四百四十六(甲)、衆議院前議長(現副議長)横路孝弘氏批判


平成25年
七月七日(日)「憲法論議批判」
横路孝弘氏といへば北海道知事に当選するときに勝手連で一躍日本中に知れ渡つた。日本中に知れ渡る知事はそれほど多くはない。その後の選挙では自民党候補までが何々連といふ縦長の旗を持つたお年寄りを動員するやうになり、当時はまだ米ソ冷戦時代だつたからその威力に驚いたものだつた。その横路氏が東京パンフレツト(自称東京新聞)に登場した。東京パンフレツト名物の偏向意見読者洗脳記事としてである。横路氏は冒頭から次のやうに主張する。
自民党の改憲草案は、天皇を元首として国防軍をつくり、基本的人権も制限するというひどい内容。


まづ自民党草案は保守派に支持を広げようと作つたもので国会に提出するとは思へない。しかし国民のためを考へて論議を進めないと本当に草案が可決されるかもしれない。だから当ホームページもよい方向に向ふべきだと文化保守を提唱し、元首は西洋が作つた制度であり幕末に将軍を元首に充てる案があつたくらいでそれほど権威はない、欧州では元首が死刑や追放になる例もある、ここは元首ではなく天皇で行くべきだと主張してゐる。
国防軍についてもなぜ自衛隊では駄目かを議論すべきで、横路氏の所属した堕落社会党のやうにそれまで日米安保条約破棄、自衛隊違憲だつたのに村山が首相になつた途端、両方を認めるやうな嘘つきで誠実さのない連中が何を言つても説得力がない。

七月八日(月)「シロアリ民主党内の改憲派」

一部だが、民主党の中にも改憲派はいる。五月の党憲法調査会で「護憲では参院選に勝てない」と主張する議員がいて驚いた。

シロアリ民主党は、党内に拝米タカ派の前原野田派を抱へ、前原が国交相と外相になるや日中関係は極めて悪化した。多くの企業が迷惑したのに枝野が、進出企業は自己責任だと暴言を吐いた。しかも菅直人は鳩山内閣の副総理だつたにも係はらず政権が転がり込むや前原野田派と組んだ。つまり一部ではなく菅、野田時代の主流派である。社会党から合流した横路氏がなぜ彼らと同じ政党に今までゐたのか。国民を馬鹿にするにも程がある。
前原や野田の改憲論は拝米を進めるものだから危険である。しかし国民は変化を求めてゐる。今や改憲賛成が多い。これまでの政治が立派だつたなら護憲もあり得る。菅と野田の嘘つき増税はいつたい何だ。あまりにひどいから国民は改革を求める。菅と野田を除名にしない限りシロアリ民主党は勝てない。横路氏はそんなことも判らないのか。

七月九日(火)「憲法第九条」
「未来志向の憲法が必要」との意見も出た。だが、現行の憲法九条は、理想主義で未来志向だ。

後半の部分の半分は横路氏の意見に賛成である。残りの半分は賛成できない。それは今の九条だと軍事力を持つことは違憲だからである。かつての社会党のように自衛隊廃止を主張するか、末期の社会党のように違憲だが法的に存在すると主張するか、或いは憲法を改正するしかない。憲法を改正して自衛力を持つのがよいではないか。
その際に、外国軍隊の駐留禁止と現在駐留する外国軍については既得権を認め長期的には解消することを盛り込めるのかだうかが野党議員の腕の見せ所である。ところが横路氏はさういふ発想がない。衆議院議長や副議長だけなら暗愚な男でも務まる。

七月十日(水)「低所得層を馬鹿にする護憲貴族横路氏」
自民をはじめ右寄りの主張が増えているのは、社会の格差が広がる中で低所得層の不満をそらすため、国外に敵を設定しているからではないか。

低所得層は程度が低いから右になるのは仕方がないといふ意識が露骨に表れた実に嫌な発言である。横路氏はなぜ消費税増税に賛成するのか。低所得者のためにならない。だいたい国外に敵を設定したのは前原である。あれで日中関係は大変なことになつた。枝野も似たやうな発言をした。横路氏はなぜそんな政党に所属するのか。
右寄りといふのは総評を解体しニセ労組シロアリ連合を結成するときに再編反対派から言はれたものだ。右翼再編反対といふ言ひ方もあつた。当時は既に隠しベースアツプなど大企業労組の醜い実態が明らかになつたにも係はらず、また総評から五項目補強見解が出されたにも係はらずそれを無視して結成した。そのニセ労組シロアリ連合の応援を受けて当選して来たのが横路氏である。
かつて自動車労連の会長が銀座で豪遊しヨツトを私有して労働貴族と後指を指された。横路氏の場合は民主主義の世の中で民主主義と叫ぶだけで今までいい思ひをして来た。さしづめ民主貴族である。護憲貴族でもよい。

