四百九十三、中小労組の全国集会(その三、労研センターの時代と今の相違、日本の宿古窯)


平成25年
十月三十日(木)「二十五年前との相違」
二十五年前に太田薫、岩井章、市川誠の総評三顧問の労研センターが主催する集会が上諏訪であり総評全国一般東京地本三多摩地域支部として私も参加した。ホテルは和室で夜の宴会は皆が浴衣姿で参加した。
今回も久しぶりの和室だった。夜の宴会は皆が浴衣だらうと浴衣を着たが、同室の他の労組の人が洋服に着替へたので私も着替えた。三百五十人の中で浴衣の人は10人程度だった。二十五年間で西洋化が進んだ。特にプラザ合意の円高で急激に進んだ。
しかしすべてが西洋化する訳ではない。人数を集めた勢力が自分たちに都合のよい部分だけを西洋化する。今回の消費税増税騒ぎはその典型である。もし税率を真似するなら企業別労働組合は止めるべきだし、ユニオンショップと組合費天引きも止めるべきだ。

十一月二日(土)「日本の宿 古窯(こよう)」
宿舎と会場は日本の宿 古窯でここはプロが選ぶ旅館百選で毎年全国2位に選ばれる。確かに(1)建物は西洋式でも部屋は和室できれい、(2)従業員の教育が行き届いてゐる、(3)大風呂が立派、(4)有名人の楽焼のお皿の展示、などなど2位に選ばれるだけのことはある。
私には外観が洋式なところが不満である。同室6人のうちAKBファンが一人ゐて夜中までテレビでAKBを観たが、朝は不思議と早く目が醒める。ホテルの周りと足湯の辺りまで散策したが古窯の外観は洋風建物である。少しカネを掛ければ和風の屋根など改築できる。あとインターネットで調べると全国2位にしては不満といふ人がゐて、その理由は団体向きで個人で泊まるには純和風旅館とは異なるといふことだらう。
あと値段もそれなりに高いらしい。今回の企画は、集会と宴会のみは八千五百円、それに一泊朝食が付くと一万五千円。地元の平和センターなど旧総評系組織の持ち出しがあるさうだ。

十一月三日(日)「地元おこし」
古窯に宿泊したとき、従業員の教育が行き届いて立派な経営だと感心した。家に帰つたあとインターネットで賞賛と批判の両方を読むと批判も当たつてゐると思つた。
古窯は大旅館だから多数の客を吸い上げる。しかし上山温泉を有名にするから吸い上げた以上の人数がやつて来る。古窯自身の雇用人数は大きい。つまり古窯は上山市の地元おこしに大いに貢献してゐる。
足湯、観光案内など市内の施設は充実してゐる。地元おこしの模範例である。主催労組は米沢なのにわざわざ上山で開催しただけのことはある。二日目はオプションで米沢に観光バスで移動し勤労者芋煮会である。満員のためうちの労組は参加しなかつた。強い雨が降つたが誰からも不満が出ず逆に米沢の人たちはよくやつてくれたと賞賛の声が上がつたさうだ。私は芋煮会終了時刻に合せて切符を買つたので普通列車で米沢に出た。雨が強く駅から出られず時間を費やすのが大変だつた。
地方が疲弊するのは円高が原因である。円高は輸出産業が原因である。観光による地元おこしをしなくてもいいようにするのが政治である。ところが日本の輸出産業とそれに寄生するニセ労組シロアリ連合は相変はらず自分たちがトクをする政策を進め、その最たるものがさきの消費税増税である。今こそ地方から日本を変へる必要がある。これこそ本当の地元おこしである。

十一月十三日(水)「従業員のやる気」
古窯の優れたところは従業員のやる気である。皆がやる気に満ち溢れてゐる。今から十五年くらい前だらうか。サトームセンの支店が会社(当時は横浜市内)の近くに出来た。パソコンの部品を買ふのに重宝した。従業員もやる気に満ち溢れてゐた。
ところが数年して従業員にやる気がなくなつた。そして他社に吸収された。これは従業員のやる気がなくなつたから吸収されたのではなく、経営が悪いから従業員にやる気がなくなつた典型である。
経営が悪くても従業員にやる気があるように見せ掛ける方法もある。従業員を酷使するのである。急激に伸びた会社にこれをやるところがある。しかしこれは駄目である。離職者や病人が続出し自殺者まで出る。ここ数年有名になつたブラック企業といふやつである。会社は急激ではなく適度に伸びるのがよい。悪質な経営で伸びることは許されない。健全な経営を育てるために個人加盟労組の役割は重要である。

十一月十四日(木)「山形新幹線」
山形新幹線は技術的に優れてゐる。しかし特急料金の設定がよくない。常識で考へれば在来線の特急と新幹線の特急の中間で行くべきだ。例へば東京から福島までの新幹線部分の距離が八割、福島からの在来線部分が二割だとすれば新幹線と在来線の特急料金の8:2の金額にすべきだ。ところがJR東といふのは悪質な会社である。同じ距離を乗車しても新幹線と同等か下手をすれば高くなつてしまふ。これが原因でミニ新幹線は人気がなくなつた。JR東は地元振興の敵である。(完)


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