五百九十五、神奈川シティユニオン三十周年記念国際パーティー(私がこれまで主張してきた三つがあり賞賛)

平成二十六甲午
七月二十七日(日) 三十周年
昨日は神奈川シティユニオンの定期大会と30周年の国際パーティーがあつた。国際パーティーと名乗る には理由がある。韓国、フィリピン、中南米から来た労働者がたくさん加入してゐるからである。会場は 多数の外国人でにぎやかだつた。
組合員、友誼組合、弁護士のほかに会社にも招待状を送つたので会社からも少数ではあつたが参加者 があつた。これはよいことである。労使は協調すべきだ。このように云ふと、それでは大企業の御用組合 と変らないではないかと疑問を持つ人もゐよう。しかし中小では嫌がらせ退職や労働基準法違反が後を たたない。労使協調まで持つて行くことが労組の役目である。
しかしそれでは企業を超えた団結ができない。またなぜ嫌がらせ退職や労働基準法違反が続発するかを 考へると、これは資本主義そのものの欠陥が原因である。だから仮想でもよいから社会主義を目指すこと は必要である。仮想といふのは実現不能といふことではない。自由主義経済下で失業者を含む労働者 全体の権利が守られた状態も仮想社会主義である。総資本対総労働は仮想社会主義の別名である。

七月二十七日(日)その二 英語を国際語や世界共通語にしては絶対にいけない
登壇者は日本語で話した。スペイン語の出し物もあつた。これはよいことだ。国際パーティーといふと英語で 話すのが普通と思ふ人もゐ。しかし日本で行ふ以上、日本語で進行すべきだ。そのような中で一人だけ 英語で話したバカがゐた。誰かといふと私である。これには伏線がある。フニクリフニクラ(日本では行こう行こう 火の山へ、の歌詞で有名)をイタリア語で歌ふ人がゐた。会場はアジア系、メスティーソ、白人、黒人と多彩 だつた。偶々私の隣に白人の女性二人がゐてたぶんスペイン語が母国語だと思ふが、舞台で今歌つて ゐる曲はイタリア語か英語で質問するとそうだと答へてくれた。
そのことがあつてその後、各団体が続々と舞台に登場し日本語の挨拶が多くて中南米の人は退屈だらうと 思つたから英語で話した。それだけである。話の内容は昭和五十九年の富士通労組の歌集の先頭は「イン ターナショナル」だといふ話で、神奈川シティユニオンは全造船系で連合加盟だから日本人に判らないよう に話したといふ副産物はあるが、それを狙つた訳ではない。
うちの労組は二つの協議体に加盟するからもう一度登壇の機会があつた。このときは日本語で「さきほどは 日本語以外の言語で話して失礼しました。あの、帝国主義的な言語。そんなに悪く言はなくてもよいのです が」といふ前置きで話した。内容は昭和四十年代は労働運動が盛んだつたのでこの時代の精神に戻る ことが今後の労働運動再生の鍵ではないか。さきほどもそのような内容を話しました」と述べた。二回目の 登壇は会場も1/3くらいになり、ほとんどが日本人だつた。

七月二十七日(日)その三 カトリックのシスター、韓国の民族服
開場の前、ホール入口には私を含めて多数がゐた。その中にカトリックのシスターがゐて、おそらく中南米 の日系人だらうと思つてゐた。パーティーで偶々話す機会があつたので伺ふと韓国出身者のためにカトリック の立場で支援し、労組の相談員もされてゐるとのことだつた。
カトリックといへば十年近く前に当時の友誼組合でカトリックの職員が解雇され、復職はならなかつたものの 日本カトリックの最高位クラスの神父が神の前で謝罪し和解する争議があつた。たまたま解雇された人と話す 機会があつたことを思ひ出した。私は基本的に宗教宗派を問はず宗教に関係した人とは話が合ふ。

今回のシスターといつしよにゐた茶色の服の年配の女性に、これもカトリックの服なのか質問したところ韓国 の服だそうだ。私は労働運動社会主義運動、宗教、伝統文化主義の三つが協力し資本主義を止めないと 地球は滅びるといふことを常日頃主張してゐるが、神奈川シティユニオンにその姿が見られたことは望外の 感激であつた。

伝統文化といへば、皆で炭坑節を踊つた。あと舞台で大根踊りもあつた。これもよいことである。

七月二十七日(日)その四 平衡作用
出席した或る会社から日本酒の樽の差し入れがあつた。これは皆で飲んでも余りそうで司会の人も余ると もつたいないので日本酒を飲んでくださいとアナウンスした。パーティーは午後四時半から始まつたが私は 昼に食べ過ぎたのであまりお腹が空かない。だから食事は少なく専ら樽酒の飲み掛に徹した。これは平衡 作用である。皆が酒を飲んで食事があまりそうなときはもつたいないから食事を多く取る。
今回、日本語が続き中南米の人が退屈だらうと英語で話してみたが、他に英語で話す人がゐたら私は絶対 に英語は使はない。二人以上使ふと国際語になつてしまふからである。英語を国際語にしてはいけない。 それでは英語は神の言葉になつてしまふ。イギリス人やアメリカ人は神の子になつてしまふ。しかもバベル の塔の逆をやつて神に逆らつてはいけない。

七月二十七日(日)その五 議案書を読む
役員名簿を見ると、委員長と女性が書記長、書記次長。以上の三名が専従である。他に執行委員の男女 一名づつが通訳専従で、ラテンアメリカ担当スタッフ四名のうちの一名、韓国担当スタッフの一名である。 他にフィリピン担当スタッフが一名ゐる。労働相談スタッフは十二名で委員長、書記長、書記次長、執行委員、 相談役の兼任とスタッフだけ担当の組合員で構成される。その中にシスター何々と書かれた人が一人ゐる のでパーティーで少しお話をしたシスターだと思ふ。
昨年度の相談件数は192件で、ペルー115件、日本27件、ブラジル16件、ボリビア12件、フィリピン6件、 イタリア4件、韓国3件、中南米3カ国と中国・マリ・フランス・スリランカが1件だつた。このうち加入は約半数 である。かつては韓国が多かつたが今は中南米が大半になつた。(完)


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