四百三、今年のメーデー、平成25年
平成25年
四月二十八日(日)「連合メーデー」
昨日は連合メーデーである。私は午後用事があるので、11時30分に会場を後にしなくてはいけない。連合のホームページによると10時開会である。私は9時半に行つた。ところが10時半になつても始まらない。連合の受付で訊ねると11時開演だといふ。ずいぶんいいかげんである。これだと式典は最初しか見られない。
代はりに出店を見て回つた。連合東京西北ブロツクの出店では被災地支援で岩手県の清酒カツプを200円で売つてゐたので一杯飲んだ。被災地支援が目的である。昼間から飲みたかつた訳ではない。その前に情報労連・NTT労組でも樽酒一杯100円を飲んだ。これは毎年の恒例行事である。私の叔父が昔、全電通の本社支部委員長だつたので全電通には親しみがある。全電通は総評右派だつたが山岸氏は労働側が政権を取るためによくがんばつた。事実、参議院で社会党、連合の会などが多数派になり消費税(当時は3%)廃止を可決したこともある。このときは衆議院では否決されたため実現はしなかつたが。
四月二十八日(日)その二「金持ち国が自分たちの基準で哀れみを施してはいけない」
出店を見回るうち、難民支援の団体のビールの販売が目に入つた。世界20カ国くらいのビールが並び、そのなかにイスラエルがあつた。イスラエルはユダヤ人を追ひ出したい西欧と国内ユダヤ移民の圧力によるアメリカによる人造国家である。本当は元から住んでゐたアラブ人を中心にユダヤ人の移住も認め、両者が共存すべきだ。今のイスラエルはユダヤ人優位だからさうなつてはいない。なぜこんな国のビールを売るのかと眺めてゐると、向うから声を掛けてきたので見てゐるだけだといふと販売員どうしで何か話し大声で笑つた。周りに誰もゐないところで自分たちだけ雑談して大笑ひするなら構はない。客がゐるのに非常識な連中で、イスラエルのビールを販売して何とも思はないくらい心が腐つてしまつたのではないのか。イスラエルを建国したためどれだけ犠牲者が出たと思つてゐるのか。ベトナムで米軍に従軍し多数の犠牲者を見ながら低級な記事を朝日新聞から出版した読売新聞の元記者みたいな連中である。
ミヤンマーの難民は昨年までは最前列だつたが、今年は少し後方の目立たない位置で人数も数名だつた。本国の改善が進んだのは喜ばしい。数年前のメーデーで彼らと話をしたとき、私がときどき訪問する在日ミヤンマー人の協会について、あそこは中立だと話してゐた。私が軍事政権を応援することはないが、だからといつて反政府側を応援して双方が衝突を繰り返すことは避けなくてはいけない。多数の犠牲者が出るしその後は西洋側に寄り過ぎてミヤンマーのためにならない。今回のように穏健に改革するのがよい。在日ミヤンマー人の協会は中立でも来日した高僧は以前逮捕されたし、軍隊が比丘を殴りつけたことに人々の不満はある。決してよいとは思つてゐないが、日本人が西洋の感覚で軍事政権を批判しては軍事政権は武力でしか国内を統治できなくなる。双方を和解させることがアジア近隣諸国の任務である。
貧困国に学校を図書を日用品をといふ団体がよくあるが、あれはよくない。金持ち国が自分たちの基準で貧困国だと思ひ込んだ国へ善意の押し売りに過ぎない。その国の国民は幸せに暮らしてゐることが多い。
四月二十八日(日)その三「来賓挨拶」
来賓は、厚労相、都知事、シロアリ民主党、岩手県知事の四名だつた。司会者が来賓四名のうち三名に挨拶していただきます、といふからシロアリを除いた三名だと思つた。11時30分過ぎに会場から出なければと会場を出るとスピーカーからシロアリ民主党の挨拶が聞こへた。これで岩手県知事を除いた三名だと判つた。岩手県からわざわざ来られたのである。挨拶をしていただけばよいではないか。私なんか去年の夏に盛岡まで行くのに大変だつた。もつとも青春18切符を使つて普通列車で行つたためだが。
社民党は来なかつた。しかし例年どおり代々木公園入口の手前で選挙カーから演説をしてゐた。参議院比例候補のKさんですと言つてゐた。K女史は先月うちの労組の分裂騒動裁判に夫婦そろつて傍聴に来た。あの東京地裁傍聴席独占門番側用人事件である。夫のほうは元習志野市議で市長選にも二回立候補した。妻はうちの労組も加盟してゐた連合系産別の会長で、分裂のときは向こう側の大会でだけ挨拶したから、我々は連合を自然脱退の形になつた。今回参議院選挙に立候補するのは妻である。
夫は元国労書記、妻は労組の委員長でその労組には元総評合唱団の人もゐて私は決してあの夫婦は嫌いではない。それにしてもKさんの産別は連合加盟なのに社民党は来賓に来ず、我々の側の弁護士は小沢議員を支援する会の代表世話人で、小沢派の岩手県知事が来賓に呼ばれ、世の中は小沢系、反小沢系で複雑に動いてゐるといふ感じだつた。