七月十一日(木)「西洋列強の帝国主義を見ない横路氏」
改憲派は、日本が中国や朝鮮半島に一方的に出兵した明治以降の歴史もきちんと見ていない。

かつての左翼であれば西洋列強が世界中を植民地にしたところから歴史を見る。ところが左翼崩れは日清戦争以降の日本だけを見る。そして日本を批判し西洋をありがたがる。単なる西洋かぶれである。それにより国民の生活が安定するならよい。実際には日本を断絶させることで社会が不安定になる。
左翼はよいが左翼崩れが駄目な理由である。左翼崩れはサヨクとも呼ばれる。丸山真男あたりから始まる。

七月十二日(金)「今の世の中でリベラルとは新自由主義のことだ、その一」
今の政治情勢は、リベラルから社会民主主義まで、いわゆる中道左派の部分に穴があいている。民主党が中心となり、そこに強大な野党勢力をつくることが必要だ。

江戸時代に自由を叫ぶなら偉い。今の世に叫ぶのは下心がある。一番目の理由は西洋の猿真似をしたいくせにそれを隠す、二番目は安全で無益だから国民の生活がどうならうと自分の議席だけは守る。
猿は自然に群れを作りボス猿を選出する。ボス猿は決して独裁ではなく敵が来たときは最後に退出するし群れの支持を失ふと失脚する。教はつた訳ではないのに自然にさうなる。人間も同じである。昔は旅は道連れといつて見ず知らずの他人でもいつしよに旅行をしたものだつた。今は交通機関や宿泊施設の発達でその必要は薄れたが、今でもその必要のある機会は多い。ところがリベラルといふのは人間をばらばらにする恐ろしい思想である。その行き着く先は新自由主義である。
政治家はリベラルなんか目指してはいけない。資本主義発達前の自然経済を目指すべきだ。しかし資本主義は現に主要産業を担ふのだから中小企業や個人商店を圧迫しないやう誘導すべきだ。企業内終身雇用は長時間残業やサービス残業の原因だから流動化させるべきだ。企業内労組と労組出身議員はかつての社会主義を目指したときの残存物で今では社会に有害だから廃止すべきだ。政治家ならこれくらい云ふべきだ。
リベラルだの社会民主主義だのと西洋の猿真似で言つてはいけない。

七月十三日(土)「今の世の中ではリベラルとは新自由主義のことだ、その二」
政権担当能力がある政党として、民主の議員の考え方に幅があるのはいい。ただ、それが自民と重なる幅では、改憲に反対する有権者の支持を得られない。

横路氏はシロアリ民主党に政権担当能力があると本当に思つてゐるのか。無反省で厚かましいところは菅直人にそつくりである。国民は消費税増税に反対して民主党に投票した。ところがシロアリを退治せず自分たちがシロアリになつて増税した。そんなに幅があつては困る。だいたい野田前原派の連中がタカ派言動を繰り返したときに横路氏は反対したのか。自民党でさへやらないタカ派ぶりである。自民党と重なるのは野田前原派である。
改憲に反対する有権者といふが、改憲に賛成する人のほうが多い。マツカーサ憲法廃棄新憲法制定の石原氏がなぜ都知事選でずつと大勝したか。石原氏の後継者の猪瀬氏がなぜ都知事選で大勝したのか。横路氏にはまつたく判らないらしい。
民主には、自民の対立軸となるリベラルな考え方と、憲法の基本原則をしっかり守る明確な意識が必要だ。

自民党には保守の部分とアメリカ猿真似の部分がある。国民の生活を守ることが保守なら我々は保守と協力すべきだ。ところが横路氏は自民は全体が反リベラルだと思ひ込む。横路氏は拝米だから自民に二つの部分があることに気が付かない。
リベラルとはアメリカ民主党の発想だ。しかもリベラルとはアメリカ民主党を批判するときに使ふ言葉だ。アメリカは国土の広さに比べて人口が少ない。本当は先住民と野生生物の保護区だから人口が多すぎるのだがそれは置いておく。人口が少ないし移民が毎年あるから社会が平衡に達してゐない。例へば移民は収入が少なくても当然だと誰もが思つてゐるし、黒人で刑務所に入る比率が異常に多いのも止むを得ないと思つてゐる。だからアメリカの真似をしてはいけない。
リベラルのどこが悪いかといへば社会制度を改革せずフードクーポンなど税金を使ふことで対処することだ。これには極めて低い位置に限界がある。税金の無駄だ、失業者が悪いといふ意見が必ず多くなるからだ。
目指すとすれば西欧の社会民主主義だが、それとて猿真似では日本に合はない。それは日本の労働組合が企業別組合といふニセ労組なことと欧州と日本ではこれまでの文化が違ふからだ。それらを考へずリベラルから社会民主主義までが少ないと言ひ、それでゐて実際はリベラルだけを主張する。横路氏はとんでもない新自由主義者である。(完)


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