三百八十五、小沢一郎氏の同級生伊東弁護士と東京地裁へ
平成25年
三月二十四日(日)「登記訴訟」
うちの労組は数年前に分裂騒ぎがあり、委員長と書記長が話し合つて円満分離した。その後、私の所属する委員長派の登記を書記長派が移転させた。これについて法務局は民事裁判を起こしてほしいといふ。つまり申請があつた以上、受け付けざるを得ないから民事裁判で決めてほしいさうだ。そのため裁判を起こした。
一昨日我々の委員長と向う側の書記長の証人尋問があり、私も傍聴のため東京地裁に行つた。ところが傍聴席独占事件といふ日本の裁判の傍聴制度を破壊する事件が起きた。
三月二十五日(月)「傍聴席独占」
あらかじめ傍聴席を分け合ふよう双方の弁護士で話し合つたが、向こうの弁護士は拒否した。開廷は一〇時半なのでその前に行くと、向こうは朝八時から東京地裁前に集合し席をすべて占拠した。法廷の扉の外に向こうの副委員長など二名が門番みたいに立つてゐて「満席だから入れません」と言つた。東京地裁の職員以外がさういふ行為をしてよいのだらうか。開廷してからも釣で使ふような折り畳み椅子を取り出してそこに一時間半座つてゐた。
我々は伊東弁護士から午後の分は何とかするといはれたので、廊下で待機した。開廷前に委員長に印鑑を買つてくるよう言はれ印鑑を渡すときも向こう側の関係者に渡し、その人が印鑑をこちら側の証人に渡すといふ江戸時代の側用人みたいなことを行つた。向こう側はいつから東京地裁の側用人になつたのかと嫌味の一つも言ひたくなる。
三月二十六日(火)「午後に入廷」
昼休みに腕章を巻いた東京地裁の職員が法廷の入口に立ち、「あと三席です」といふので我々の側も五人中三人が傍聴席に入ることができた。本物の職員がゐるので門番と側用人は釣用折り畳み椅子とともに姿を消した。
向こう側の主尋問と反対尋問、こちら側の主尋問は午前中に終了したから我々は聞き逃した。こちら側の反対尋問だけを傍聴した。満席の傍聴者のうち真剣に聞いてゐたのは一割程度だつた。傍聴者のうち何かと下品に笑ふ人がゐた。あとカバみたいに大きく口を開けて笑ふジエスチヤーをした人もゐた。ヤジを飛ばすことは禁止だから笑ひ声や笑ふ格好をすることで、少しでも有利にしようといふのだが裁判は公平にすべきだ。笑ひ声くらいで裁判官が影響を受けるはずはないが。
三月二十七日(水)「中立の弁護士に依頼」
我々の労組は、労組同士の訴訟に労働弁護士を巻き込んではいけないといふことで事務所が近い伊東弁護士に依頼した。向うは労働弁護士に依頼した。だから我々とは仲が良い労組でも、向うの弁護士とは知り合ひといふことで傍聴を遠慮するところがあつた。
我々は中立の弁護士に依頼したおかげで小沢一郎氏の高校時代の同級生と知り合ひになつた。世の中は偶然の連続である。(完)
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