五百九十六、沖縄旅行記(その二、沖縄の将来を考へる)

平成二十六甲午
七月三十日(水)その五 沖宮(おきのぐう)
偶々、奥武山公園に行つたところ沖宮といふ神社を見つけた。ここはよい神社である。沖縄を訪れた 人はぜひ訪問してほしい。かつて琉球八社といつて神社が八つあつた。これは日本の臨済宗と真言 宗が琉球に伝はり、臨済宗のほうがより優遇されたが真言宗も護国寺を本山に王朝から八つの寺に 寺禄を支給された。これらには神社も祀られ琉球八社と称された。護国寺の境内にあつたのが波上宮 で官幣小社になり、他の七社は無格社となつた。琉球で民衆の信仰を集めたのは神社ではなく御嶽 なので、七社は衰退した。
沖宮は沖縄戦で焼失したが昭和36年仮遷座し、昭和50年奥武山公園内に遷座した。天受久女 龍宮王御神(てんじゅくめりゅうぐうおうおんかみ。天照大神)・天龍大御神(てんりゅうおおおんかみ) ・天久臣乙女王御神(あめくしんおとめおうおんかみ)・熊野三神(伊弉册尊・速玉男尊・事解男尊)を 祀る。明治の神仏分離までは沖山三所権現と称し、阿弥陀如来・薬師如来・十一面観音を祀つた。
ここはなかなかよい神社である。もちろん琉球伝統の御嶽が長く栄へてほしいが、本土からの観光客 にとつては本土の神社と共通点があり、しかし沖縄の伝統を保つ沖宮をぜひ参拝してほしい。

七月三十日(水)その六 行かなかつた観光地
斎場御嶽は当初は行く予定だつたが行かなかつた。それは斎場御嶽が琉球王朝時代は男子禁制 だつたことと、拝礼する人を妨害するように観光客が押し寄せるといふことがホームページに書か れてゐたからだ。御嶽が沖縄の伝統として生きてゐる以上、観光客はそれを妨害してはいけない。 市は御嶽を宗教施設に戻し、観光客の入場を禁止すべきだ。
ひめゆりの塔、平和祈念資料館などにも行かなかつた。沖縄戦の犠牲者に対しては神聖な気持ち で静かに追悼すべきだ。ところが逆をやる人たちがゐる。口先で平和を唱へながら日本の物はすべて 悪くてアメリカの物はすべてよいといふ新自由主義拝米反日新聞(自称朝日新聞)などである。また 平和運動と敗戦嫌悪現象を混同してはいけない。平和運動とは戦勝国または軍事力の強い側に あつては戦争は勝利しても悲惨なものだと平和を訴へることであり、敗戦国にあつては占領軍に 出て行つてもらふ運動である。つまり日本の平和運動は社会党の時代は平和運動だつたが今は 敗戦嫌悪運動もしくは戦勝国礼拝運動である。国民が神聖な気持ちでひめゆりの塔を訪れる時代 に早くなつてほしいものである。

七月三十一日(木) 沖縄言葉
この日は朝三時半にタクシーが来ることになつてゐる。早朝にタクシーを呼ぶのは大変なのでタクシー 送迎付きのツアーを選んだ。これは正解である。タクシー代も32500円に含まれてゐる。空港まで のタクシーで、二十数年前に奄美を旅行したときに沖永良部島では何を話してゐるかまつたく判らな かつたが沖縄では、ほとんどの人が東京都同じ言葉を話すのは20年間で変はつたのか尋ねた。
これは世代の相違で、若い人は沖縄の単語は知つてゐても東京の言葉しか話せない。だから祖父母 とは会話ができない。運転手さん(60歳くらいか)も年寄りと話すとき敬語などを正確にできないし 考へながらでないと話せないそうだ。昔は学校で東京の言葉を話さないと叱られた。今では沖縄語 を大切にしよう言ひ始めたが、もう遅い。そんなお話を伺つた。

沖縄の人はいい人たちだ。そう思つたのは空港に着いたとき運転手が「また沖縄に来てください」と 言つたときだ。私が沖縄に来てもこのタクシーに乗るとは限らない。それでも沖縄全体のことを考へて そういふ。そこに善人なことが現れてゐる。

八月二日(土) 沖縄の産業
沖縄の言葉を復活させるには県内に就職先がなくてはいけない。東京や関西に出ないと就職先が ないなら、東京の言葉を話したほうが有利になる。沖縄に仕事を増やすには、入国規制を沖縄県 に任せるべきだ。日本で治療を受けたり療養や生活をしたい外国人はカネを持つてゐればビザを 免除する。
ここまではある程度過去にも試したが効果が上がらないのは為替レートが円だからだ。といつて 新たな通貨を作るのは手間が掛かる。それなら沖縄の物価を下げるべきだ。本土を通さないで 安く仕入れる。沖縄は本土より台湾や上海が近い。沖縄にも本土並みの物を買ひたい人と安い ほうがいい人がゐる。外国人も同じである。お金のある外国人は本土並みの物を買ふし安い ほうがいい人は上海より少し高いくらいの物を買ふ。ホテルも高いものから安いものまで用意 する。といふとお前は既に安いほうに宿泊したではないか、と言はれそうだが。
本土からの投資は規制すべきだ。物価が安いからとカネが流れると一時的にはよくても長期には よくない。沖縄は長い歴史に従ひ、貿易には英語ではなく漢文を用いるべきだ。
沖縄がビザ免除となると、沖縄と本土の間に国内移動審査が必要になるがそこは愛嬌である。 そういふものが必要なのだといふことで旅の思ひ出になる。外国人は旅券、日本人は旅券か 運転免許証、健康保険証を提示する。

八月三日(日) 長い歴史に学ぶ
勿論貿易に英語を用いてもよい。よいがそれでは地理上の利点しか生かせない。それよりは先人 たちの長い交流の知恵に学ぶべきだ。沖縄県知事は就任の時に中国と台湾から別々に冊封使を 呼ぶ。かつて日本との関係は隠して中国と交流し、中国との関係を隠して薩摩藩、幕府と交流した。 それに習ひ中国から冊封使が来るときは日本と台湾には秘密といふことにして、台湾から冊封使 が来るときは日本と中国には秘密といふことにする。
多人数を呼ぶと費用が掛かるから中国からは福岡総領事館、台湾からは駐日経済文化代表処 那覇分処から一人来てもらひあとは沖縄県民が務める。これで中国、台湾から観光客が押し寄せ るし、日本には秘密のはずなのに本土からも観光客が押し寄せる。
沖縄県知事は中国国家主席と台湾総統の琉球国王任命書を持つといふことになると、東京の 嘘つき幕府(嘘つき菅以後は日本政府を自称しても実態はうそつき 幕府だ)や米軍も沖縄を雑にはできなくなる。普天間基地は数年以内に県外に移転する。 これは鳩山政権の公約だからシロアリ民主党は鳩山氏と小沢氏が復活し、菅と野田を除名にして 党名を民主党に戻す。良いこと尽くめである。(完)


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