四月二十八日(日)その四「社会新報」
社民党が配布した社会新報の号外を読むと「戦争の犠牲の上に、日本国民が戦後手にした平和憲法」と書かれてゐる。しかしこの部分は違ふ。「冷戦で手にした平和憲法」が正しい。戦争の犠牲者は帝国主義どうしの醜い植民地獲得戦争が原因だ。そこをはつきりさせないと拝米や拝英に陥る。「ネバー、ネバー、ネバー、ネバー、ギブアツプ」の野田がその典型である。昭和年間はそのようなことはなかつた。米ソの冷戦が終結した途端拝米や拝英が現れた。
社民党のホームページを見ると政策審議会全体会で公認システム監査人田淵隆明さんからうかがつた話を載せてゐる。
・欧州に比べ日本の消費税率は低いという増税容認派の発言がマスコミを通して主張されるが、実態と異なる。付加価値税率20%の英国でも、食料品・医薬品は非課税、生活必需品は5%の軽減税率だ。G8で均一税率で10%以上の国は皆無。しかも日本は、コメやパンに課税するくせに、土地と株券の売買には非課税。金持ち優遇だ。
・東ローマ帝国にはじまる包括的間接税の本来の趣旨は、所得再分配と弱者保護にある
かういふ話なら私も社民党を支持する。これまで死刑廃止だの護憲だのと朝日新聞ばりの偽善言辞が多過ぎた。死刑廃止の背後には拝西洋が、護憲の背後には拝マツカーサがちらつく。それが議席を減らした原因である。今後は国民の生活のために頑張つてほしい。もちろん憲法の平和条項の維持は重要である。改正と改悪は異なる。
四月二十九日(月)「シロアリ民主」
シロアリ民主党は「プレス民主」号外を配つてゐた。海江田は昨年末の総選挙では、働く仲間の皆さんからご支援をいただきながら大敗し、政権を失ったことを深くお詫び申し上げますといふ出だしで挨拶をした。しかし空虚に響くばかりである。大敗し政権を失つた理由は誰でも知つてゐる。菅、野田といふ大嘘付きが消費税増税をしたからだ。菅、野田を除名にし、消費税を元に戻すべきだ。挨拶はそれからでよい。
この春から公共料金や社会保険料が値上がりし、食用油や小麦粉の値段が上がり、家系を直撃していますといふが消費税増税は更に直撃する。増税撤廃こそ重要である。分厚い中間層を育て、国民生活全体を豊かにすることを目指していますといふが分厚い中間層といふからには、そこに入れない下層がかなり存在するといふことだ。そんな出鱈目は許されない。かつての一億総中流を目指すべきだ。それが言へないのは電力総連や電機連合など非正規労働者の犠牲の上に自分たちだけいい思ひをする連中の支援(本当は圧力)を受けるからだ。民主党のすべきは一番目は菅、野田の除名、二番目は大手産別と手を切ることだ。
五月一日(火)「メーデー」
今日はメーデーである。私は仕事の関係で午前は出勤、午後のみ半日休暇を取つた。午前は社外の勤務が入つてゐるから別の日に変更してもらふと社外の職場で代はりに全労連や全労協の組合員が一人メーデーに参加できなくなるかも知れぬ。私は誰がどこの組合に所属するのかまつたく知らないが。そのため予定表どおり勤務することにした。
この日に半日勤務して判つたことがある。五月一日はほとんどの組合員は労働協約で休む。それがメーデーである。だから連合のように四月二十七日(土)にメーデーをやつては駄目である。土曜日にストライキを行なつても会社は何の影響も受けないのと同じである。五月一日は連休の途中で参加者が少ないといふのなら、四月二十六日の平日にメーデーを開催すべきだ。本来は五月一日に仕事のない限り参加するものを組合員にすべきで、それ以外の組合員が多数を占めるユニオンシヨツプは廃止すべきだ。
五月二日(水)「薄氷を踏むメーデー参加」
午後だけのメーデー参加でさへ薄氷を踏む思ひであつた。昨年から月始の勤怠事務を手伝ふようになつた。一日は午前が社外、午後がメーデー。二日は午前が社外、その後四連休。ところが会社の基幹システムが三十日にダウンし勤怠の入力が出来ない。ソフトウエア会社のコンピユータがダウンするなんて紺屋の白袴といふ言葉を思ひ出すが、中小はメーデーに参加するだけでも大変である。
大手(例へば富士通労組)は五月一日を休日にした上に会社の休日出勤命令権は五月一日には及ばないといふ条項を協約に入れてゐた。過去の毎年ストライキをやつた時代のなごりである。今組合を結成したらそんな条項は入れられないだらう。大手は過去のストライキを行なつた時代の遺産を食ひ潰すのではなく、軸足を中小に移すべきだ。(完)
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