作員といふことだ。山口氏が自覚するかしないかは別にして。

十月十四日(火) シロアリ民主党が民主主義を保持してゐない理由
ここでシロアリ民主党が民主主義を保持してゐない理由を再確認して置かう。シロアリ民主党が大勝したときは公約(マニフェスト)を重視 するといふ触れ込みだつた。そして公約には無駄を省いて消費税の増税分を作れると書いた。そればかりか野田に至つてはマニフェスト に書いたことをやり、書いてないことはやらないのが民主主義だと演説した。
それなのに菅が突然消費税増税を言ひ出した。批判を浴びて辞任した。ところが野田がまた同じ事を言ひ出した。しかも野田がマニフェスト に書いてないことはやらないのが民主主義だといふ演説が国会内に広まつたにも関はらず増税を強行し、しかも次の選挙で信を問ふと 言つた。そして次の選挙でシロアリ化した民主党は大敗した。ここでシロアリ民主党は消費税増税撤回に転換するか、解党するかどちらか しか方法はなくなつた。

十月十九日(日) ヘイトスピーチに反対する理由がでたらめ
私はアジア主義の立場だからヘイトスピーチには絶対に反対である。ところが山口氏の反対理由はでたらめである。
在日特権なるデマをまき散らして人権侵害を繰り返す連中は民主主義と自由の敵だと断言すべきである。

山口氏の言論には、西洋の民主主義が不完全だといふ意識がない。西洋の民主主義の行き着く先は少数派の切り捨てである。パレスチナ にユダヤ人を押し付けたときの国連での多数派工作がその典型である。その結果、土地を追はれたパレスチナ人が多数現れても、山口氏 は民主主義だ自由だとこれを容認する。先日イスラエルの首相が発言してゐたが土地を追はれたパレスチナ人が帰国するとアラブ人が 多数派になるから困るさうだ。ここに西洋の偽物の民主主義の欠点がある。

次にヘイトスピーチは社会破壊反日新聞の偏向記事が原因である。真面目に働く在日韓国朝鮮人を載せれば多くの日本人は好意を持つ。 在日コリアンに日本の植民地支配の代償として権利を与へろだとかの偏向記事ばかりを載せるから反動が出る。ヘイトスピーチは反日新聞 とニセ新聞東京パンフレットの責任と言つてもよい。またこれらは欧米を賞賛しアジアを上からの視線で蔑む。その結果、多くの国民までが アジア各国を蔑んだ目で見るようになつた。日本のマスコミは戦前の西洋列強化路線と変らない。

十月二十二日(水) 朝日新聞の虚偽の記事
極め付きは、安倍晋三首相の「歴史認識」である。彼は、朝日新聞の従軍慰安婦に関する「誤報」によって日本の イメージが傷つけられたと繰り返し主張している。

ここまでは或る一語を除いて正しい。その一語とは「誤報」である。朝日は「虚偽」であり「誤報」では絶対にない。続いて
従軍慰安婦に関する国際機関や外国の研究者の議論を読めば、朝日新聞が伝えた証言が虚偽だったとしても、 日本軍が戦争中に女性を奴隷的に酷使していたことが分かるはずである。

ここは明らかに山口氏の「嘘」である。まづ虚偽だったとしてもではなく虚偽である。殺人犯のことを 「殺人犯だつたとしても」と書いたら世間から嵐のような批判が起きる。同じように「虚偽だったとしても」は不適切な表現である。しかも山口氏 は証言だけが虚偽であるかのような書き方だが、朝日新聞だつて証言が虚偽であることはその後判つたはずだ。判りながら二十数年間 ごまかし続けた。最後はつひに認めたが福島原発の誤報といつしよに発表して目立たないようにした。実に姑息な手段である。
日本軍が奴隷的に酷使した例がない訳ではない。白人女性をそのまま慰安婦にした例がある。今ならとんでもない人権侵害だがなぜ白人 がアジアにゐたのか。現地の住民から搾取した白人どもといふ気持ちがあつたはずで当時の帝国主義の世の中を考へない議論は無益で ある。また連合国側にも売春婦はゐた。戦争のときは敗戦側が一層凶暴になる。自分たちの食べるものさへないし命が続くかどうかも 判らないのに捕虜や敵兵や住民のことを考へる余裕はないからである。戦争といふ狂気、更には戦争に至らざるを得ない帝国主義を憎む べきで、戦勝国側をありがたがり日本を非難する朝日新聞及び山口氏の態度は社会に有害である。

十月二十三日(木) 山口氏のいふ外国とは欧米のことだ
外国のメディアは、安倍政権と自民党が、自由と民主主義の常識を踏み外すのではないかと、危惧している。

騙されてはいけない。ここでいふ外国とは欧米のことだ。山口氏はサウジアラビヤやシリアのメディアが安倍政権と 自民党が自由と民主主義の常識を踏み外すのではないかと危惧すると思つてゐるのか。思ふ訳がない。だつたら「外国」といふ書き方は 不適切である。そればかりか欧米のやり方が正しく世界にはそれ以外の思想はないと日本国内に思ひ込ませようとする実に悪質な言論である。(完)


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