四百九十三、中小労組の全国集会(その二、連合はシロアリ中央と地方を区別しよう)


平成25年
十月十九日(土)「地方の連合」
私の所属する労組はかつて全労協全国一般に所属してゐたが分裂前の書記長が騒動を起こして脱退し、今回の全国集会を催すネットワークに所属変更した。後にこのネットワークは連合に加盟する提案が出されたが否決され、希望組合だけでもう一つ組織を作りこれ以降二重構造になつた。もう一つの組織に所属しなくても既に自治労全国一般経由で連合に加盟のところもある。
だからネットワークは連合に加盟のところも反対のところもある。今年目立つたのは地元の自治労が多数参加した。総評解体ののちも自治労は地区労を支へた。だから全国集会を開くとき地元の自治労が協力してくれる。
自治労は連合所属だが、連合の中央と地元は分けて考へるべきだ。中央は電機、電力などニセ労組シロアリ連合が中枢を握つてゐる。しかし地方は異なる。地方から正しい労働運動を取り戻しニセ労組シロアリ連合を解体させるべきだ。さう思つた。
一方で連合に反対する全国協も今回は国労婦人部、宮城合同労組が参加した。また今回初めて新社会党が参加した。といふことで昭和六十年代の感覚でいふと右派から左派まで揃つた。その為か開会の挨拶で、闘ひの成果を発表する場で対立の場ではないといふ話があつた。これは同感である。自治労の挨拶で総労働対総資本といふ話もあつた。これも同感である。
山形県知事は文書で祝辞を寄せられた。上山市長は下記(その三)のレセプションに出席された。民主党山形県総支部連合会が1/5ページ広告だつたのに対し、社民党山形県連合、新社会党山形県本部はそれぞれ1/2ページだつた。


十月十九日(土)その二「朗読劇」
集会の最後に50分間の朗読劇があつた。地元の演劇愛好者による福島市内の中学生のゐる家族の避難するかだうかを巡る劇だつた。我々はとかく福島第一原発周辺だけに目を向けがちだが、福島市でさへ放射線量の高い場所がある。ベントのとき雨が降つた地域である。
日本の学者やマスコミは偽善者ばかりだから誰も触れないが、原発のある自治体はこれまでいい思ひをしたのだから仕方がない。勿論これまできちんと事実を伝へなかつた学者、マスコミ、官僚、政治屋の責任は重大である。しかしいい思ひをしてこなかつた周辺の市町村はだうなるのか。或いは原発に反対だつたのにカネに目のくらんだ多数派の巻き添へになつた人たちはだうなるのか。
日本では先の戦争の敗戦と言ひ、プラザ合意の円高と言ひ、今回の原発事故と言ひ個人の責任を曖昧にしてきた。その体質が無能で無責任な政治屋とマスコミと官僚と規制産業経営陣とニセ学者を生んだ。今こそ彼らの責任を追求すべきだ。

十月十九日(土)その三「花笠音頭」
十九日の最後はレセプションである。花笠踊り発祥の地 尾花沢市の花笠おどり・笠回しがあつた。これはよいことだ。旧社会党がそれなりに人気を得たのは、日本の伝統を破壊する経済成長やアメリカ文化への反発があつた。労働組合の組合員自体はごく普通の人たちである。地元のお祭りに参加すれば町内会にも参加する。ところが今の社民党を見ると死刑廃止だリベラルだ同性愛だと世の中を破壊する人たちばかりである。これでは国民の支持は得られない。社会党総評ブロックの復活には伝統の尊重が必須である。

十月二十日(日)「10の分科会」
二日目は10の分科会に別れた。私は第9分科会の大震災と労働者の現状に参加した。報告者は宮城合同労組の委員長で、全労協加盟組合が全国集会に参加した経緯が判つてよかつた。大震災の直後のネットワークの支援活動を通してであつた。
分科会終了後に各分科会の発表があつた。第8分科会の自由討論の場「憲法」の発表はよかつた。分会の報告者は山形県九条の会、米沢九条の会呼びかけ人で九里学園高校校長の九里廣志氏で最初に憲法改正に賛成かと質問したら全員反対だつたが、改正は正しくすることだから賛成すべきだといふ話があつたと発表があつた。
私もこの主張なら賛成である。ここ十五年ほど護憲、護憲と叫ぶ人たちにはアメリカの手先ではないかと疑ひたくなる連中も多い。マスコミに踊らされたとも言へる。しかも護憲は守旧派かと国民からは見られる。柔軟な発想が必要である。
私が憲法改正に賛成するのも、普通の国民を伝統派と親米派に円満に分離し、五十五年体制以前の自由党、民主党、社会党の3つにしないと日本の民主政治は機能しないと考へるからである。

十月二十四日(木)「東京は日本ではない」
全国から東京に来た人が最近、東京は日本ではないみたいですね、と発言することが多い。まつたく同感である。日本は木造の家と8階建て以下のビルが似合ふ。そして外観だけではない。東京に本社のある大企業の労働者は労働者ではない。全国各地の国民の犠牲の上に自分たちだけいい思ひをしようといふシロアリどもである。労働者派遣法、非正規雇用、下請け、農業切捨て、中小企業切捨て、消費税増税法。いづれもシロアリどもが経団連と癒着した結果である。
今年は山形みちのく集会と名付けられた。みちのくに限らず日本全国から新自由主義に汚染された日本に対し我々は労働運動で地元の経営者は経済活動で正すべきだ。そのように強く感じた。


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